「ムーンラバー」はジャズ調の弾むような曲調で、基本的には明るい曲です。だけどどこか儚げで寂しい雰囲気を感じのは私だけ??
よーく歌詞を読み込んでみたら、その明るさと儚さの矛盾の謎が解けちゃいました!
こちら、かなり深読みの歌詞の意味解説になります。
だけどそう思って読んだら、そうとしか思えなくなる!
スタンダードな歌詞の解釈と、深読みの解釈と両方解説していくので、ぜひ最後までお読みください!
満月の夜にだけデートの約束
まずはスタンダードな歌詞の解釈から。
三日月の夜 窓を開けたら
片目を閉じて薬指で
満月になるように やさしく書き足せたら
どこへでも駆けつける 君の元へ
2人は「満月の夜にだけ会おうね」と約束でもしてるのかな?
夜空の下でのデートの歌詞ということで、七夕の夜にしか会えない織姫と彦星を連想させとてもロマンチックです!
本当はまだ三日月なんだけど、指で書き足して無理やり満月にして、会いに行こうとしているってことで、かなりラブラブな様子です(´ω`)
うまくいかない日常も 辛すぎたトラブルも
笑顔に変わるまで聞かせて
彼女の愚痴や相談をずっと聞きますよ~、君が納得するまで(笑顔になるまで)ずっと聞くよ~っていう感じかな。
無理やり会いに来ているのも彼の方だし、かなり彼が彼女に夢中になっている感じです。
僕と淡い甘い恋をしよう
夜が明けるまでまでそばにいるからさ
流れ星集めてグラスへと
どんな味の夢を見よう
誰のおしゃべりは夜が明けるまで一晩中続きます。
きっとお部屋の窓からは、星や月が見えて、ロマンチック。
飲み物を入れたグラスに星が映り、キラキラときれいな様子を、「グラスに流れ星集めて」なんて表現しているのかな~?
彼女との時間があまりにキラキラしているから、彼には本当にそんなふうに見えているのかも。
1,2,3で夜風に飛び乗れ
行きたい場所に行くのさ
縛られた決まり事だけじゃ
見えない世界を渡ろう
目が覚めたって忘れないように
僕は今日も夜空を描くよ
彼女は日常に辛いトラブルなどを抱えているようですが、彼と一緒にいる時だけは自由です。縛られた世界じゃなくて2人だけの世界に飛び出ます。そして今日も僕は夜空を描いて、君に会うために満月を描きます。
2番のAメロもまたとってもラブラブです。
夜更かしばかりさせられないね
たまに問いかけるかもしれない
君からの返答を わかってはにやけてる
呆れないで笑ってみせて
彼「毎晩毎晩会いに来たら、寝不足になっちゃって迷惑だよね?」ってたまに問いかけるかもしれない。
だけど君は「そんなことないよ。私も会いたいよ」ってきっと答えてくれる。
そうわかってて、にやけちゃう。
「もう~!わかっててそういうことを何度も聞くんだから」と彼女は呆れるけど、そう言わずに笑ってね。
2人の甘いやりとりが目に浮かんできます!!(≧▽≦)♡♡
今は長く甘く見つめ合おう
言葉はなくても君を感じたい
月明かりに潤むその瞳
離れてても見つけるさ
ラブラブな2人に言葉はいりません。ただ黙って見つめ合い愛を育む時間も。
だけど最後の「離れてても見つけるさ」と言うところがちょっとわかりませんね?今一緒にいるはずなのに? (この謎は後の考察で解けます!)
1,2,3で僕の名を呼んで
君の声で聞かせてよ
何度でも返事するからさ
それだけで幸せだよ
もうラブラブすぎて、君が僕の名前呼んでくれるだけで幸せを感じちゃいます。
目が覚めたって耳に残るように
僕は今日も歌い続けるよ
「歌い続ける」と言う表現は比喩。
君の目が覚めたときに僕の声が耳に残っているように、
「僕は今日も君に愛の言葉を囁き続けるよ」と言う意味なんじゃないかな?
ここまでがスタンダードな解釈!
ラブラブなカップルが夜中にデートをしている様子。
三日月とか満月とか、それだけでロマンチックになれる風景が思い浮かびます。
ここまでがパッと聞いて、みんながイメージするような歌詞の意味なんじゃないかな?
明るいようで、どこか儚げ
全体的に弾むような曲調で、ジャズ調なので、”夜”とか”オシャレな雰囲気”も感じます。
一見したら明るい曲調なのに、どこか儚げと感じませんでしたか?(私だけ?)
一番のサビ
目が覚めたって 忘れないように
僕は今日も夜空を描くよ
2番のサビ
目が覚めたって 耳に残るように
僕は今日も歌い続けるよ
3番のサビ
もし君が全て忘れても… (ここはかなりタメる)
僕はここにいるよ
そばにいるよ
最後の繰り返しのサビ
目が覚めたって過ごした時間は
君を守るから
強くなれるから
僕はずっと君と…
巡り会うよ
と、何度も何度も彼女が目を覚まし忘れてしまうことを彼が恐れている感じなんですよね。
さらに最後のサビの一番最後にもこの言葉が繰り返されている。だいたい最後のサビでは一番伝えたいことがくるっていうのが、私の持論なんです。
「彼女が目を覚ます」
もし普通のラブラブのカップルだったら、彼女が忘れてしまうことなんて考えもしなくないですか?
だからこの2人の関係は、すごく危うくて、彼女の気持ちはすごくぼんやりしていて、彼は彼女の気持ちを必死で繋ぎ止めようとしている片想いソングにも聞こえるのです。
彼氏の片思いソング
この曲が片思いの歌なのかな?と考えながら歌詞を読んでみると、確かにそう思えてくる理由があります。
それは、
ラブラブカップルの幸せを歌った曲だと、大体「君が〇〇と言った」とか「君はいつも〇〇だね」とか、君の言動の描写が出てくるんです。
逆に「君が好きだ」とか「会いたくてたまらない」とか、自分の気持ちだけを綴っている曲って、大体片想いソングなんですよ。
この歌詞の中で彼女の行動と捉えられるものは
1,2,3で夜風に飛び乗れ
僕の手を握りしめて
くらいでしょうか。
あとは
1,2,3で僕の名を呼んで
君の声で聞かせてよ
何度でも返事するからさ
それだけで幸せだよ
君が僕の名前を呼んでくれていることがわかります。だけど名前を呼んでもらうだけですごく幸せを感じちゃうって、彼>彼女とかなり彼のほうが惚れこんじゃってる二人の関係性がわかりますね。
これってラブラブな状態で名前を呼び合っていると言うよりは、彼女は何気なく彼の名前を呼んでいるんだけど、「そんな些細な事でも幸せを感じる」と言う片思いによくありがちなシチュエーションとも捉えられます。
あともう一つ
君からの返答をわかってはにやけている
呆れないで笑ってみせて
のところでは、彼女の返答の描写はないですが、僕がそれを想像してにやけててしまっているので、彼女が優しい言葉をかけてくれることがわかっている、と言うふうにとらえられます。
この部分を見ると、とても片想いソングには思えないラブラブカップルの歌のように思えるのですが、この謎についても下で検証していきます…。
「1,2,3」は魔法をかける呪文
この甘い感じの描写と、ちょっと切ない描写が見え隠れする、矛盾した歌詞は一体どういう意味なんだろう?
と考えたときに、全ての謎が解けちゃったんです…!
- サビの全てが「1,2,3」から始まること。
- 曲のイントロも、海ちゃんの「1,2,3」から始まること。
「Moon Lover」と言う曲のタイトルを忘れてしまったとしたら、「1,2,3の曲」と説明する人も多いくらい、この曲にとって「1,2,3」は1番印象的なフレーズなのではないでしょうか?
この「1,2,3」って、歌詞の意味を読み込むときにはすっ飛ばして考えちゃってませんか?
ただ曲にリズムをつけるためだけの”掛け声”的に捉えてませんか?
でも曲の1番の印象となるくらいに1番目立つところに配置されているフレーズです。
絶対に何か意味があるはず!
そう思った時に、全ての謎が解けちゃったんです。
魔法をかけたり催眠術をかけたりするときに「1,2,3」って言いますよね?
これは彼氏が、片思いの彼女に対して自分を好きになるように魔法をかけている呪文の言葉なんです!
そう思うと、この夜空の下でのロマンチックな月夜のデート、これ自体が幻想なんじゃないかな?と思えてきます。
しかし魔法や催眠術は、いつかは解けるもの。
だから彼は彼女の目が覚めてしまうことを恐れているのです。
魔法が解けたら、彼女は夢から覚めたように僕との楽しかったデートのことを忘れてしまう。
僕を好きだという気持ちも忘れてしまう。
だから「目が覚めたって忘れないように僕は今日も夜空を描くよ」
=毎日のように三日月に指で描き足して満月を描いて、また君に魔法をかけに行くよ。
「目が覚めたって耳に残るように僕は今日も歌い続けるよ」
=魔法から解けた後も、少しでも魔法が残っているように、「歌い続けるよ」=「魔法の呪文をかけ続けるよ」
だから大サビのところでは
「もし君が全て忘れても…」
=君が全てを忘れてしまうことを予期して、受け入れているんですね。
だけど
「僕はここにいるよ そばにいるよ」
=彼女への愛は変わらないのです。
全ては彼の妄想だった…!?
そして、ここが一番面白いな…!と感じたのが、
最後のサビでは、視点が変わっているんじゃないかな?と思います。
- 今まで「目を覚ます」は「彼女が目を覚ます」という意味。
- だけど最後のサビでは、「僕が目を覚ます」という意味。
↓ ↓ ↓
- 彼女との楽しいデートは幻想だった。
- 彼女が自分を好きだと言う事実は、本当はない。
ことに彼が気づくんです…!!( ゚Д゚)
つまり上で解説していたような
「彼女に魔法をかけて自分のことを好きにならせて、その魔法がいつか解けた。」
と言う事でもなく、
「彼女に魔法をかけて自分のことを好きになってくれたらいいのに…と言う全て彼の幻想のストーリーだった」
のです!
だから彼女が「僕の手を握りしめて、夜風に飛び乗ってデートをした」、というのも本当はなかった事実。彼の妄想だったのです!
そう考えると、2番のAメロのラブラブな様子
「夜更かしばかりさせられないね
たまに問いかけるかもしれない
君の返答をわかってにやけてる
呆れないで笑ってみせて」
と言うところも、彼女が実際に答えたわけではなくて、勝手に彼女の答えを想像してにやけているわけですから、すべて彼の妄想。
妄想なら、自分にとってにやけちゃうくらいに嬉しい答えを彼女がしてくれるのも当たり前です。
「今は長く甘く見つめ合おう
言葉はなくとも君を感じたい
月明かりに潤むその瞳
離れてても見つけるさ」
の部分も、「言葉は無い」→彼女のほうは彼を好きではないですし、実際はデートもできていませんから、当然何も言ってくれません。勝手に彼が君を感じているのです。
「離れてても見つけるさ」→さっきまで夜空の下でデートしていたはずなのに、「離れている」と言う矛盾にも頷けます。
本当は彼女とは会っていない、自分の部屋で妄想しているだけ、もしくは彼女の家の前まで言って、外から彼女の部屋の明かりを見つけていたりする状況なのかな?
遠くから彼女を見ているけど、「どんなに離れていても君と見つけるよ」という意味です。
だけど「目が覚めたって過ごした時間は」
幻想から覚めて、自分が片思いだって再認識したけど、
妄想の中で君と過ごした時間は確かに楽しかった。
だから
「君を守るから 強くなれるから」=僕の君への気持ちは変わらない。
「僕はずっと君と…巡り会うよ」=多分また生まれ変わってもきっと君を好きになるだろう。
と言う変わらぬ愛を歌ったとっても切ない片思いソングなのです!
もともと三日月を満月に書き足したのは彼自身ですから、彼はこの幸せでラブラブな月夜のデートが本物ではないということをずっと分かっていたのでしょう。
いつか自分も現実に戻らなければならないこと、そしたら夢から覚めたように目の前の愛しの君が消えてしまうこと。
だから何度も何度も「目が覚めたって忘れないように」と繰り返し言っていたのです。
めちゃくちゃ切ないですね!
小説のネタバレにもなっちゃうけど…
ということで、小説の中で平野くんとれんれんの三角関係の結果、れんれんが主人公の女の子をゲットしたわけですが、その回にこの曲を使ったということは、今後の方向性をネタバレしちゃっているようなものなのですが…。
ちょっと強引に自分が作り上げた幻想の関係ってことなんですよね…。
小説の中でれんれんは、自分が作ったフルーチェに「惚れ薬を入れた」なんて冗談を言っていますが、これはまさに魔法やおまじないをかけているかのようで。
だけどそんなあやふやなものは、いつかすぐに解けてしまうことを、本人もきっとわかっていたのかなあと思います…。
まだ小説は続いているのでこれ以上ネタバレは言えませんが、そんな意味も込めてこの曲を使わせていただきました!
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