キンプリ妄想歌詞小説「Doll」13話 最終回~叶うならガラスケースに飾っておくわ これからずっと失わないように~

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いよいよ最終話です。

花凛と紫耀の関係を知ってから、嫉妬でおかしくなってしまった廉。
廉からの束縛に苦しむ花凛。
そんな廉から助け出してくれると言ってくれた紫耀。

花凛が選ぶのは…!?

12話はこちら

叶うならガラスケースに飾っておくわ
これからずっと失わないように

いつか貴方がこんな私に愛想尽かすならその前に呪い殺してしまえばいい…

永瀬廉・神宮寺勇太(King & Prince)「Doll」 作詞作曲:TOOBOE、編曲:TOOBOE・川端正美

私の書く”音楽小説”は、キンプリの曲の歌詞をモデルにしてストーリーを作っています。
こちらの小説は、キンプリの曲「Doll」の歌詞からインスパイアされた小説です。

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雪の奇跡(廉サイド)

「はぁ~っ!先輩っ、本っ当にお疲れ様でした!このプロジェクト、先輩がいなかったら成功してなかったっすよ!本当にありがとうございました!!」

クライアントの会社を出て、一緒にプロジェクトを進めてきた後輩が振り返って後ろ向きに歩きながら言う。

「でも、これでほんとに先輩、会社辞めちゃうんですよね…。このプロジェクト無事に終わること望んでたけど、先輩がいなくなっちゃうって考えたら、ずっと終わらないでいてほしかったって言うか…」
「いや、それ困るから(笑)それじゃいつまでたっても家族と一緒に暮らせへんやん」
「そりゃそうですけど~!でも、先輩とお別れするの寂しいですよぉ~~!先輩も俺と離れるの寂しいでしょ!?ね!?今、泣きそうでしょ!?」
「全然、今俺、ルンルンやわ。”前と離れる” < “家族と一緒に暮らせる”、やもん」
「えぇ~~そりゃそうですけどぉ~~~!先輩のドSぅ~~~!!」

冗談めかして言ったものの、だいぶ本心だった。
後輩が言うように、このプロジェクトは俺なしでは成功していなかっただろう。
それがわかっていたから途中で投げ出すことができずに、花凛と咲人を先に新潟に送り出して俺だけこっちに残ったが、その選択は間違いだったと今になって思っていた。

まさか俺と離れている間に、花凛が紫耀と再会してしまうなんて思いもしなかった。

一緒にいる間、あれだけ花凛に変な男が近づかないように警戒して、姿を消した紫耀がいつまた現れるかと怯えていたのに、まさかほんの少しの期間離れることになったその瞬間に、2人が再会してしまうなんて。
そりゃ、花凛と咲人だけを先に新潟に行かせるのはめちゃくちゃ心配だったけど、プロジェクトはだいたい半年で終わるだろうことはわかっていたし、たった半年で俺たちの結婚生活が破綻してしまうことなど、誰が想像できただろうか…。

花凛は俺を裏切った。
俺を裏切って紫耀と…。
それは、とうてい許せることではない。
今、思い出すだけで、この場で大声を上げて暴れまわりたいほどの衝動に駆られる。

しかし、許せないからと言って、花凛と離婚するという選択肢は俺の中には1mmもなかった。
花凛が俺に対してどんな裏切り行為を行おうとも、花凛の気持ちが俺から離れて行こうとも、俺は花凛を手放すつもりはない。


だから、花凛を家に閉じ込めた。
全ての連絡と行動を監視し、花凛の自由を奪った。
そんなことをすれば、どんどん花凛の心が離れて行くばかりだということはわかっていた。
それでも、そうする他、どうしようもなかった。

花凛には、俺の帰りだけを待っていてほしい。
一日中、俺のことだけを考えていてほしい。

俺は仕事以外の時間は全て家族に捧げることができる。
もはや仕事中ですらずっと花凛のことを考えている。


それなのにどうして花凛は、
俺がこんなに思っているのに、
どうしてまた俺の手から逃げ出そうとするんや…。

「先輩どうしました?なんか手震えてません?」
さっきから俺の腕にじゃれついてきている後輩が、スマホを持つ俺の手を見て不思議そうな顔をする。


「寒いですか?手袋貸しますぅ?」
そんな後輩の手を振り払いもう一度スマホを確認する。
GPSの履歴が、花凛の居場所を家の近くの神社と示していた。


実は少し前にも花凛はこの神社に行ったことがあった。
週末に帰った時に何をしていたのか問い詰めると、「散歩していて立ち寄っただけだ」と答えた。
確かに滞在時間はほんの少しだったので、そこまで怪しむ必要はないのだが、”神社”というのがとても引っかかった。


神社は花凛と紫耀にとっての思い出の場所だ。
毎年、七夕はそこで会うことを決めた約束の場所だ。
から花凛は、紫耀と別れた後、そして俺と付き合った後にも、毎年7月7日だけは神社で紫耀を待っていた。


花凛がどうしても紫耀を忘れきれていないことを知り、一度は俺も花凛のことを諦めようと思ったが、どうしても諦められなかったことと、咲人ができたことをきっかけに、花凛と結婚することになった。


しかしあの日、花凛があの神社で待っていたのは、紛れもなく紫耀だった。
俺ではなく紫耀だったのだ。


しかし迎えに行ったのは俺だった。
振り向いた花凛が、俺の顔を見て、残念そうな表情を浮かべたことが、今でも忘れられない。

あの時、迎えに来たのが俺ではなく紫耀だったら、きっと花凛は何もかもを捨てて、紫耀と一緒に俺のもとを去っていったんやろう。


そんな運命を分けた場所、それがあの思い出の神社だった。


そんないわくつきの”神社”という場所に花凛が行ったことがどうしても気になって、新潟に行った時に、その神社の場所を確認してみたことがある。
花凛と紫耀の思い出の神社とは特段風景が似ているわけでもなく、家の近くにあるさびれた小さな神社ということくらいしか共通点がなく、安心した。


全く別の神社なのだからそこまで気にすることはないのかもしれないが、しかしもう”神社”という響きだけで嫌な予感がしてしまう。

そんな神社という場所に花凛はまた出向いている。
しかも今回はそれなりに長い時間そこにいたようだ。
散歩で立ち寄ったからと言って、そんなに時間が潰せるような場所でもない。

怪しい。怪しすぎる。

きっと花凛は誰かと一緒にそこにいたはずだ。
その相手は…
一人しかいないやろう。


後輩が心配するほど、俺は自分の手がワナワナと震えているのがわかった。

また…
また花凛は俺を裏切るのか…?

「あれ先輩!?これ雪じゃないですか!?え!?本当に!?雪!マジ雪っすよ!!すげー!!」
後輩が大騒ぎしている声に我に帰って顔を上げると、確かにチラチラと白いものが舞っていた。

「えぇーーっほんとに雪っすよ!すげー!雪なんて、何年ぶり!?確か俺が高1くらいの時かな?雪降ったことあるんすよ!先輩覚えてます!?その時、先輩何歳くらいでした!?」


覚えてる。
忘れるわけない。


俺が花凛にプロポーズした日や。


その時の風景と感覚が一気に体中に蘇ってきて、鳥肌の立つ感覚を覚える。


温暖なこの街に突如降ってきた雪と、俺の隣で笑う花凛の姿が重なって、まるで奇跡みたいに思えた。


あの時まだまだ紫耀に対する劣等感があって、花凛が本当に俺を好きでいてくれているのか不安はあったけど、でも確かに花凛は俺の隣で笑っていた。
そこにあると思ったのに手に取ったらすぐに透明な水になって消えてしまう雪みたいに、人の心は透明で見えないのだから、信じるしかないのだと心に決めたじゃないか。

花凛が俺に向けてくれる笑顔を信じるから、これから先、絶対に花凛を傷つけないと誓うから、
だから神様、どうかこの幸せが続きますようにと、空から降ってくる雪を見て願った。


どうして俺はそんな大事なことを忘れてしまっていたのか。


二度と花凛を傷つけないと誓ったのに、俺は…。
花凛に俺のことだけを考えていて欲しくて、そのためには花凛を縛っても仕方がないと思った。

だけど、本当はそれじゃ意味がなかった。
俺のことばかりを考えていても、それが俺への”怯え”であっては意味がなかったんだ。


本当は、俺のことだけを愛していてほしかった…。
ただそれだけだったのに…。

いくら指輪をつけて俺のものだと示しても、体を無理やり奪っても、
心までは縛れないんや…。

今頃、そんな当たり前のことに気づいても、もう遅いやろうか?
あれから何度、俺は花凛の心を傷つけてしまったんやろう…。

もう遅い?
花凛の心は、完全に俺から離れてしまった?

今すぐに、花凛に会いたい…。

淋しさが埋まるまで側にいて

神社にいたことはきっと廉にバレてる。
廉はいつだって私の行動をちくいちチェックしていて、ほんのささいな変化も見逃さない。
そして、少しでも怪しいところがあれば、徹底的に追求してくる。

週末帰ってきた廉は、表情がなく、なんだかいつもと違った。
きっと、ものすごく不機嫌なんだと思った。
私が紫耀くんと会っていたこと、きっと勘づいてる。
今日のお仕置きはどんなものになるのかと考えると背筋がゾクッと寒くなる。
だけど、もし本当に紫耀くんと一緒に逃げるなら、そんなお仕置きももうこれが最後かもしれない。
そう思ったら、なんだか心が軽くなる思いだった。

「じゃぁ、今日も咲ちゃんはばーばのお部屋で寝ようねー。おやすみー」
いつものように、お母さんが咲人を自分の部屋に連れていく。
寝室で廉と2人。緊張が走る。

「昨日、近くの神社行った?」
やっぱり、その話から始まった。

「うん」
「何しに?」


ここからきっと、執拗に問い詰められる。
言い逃れ、できるだろうか。


「えっと、ちょっと気晴らしに散歩…」
「ちょっと気晴らしに…」
廉は小さな声で繰り返して、ゆっくり私に近づく。

ダメだ。やっぱり怪しまれてる。

廉の手が伸びてきて、身を固める。
しかし、その手は私の顔の横を通り過ぎて、ベッドサイドのテーブルに置いてあった私のスマホを取った。


あぁ、証拠チェックか。
それなら大丈夫、紫耀くんとはスマホで連絡を取っていない。
スマホをチェックして廉の気が済むのを待つ。


すると廉は、「はい、これで完了」と言って、スマホを私に返してきた。
「アプリ、消したから」
「え?」
「位置情報アプリもメール転送アプリも消したから」


予想外の言葉に、一体廉が何を考えているのか、すぐには理解できない。


「今まで…ごめん…ずいぶんと辛い思いさせとったよな?」
今度は廉は私の隣に座って、そっと私の頭に手を添える。
それから優しく頭を撫でてくれた。


「もう、花凛の行動チェックするのもやめる。位置情報も誰とどんなメールしてるかもチェックしたりしない」
「廉…?どうしたの…?」


なぜ、突然廉がこんなことを言うのかわからないし、その豹変ぶりが逆に怖かった。


「今までほんまにごめん…ごめん…」


廉は私を抱きしめると、私の肩にぐったりとうなだれるように顔をうずめる。


「俺、ずっと不安やった。いつか紫耀が現れて、花凛のことかっさらっていくんやないかって。花凛と結婚して、咲人が生まれて、すごく幸せやったけど、でもずっと不安やった。
幸せになればなるほど、不安は大きくなってった。この幸せを失いたくないって。
俺さ、もともと母親に捨てられとるし、父親はあんなやったし、紫耀と紫耀のお母さんはすごくよくしてくれたし感謝してるけど、なんかどっかで”紫耀の家族に入れてもらった”っていう気持ちが消えんくて。
だから、俺が初めて手に入れた家族は、やっぱり花凛と咲人なんや。あぁ、俺の家族や…って、心から思えるんよな。
それが幸せで、だからこそ…失うのがすごく怖かった…。
もうこんなことせんから、だから、だから…俺のそばからいなくならんで…」

廉はすがるように力なく私を抱きしめた。
そのあまりにも悲痛な様子に、思わず私も廉の背中に手を回す。

あれ…?

「廉、痩せた…?」

背中に回した手の感触がなんか前と違う。
もともと肉なんてなかったけど、ほんとに皮一枚でそこに骨があるのがわかる。

そういえば、最近、一方的に”される”ばかりで、”抱き合う”という感じではなかったから気づかなかったんだ。
しばらく、私の方から廉に触れてなかった。
まじまじと廉の顔を見ることもなかった気がする。

「花凛が不安にばっかさせるからやん…」



いつの間にか、こんなに頬もこけてたんだろう…もともとクッキリとしたきれいなフェイスラインをしていたけど、今では顎のラインも頬骨も少し目立ちすぎているように感じた。

「ごめん…」

私のせいだよね。
私が、廉を裏切って、廉を悩ませて、廉を不安にさせてたから…。

その日は、廉は無理やりしようとはしなかった。
その代わりに、私の手をギュッと握りながら眠った。同じ「ぎゅっと握る」でも、私の手を力強く引っ張ってあの家から連れ出してくれた紫耀くんの手とは全然違って、それはまるで、私に「どこにも行かないで」とすがっているように感じられた…。

私は、どちらの手を信じてついていけばいいの…?

答えはわからなかった。

でももし、私がこの手を振り払ったら、廉の心はパリンと割れて壊れてしまうんじゃないかと、それくらい繊細なコワレモノのように、今の廉は弱っていた。

付き合ってた頃も結婚してからも、廉はずっと私にありったけの愛をぶつけてくれてきていた。
私はそれをちょっと”重い”と感じてしまうこともあって、私は廉に同じだけの愛を返してこなかったような気がする。
廉が「好きだ、好きだ」と言ってくれるのをいいことに、どこか甘えていたのかもしれない。

私は結婚してから不安なんて一度も感じたことがなかったけど、廉はずっと不安だったんだ。
紫耀くんがいなくなってからもう何年も経っていたのに、紫耀くんとの思い出のつまったあの町から私を離れさせたがっていたのも、それだけ不安だったからだ。

廉の心がSOSを出していたのに、私はそれに気づきもせず、不安を一度も感じることなく過ごせる結婚生活を廉が与えてくれていることにろくに感謝もせず、
そして、廉が一番恐れていた紫耀くんとの再会、そしてさらにそこから関係を進めてしまった。

私はなんてひどい女なんだろう。
それでもなお、廉は私に「どこにも行かないで」とすがってくれる…。


そんなことを考えていたら、なんだか私の胸も張り裂けそうに痛くなって、骨ばった薄っぺらい廉の体を抱きしめるようにして眠った。

淋しさが埋まるまで側にいて 疑いようもない程に近く

King & Prince「Doll」

(花凛サイド)

朝、始発の新幹線で向こうに戻る廉を送り出し、そして咲人を一旦学校へと送り出す。
それからしばらくして咲人を学校へと迎えに行って早退させ、2人で紫耀くんの待つ神社へと向かう。
荷物は最低限でいい。お母さんに怪しまれないようにするためだ。
新しい生活が始まったら、3人で必要なものを揃えていけばいい。
着の身着のままで紫耀くんの車に乗り込んで、この街から、そして廉に閉じ込められたあの家から抜け出す…。

それが、紫耀くんとの計画だ。

紫耀くんと話した時は今すぐにでもそうしたくて、私を城から連れ出してくれる王子様に見えた。
だけど、迷っている。

だって、廉があんな風に変わってくれたから。元の優しい廉に戻ってくれたから。
だけど…。

DVをする男って、泣いて「ごめんね、もう絶対しないから」って謝って、だけどまた同じことを繰り返すって、よく聞く。
本当に廉の言葉を信じてもいいのか?またあの怖い廉が出てきたらどうする?

もしこのまま紫耀くんの元へ行かなかったら、きっと紫耀くんは1人でこの街を出ていってしまう。
そうしたら、また辛くなったとしても、もう私を連れ出してくれる王子様は他には現れないし、それ以前に、もう二度と紫耀くんに会えなくなってしまうと思うと、やっぱり悲しい。

いったいどうしたらいいの?

ゆっくりゆっくりと歩いていたのに、答えが出ないままに学校へと到着してしまった。


神社の前に、紫耀くんの車が路駐していた。
後ろから近づき、運転席の窓をコンコンと叩く。
紫耀くんがはっと顔を上げ、ウィーンと窓が下りる。

「良かった、来てくれないかと思った」
紫耀くんがかすれた声でそう言って笑った。

「寒いでしょ、乗って」
困ったようにそこに佇む私に、紫耀くんが助手席に乗るように促して、私は車の反対側に回って助手席のドアを開け乗り込んだ。

(廉サイド)

駅に到着すると、新幹線が運転見合わせになっていると表示されていた。
どうやら、ここよりもっと上の方の地域で雪が降っていて、その影響で止まっているらしい。

どうしようかとしばらくホームで時間をつぶしていると、時間差でここにも雪が舞い始めた。

「あ、雪や…」

これは、もう新幹線、動かへんな。
同じように判断したのであろう周りのサラリーマンが、どこかに電話をかけたり、ホームの出口に向かったりと、せわしなく動き始める。

俺は、プロジェクトも終わったことだし、そんなに慌てて戻る必要もない。
今日は休むって連絡しとこ。


昨日は、久しぶりに花凛と心が通じ合えた気がする。
今までは、花凛を俺のものにしたくて、そのために無理やり花凛の体を手に入れようとしていたけど、体だけを手に入れても、余計に心は離れて行くものなんやって、やっと気づいた。

だから昨日は、体ではつながらんかったけど、逆に心が繋がった気がして、久しぶりに安心して眠れた。


最近、夜もちゃんと眠れてなかったからな。
夜中に花凛が紫耀に会いに行ってるんちゃうかって、夜中に何度もGPS確認したりして。

だけど、そんな俺の重すぎる愛が、花凛を苦しめていたのだ。
花凛をたくさん傷つけてしまった分、これからは、花凛を目いっぱい大事にしよう。


花凛は許してくれるやろうか?
当然不安はある。


でも昨日、俺の手を握り返してくれた花凛の手、そして俺の体を包み込むように抱きしめてくれた花凛の温かさ、そこには疑いようのない信頼を感じられた。
うん、きっと大丈夫。
俺が花凛を信じれば、きっと花凛はそれに応えてくれる。

まだ舞い始めたばかりの小さな雪の粒は、地面に落ちるとすぐに溶けて消えていく。
だけど、そんな光景を見ても、もう俺は不安にはならない。
目には見えなくても、俺たちの間にはちゃんと絆がある。

家まで歩く途中、どんどんと雪の粒は大きくなってきて、うっすらと地面に積もり始めていた。

ほら、絶え間なく降り注げば、きっと見えないはずのものも見えてくる。
俺の愛も、きっと花凛に届くはず…。

家の近くまで歩いて来て、T字路の突き当りにあの神社が見えてきた。神社へのトラウマなのか、少し心がザワっとする。

ちょうど、そこに車が路駐していて、運転席の隣に女性が立っている。


え…


その後ろ姿に、背筋がピンと凍り付く。
顔は見えなくても、後ろ姿ですぐにわかる。


だって、片思いしている頃から、何度も何度もその背中を見つめてきた。
紫耀と並んで帰るその背中を、いつも気づかれぬよう後ろから見つめていた。

その女性が運転席のそばを離れ、車の前を通って助手席側に回る。
その瞬間に、運転席に座る男の顔が見えた。

……紫耀!

そして、助手席のドアを開けるその人の顔もしっかりと確認できた。


なんで、なんで…、
…………なんでなん?…花凛。


花凛、やっぱり俺を許せなかったん?
それで紫耀と会うてるんか?
紫耀の車でどこに行く気なん?
まさか、紫耀と一緒に、俺から逃げていくん?


花凛は助手席へと乗り込み、車はゆっくりと発進して見えなくなっていく。

待って…、待って待って待って待って待って待って待って…!!

必死に車を追いかけ、T字路を飛び出したとき、俺は宙を舞った。

(廉サイド)

キキーッ、ドンッ!

あれ?なんか浮いてる。
俺の体はふわりと宙を舞った。

と思ったら、次の瞬間、冷たい地面への強い衝撃。
え、めっちゃ痛いやん…!?

「廉っ!!廉っ!!しっかりして!廉っ!!いやぁーーーっ!!」

意識がもうろうとしていく中、すごい勢いで花凛が駆け寄ってきて、俺の体を抱いて泣き叫ぶのをギリギリ認識した。

その後は、なんか寝心地の悪いストレッチャーのガタガタとした感覚とか、冷たい手術室のベッドの上でカチャカチャと何かの器具の音とか、断片的な記憶があるだけで、今はふわふわの花に囲まれ、何やら狭いベッドの中に寝かされている。

みんなが俺を見下ろし、ベッドの中に一輪ずつ花を入れていく。
みんな泣いている。

あれ、俺、死んでもーたやん。
ここ、棺桶の中やん。

そっか、俺、花凛を追いかけようとしてT字路を飛び出して、後ろから来たトラックにひかれたんや。
花凛は棺桶にもたれるようにして、ずっと泣いている。

「廉っ、廉…っ、う、うぅ…」

ずっと俺の名前を呼んで泣いている。
俺が死んで、そんなに悲しい?俺と離れ離れになるのが、そんなに悲しい?

どうやったら花凛の心を縛れるのか、花凛が俺から離れていかないか、ずっと考えてた。
そうか、こうすればよかったんや。
俺が花凜の目の前で死んだことで、花凛はこの先、ずっと罪の意識を背負って、他のヤツと幸せになることなんてできないやろう。

これはバチが当たったんやで?
花凛が、紫耀と一緒に俺のもとから逃げようとしとったから。

俺さ、花凛と付き合いだしてからも、ずっと紫耀に対して焦ってた。
紫耀と花凛は小学生からの付き合いで、花凛と出会ってからたいして時間が経ってない俺なんか、まったく勝ち目ないやろうって。

それでも、花凛が俺を好きになる。
花凛が俺の隣で笑う。
夢みたいな日々やった。
夢ならできるだけ長く醒めないでと願った。

祈るような気持ちで過ごした8年。
花凛と紫耀は出会って8年のところで、2人の歴史は止まった。

やっと紫耀に追いつけたと思った。これからは、俺の方がたくさん花凛と思い出を作っていけるんや。
やっとやっと、俺は紫耀の呪縛から解かれて、花凛と幸せになれると思った。

それなのに…。
2人の時間が再び動き出してしまったのなら、もう俺が追いつくことは不可能やん。

8年。
うん、まぁまぁ長い夢やった。十分や。幸せやった。
そして、俺はこれから長い長い眠りにつく。
もう醒めることのない夢の中へ。

これで永遠に花凛の心は俺のものになるのだと思ったら、死ぬのが全く怖くないどころか、むしろ大満足や…。


(花凛サイド)

(時間は少し遡る…)

廉ともう一度やり直すのか、紫耀くんと新しい人生をはじめるのか、歩きながら考え、答えが出ないままに咲人の学校へと到着してしまった。

正門の前に立ち、動けずに地面を見つめていると、ひらひらとしたものが落ちてきて、地面に落ちると姿を消した。

「あ、雪…」

空を見上げると、次から次へとひらひらと雪が降ってくる。

あ、この光景、前にも見た気がする。

そうだ、廉と付き合っていた頃、クリスマスに街中をデートしてたら雪が降ってきて、私たちが住んでいた町で雪が降るなんて奇跡?ってくらいにめずらしくて、すごくはしゃいだ。

その日、私、廉にプロポーズされたんだ。
私が前に語ってた妄想ひどすぎな”理想のプロポーズ”を廉が実践してくれて。
廉はその時まだ16歳で、結婚できる年齢じゃなかったから、「将来婚約しようねっていう約束」ってことで、”婚約約”をしたんだっけ。

あの時、後ろからギュッと抱きしめてくれた廉の温もりは、今でも覚えてる。
あの時、握り返した手の温もりも。私を抱きしめる廉の腕の力強さも。

その手は、紫耀くんにフラれてどん底に落ちていた私を救い上げてくれた手で、あの時、私が取るべきなのはこの手なんだって、その大事な手を絶対に離しちゃいけないんだって、そう思った。

どんどんと舞い落ちてくる雪のように、私の中に廉との思い出が次々に蘇ってくる。

そうだ、私たちには、いつの間にかこんなにもたくさんの思い出が降り積もっていたんだ…!

紫耀サイド


「良かった、来てくれないかと思った」

花凛に「俺と一緒に来てくれないか?」と迫ったけれど、その時、答えはもらえなかった。
しかし俺は、強引に、週明けの月曜日、この神社で待ってると花凛に告げた。
荷物は何もいらない。咲人だけを連れて来てくれれば、2人をこの町から連れ出すと。
ちょっと強引だとは思ったけれど、そう伝えた。
花凛は最後まで迷っていたようで、俺は花凛が来てくれないことも覚悟で、車の中で祈るように目をつぶってその時を待っていた。

コンコン。
運転席の窓をたたく音に振り向いて、窓の外に花凛が立っているのが見えたときには、天にも昇るような思いだった。

だけど、次の瞬間、俺は理解する。
花凛は咲人を連れていなかった。

あぁ、そうか。花凛はそう決めたんだな。
俺はもう、花凛の出した答えに気づいていた。

それでも、ここで待っている俺をすっぽかすことはできなくて、直接別れを言いに来てくれたんだろう。

「寒いでしょ?乗って」
困ったように立っていた花凛に車に乗るように促すと、花凛は小さく頷き、ぐるりと車の前を回って、助手席に乗り込んだ。

「…ごめんなさい、私、紫耀くんと一緒には行けない」
やっぱりそうか…。

「うん、そっか…」
「本当にごめんなさい…」

少し、気まずい間が流れる。

「廉とやってくこと、決めたんだ?本当に大丈夫なのか?廉、花凛にひどいことしてきたんじゃないのか?」
未練がましいな、俺。こんなこと聞いて。

「うん、そうだけど…でもね、廉、ちゃんと元の廉に戻るって約束してくれたの。もう、私を傷つけないって、約束してくれたの」
「そんなの…っ!!そんなの本当に信じていいのかよ⁉そうやって謝って、でも同じこと繰り返すような男、いっぱいいんだろ⁉つーか、DVするような男なんて、みんなそうなんじゃねーの⁉」

みっともなく、思わず声を荒げてしまった。

「うん、私も考えたよ。でもね、信じてみることにしたの。確かに最近の廉は怖かったけど、それは全部私のせいだから。
今まで廉は、ずっとずっと私を大切にしてくれた。私は今まで見てきた廉を信じる。
それにね、私、やっぱり廉と一緒に過ごしてきた日々を捨てられない。幸せな時間がいっぱいあったの…。
だから…、私はこれからも廉と生きていく。
本当にごめんなさい…」

もう、何も言えなかった。
花凛の心はもう決まっている。覆しようのないほど、はっきりと。
これ以上、花凛にこんな辛そうな顔をさせたくない。

「うん、わかったよ。でも、最後に一つだけ、お願い聞いてくれる?」
「え?」
「花凛を助手席に乗せてドライブするの、昔から夢だったんだ。この前車に乗せた時は、すごく微妙な感じになっちゃったからさ。最後は笑って楽しく!それで俺はもう、二度と2人の前には現れないから」

この状況でこんなお願いして、花凛が断れないことわかってて、ちょっとズルいなって思ったけど、最後に見る大好きな人の顔が泣き顔じゃ、あまりに悲しすぎるから。
最後は花凛の笑った顔を覚えておきたくて。

そしたら俺は、一人でこの町を出ていく。
今度こそ、2人の永遠の幸せを願って。

花凛が小さく頷いてくれて、ゆっくりと車を発進させた次の瞬間、後ろからブレーキ音と、ドンッという鈍くて大きな衝撃音がした。

すぐには何が起こったのか理解できなかったが、車を停めて後ろを確認して、交通事故だということがわかった。
急いで車を降りた。

え?

「…廉?」

反対側から降りた花凛が、小さく呟く。

「廉っ!廉っ!どうして…!?廉っ!!いやぁーーーっ!!」

花凛の泣き叫ぶ声が、頭の中に響いているのに、俺はがく然とそこに立ち尽くしていた…。

Doll(花凛サイド)

それは、あまりにも悲しい兄弟の再会だった。

トラックにはねられた廉は、その時点でもう意識がなく、急いで救急車を呼び、紫耀くんと2人で一緒に乗り込んだ。
救急隊員に、「患者さんとのご関係は!?」と聞かれて、「妻と兄です」と答えて、それは嘘ではないし、救急車に付き添うには十分すぎるほど近しい関係なので救急隊員の人からしたら全く不思議な光景ではなかったのだが、後から病院に駆けつけたうちの両親は、私と一緒にいるのが紫耀くんだとわかって、愕然とした表情を浮かべていた。


お父さんは、何が何だかわからない、という感じだったが、勘のいいお母さんは一瞬でその意味を理解したようだった。


でも、それでも、不倫がバレるとか、自分が責められたくない、なんて理由で、紫耀くんを病院に来させないわけにはいかなかった。
だって、やっと再会できた兄弟の、これが最後の別れになってしまうかもしれないって、ぐったりと倒れる廉から流れ出るあの血の量を見たら、想像できてしまったから。

後から分かったことだが、廉を轢いたトラックは配送会社のトラックで、以前、家族で家具屋さんに行った時に廉が気に入って取り寄せをしていたソファーをうちに運ぶ途中だった。
そのソファーを見ると、あまりにも辛い気持ちになるけれど、廉が最後に残してくれたものだから処分するわけにもいかず、家に運び込んだ。
リビングの真ん中に大きな存在感を放って居座るそのソファーは、決して座ることのない主をずっと待ちわびているかのようだった。
きっとこの先もずっと、家にいる間、このソファーが目に入るたびに、廉のことを思い出すだろう。
それはまるで、”決して俺のことを忘れさせない”と、廉にかけられた呪いのように。


紫耀くんは、お葬式への出席を許されなかった。
私たちが2人でいたことで、廉がそれを追いかけようとして事故に遭った。
「そんなこと、咲人にどう伝えるのよ?」と、お母さんに言われて、何も言えなかった。
事故の真相を咲人に伝えないことはもちろん、紫耀くんと私が再会していたことも、お葬式に駆けつけた廉のお母さん(つまりは紫耀くんのお母さん)や、お兄ちゃんや海人にも秘密にすることとなり、紫耀くんは、最初からいなかったものとして、もう二度と私たちの前に姿を現さないことを約束して、この町から出て行った。

私たちはもう二度と会うことはないだろう。
もし、どこかでまた偶然再会してしまっても、その時はお互いに声をかけずに通り過ぎるのだろう。
あの時も、そうしておけばよかったのだ。


別々に歩き始めたはずの私たち。
もう二度と同じ時間を過ごすことはなくても、どこかで幸せでいてくれれば、それでいいと思ってた。
それなのに、なぜ私たちはもう一度出会ってしまったのだろう。

この町で紫耀くんと再会した時、運命なんじゃないかって思った。
何度引き裂かれても、こうして何度も偶然出会ってしまうのは、やっぱり運命なんじゃないかって。

いい年して、高校生の頃から全く成長せずに、事あるごとに「運命、運命」と考えてしまっていた私は、やっと気付く。


何度も結ばれそうになりながらも結ばれなかった二人は、きっとこれから何度偶然に再会しても、絶対に結ばれない運命なのだと…。

女手ひとつで咲人を育てていかなければならない私は、このまま実家に住まわせてもらうほか生きるすべがなく、廉の残したソファの呪いと、同じ秘密を共有している両親の無言の非難の目に取りつかれたように、またこの家で息苦しく生きていくしかない。
決して自分の罪から目をそらすことはできずに、一生廉を思って生きていく。

棺桶の中で花に囲まれて眠る廉は、なぜか満足げに微笑んでいた。
その姿はとても美しく、まるでガラスケースの中に入れられたお人形のようだった…。

おわり


あとがき(作者の言い訳)はこちら

ふたりが思い出した”雪”の思い出デートはこちらのお話!
この頃の幸せな二人を思い出すと、すっごく切なくなります…。

コメント

  1. リノア(ちゃちゃすいっちさん大好き!) より:

    更新ありがとうございます!

  2. みな より:

    更新ありがとーございます!
    ついにれんれんが改心しましたねー!!!!れんれんが彼氏だったらなー笑。楽しみです🥺

    • ちゃちゃ より:

      しましたよ~、この前までは完全に紫耀くん優勢だったけど、れんれんがこうなっちゃうと、どうなるのか…。
      もうほんと、いよいよ終わるんですけど、もう結末も決まってるんですけど、みんなの感想が怖いです…(><)

      • みな より:

        元々紫耀くん推しだったのでそれまでは紫耀くん行け行けって気持ちだったんですけどれんかい推しになってからはれんれん行け行けって気持ちになってしまってます笑。なんか恋愛って誰かが成功すると同時に誰かが失恋しちゃうわけじゃないですか!ちょっと、いやだいぶ切ない…。
        え!もう結末も決まってるんですか!!早く更新してほしいです🥺私が誰よりも熱烈にお喜びいただけるような感想をお伝えして見せます!😆
        急かしちゃったみたいで申し訳ないですがなるはやで更新願います。よろしくお願いします!!!

        • ちゃちゃ より:

          ちょっとだけ更新しました~!でも、今回は、3日連続更新をする予定ですので、明日も更新します!!

          私は岸くん推しだったけど、3人が出て行ってかられんかい推しになってる気がします。
          でも、岸くん推しだったころから、なぜかしょうれんで三角関係書くのが好き。

          確かに、恋愛って全員ハッピー!ってことないから、どっちも選べない~~!ってキャスティングだと、ほんと書いてる方も苦しくて苦しくて…
          結末は、この続編書き始めるときから決まってます、はい。
          感想、ありがとうございます!それを励みに、最後まで書き上げます!

          • みな より:

            更新ありがとーございます!!!読ませて頂きました!!れんれん死んじゃったの……?(´இ□இ`。)°
            めちゃ悲しい😭無茶ですけど、生き返って欲しい!!笑

            やっぱしょうれんコンビは切ろうに切れない関係ですよね!わかります!

            やっぱり書いてる方も辛いんですね😲個人的にはれんれんに幸せになって欲しいけどちゃちゃさんの考えたストーリー楽しみにしてます!!!( *´꒳`* )

          • ちゃちゃ より:

            れんれんエンドのハッピーエンドを期待していた方には、本当につらい展開になってしまいましたよね…。だから書くの怖くて、なかなか進まなかったんですよねー…。
            もうちょっとだけ続きがありますので、最後まで読んでいただければと思います(^^)

  3. 匿名 より:

    続き楽しみですぅ…
    廉くんさいこ〜!

  4. R より:

    最新ありがとうございます!
    もう最終回なんて早いですねー(*´꒳`*)
    最後、廉くんがどんな行動をするのか気になる〜

  5. R より:

    最新ありがとうございます!
    もう最終回なんて早いですねー(*´꒳`*)
    最後、廉くんがどんな行動をするのか気になる〜

    • ちゃちゃ より:

      れんれんがどんな行動するのか楽しみにしていてくれたのに、こんな展開になっちゃってごめんなさい…!!

      • たくみ より:

        わたしはほんっっっっとに紫耀くん推しなので廉くんにはちょっと申し訳ないですが紫耀くんが幸せになれる結末を待っています!

        紫耀くんがキンプリじゃなくなったからと言って好きじゃなくなるわけじゃない。King&Princeの平野紫耀が好きなんじゃなくて、平野紫耀という1人の人間が好きなわけで、これからも永遠に推し続けることだけは決まってます💜

        なんか語っちゃってすみません💦
        更新楽しみにしてます!ちゃちゃさんのこともずーっと応援していますよ😊

  6. リノア(ちゃちゃすいっちさん大好き!) より:

    いえいえです!!
    更新ありがとうございますv(´∀`*v)ピース

    木曜日に、パソコンを学校に返却しなければならなくなってしまいました。
    中学校のパソコンでも、ちゃちゃさんのサイトを見れるかどうかはわかりませんが、、、
    見れたら来ます!
    スマホは、制限がありますが、絶対に来ます!
    なので忘れないでくださいね、、笑
    1年くらい?でしたがありがとうございました!!!!
    大好きです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。

    • リノア(ちゃちゃすいっちさん大好き!) より:

      木曜までは見ます!

      • ちゃちゃ より:

        ガーン…!
        ちょっと忙しくて放置している間に、リノアちゃんとお別れしていた…。
        いつの間にか10日間も放置しちゃってたんだろ…。そこまで間が空いてると思ってなかったよ、ほんとごめん…。
        また、中学のパソコン?お母さんのスマホからこっそり?
        どこかで会えることを願ってます…!!
        本当は卒業までに完結する約束だったのに、果たせなくて本当にごめんなさい…!!

  7. たく より:

    私は一生紫耀くん推しなので、個人的には紫耀くんが幸せでいられる結末を望んでいますが、どんな結末でも楽しみだし面白く読めると思います。
    ちゃちゃさんのことも応援しています📣

    • ちゃちゃ より:

      たくさんは紫耀くんファンなんですね♡
      けっこう、ここの小説を読みに来てくれる方のほとんどは紫耀くんファンだったりします。

      今回の更新で、花凛が最終的に選んでいたのは廉だった…!ということになってしまいました。
      ご期待にそえずごめんなさいです…(><)

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