ドラマ King & Prince SMAP キンプリ妄想歌詞小説「雨音」13話 MIXTURE〜1人悩んでいた日々も全てを越えて〜

キンプリ妄想歌詞小説「雨音」13話 MIXTURE〜1人悩んでいた日々も全てを越えて〜

第二章に突入!

第二章は主に「Seasons of Love」の歌詞を元にして、廉くん主演でストーリーを構成していくつもりです!

しかし、廉くんはちょっとお預け…。

紫耀に絶交されてしまったジンくんのお話です。

キンプリ歌詞小説「 MIXTURE」じぐひら

前のお話はこちら↓

宣戦布告

翌朝、私と紫耀くんが教室に入ると、クラスのみんなはすぐに異変を感じ取ったようだった。

いつもは私と紫耀くんとジンくんの3人で登校していたけど、ジンくんは一つ前の電車で行ったみたいで、もう教室の中にいた。

だけど、教室に入ってきた紫耀くんをチラリと見ただけで挨拶することもなく、視線を落とした。

いつもはものすごく仲がいい2人だから、言葉も挨拶も交わさないというだけですぐに教室が張り詰めたような空気になった。

「なになに、紫耀、もしかしてジンと喧嘩でもしたの?」

ギャルたちが紫耀くんを取り囲んだ。

「うっせえな、そんなんじゃねーよ」

「ちょっと岸さん!紫耀とジンが喧嘩してるのって、もしかしてあなたのせいじゃないよね⁉︎」

紫耀くんの態度がそっけなかった怒りの矛先が私に向いたようだ。

これはなんと説明したらいいのか…。

もともと、ジンくんと毎日一緒に帰っていながら、紫耀くんとも仲良くしている私のことを、クラスの女子たちはよく思っていない。

昨日のことが何もばれたらこのクラスで生きていけない…(>_<;)

「えーっとぉ…」

ここは何とか、オブラートに包んで…

「おい、お前ら、俺の花凛にいちゃもんつけてんじゃねーぞ⁉︎花凜!行くぞ!」

紫耀くんが、私の手を掴んで連れて行こうとする。

「え…今、“俺の花凛“って言った…?紫耀、もしかして…」

ギャルたちが青ざめる。

紫耀「そういうこと!俺たち、付き合うことになったから!」

ギャーーー((((;゚Д゚)))!!!

紫耀くん、何をみんなに宣言しちゃってんのーー⁉︎

私のことを守るって言ってくれたくせに、私の教室での身の安全、全然考えてくれてないじゃんーー‼︎

紫耀「ってことで、花凛は俺んだから、だ・れ・も手出すなよ!」

紫耀くんは、左手を腰に当てて、右手の人差し指をぐるっと教室中の男子に向け、最後にその指をジンくんに向けた。

そうか、みんなに言っているようで、多分ジンくんに言っているんだ…。

ジンくんは、一瞬体をピクリとこわばらせたように見えたけど、顔を上げなかった。

違和感

紫耀「おいジン!次の体育、勝負だ!」

休み時間に紫耀くんがジンくんの机の前にいって、バンッ!と両手をつく。

体育の時間はバスケで、男女で分かれて授業を行うが、女子も体育館なので、みんな紫耀くんとジンくんのバスケ対決に興味津々。

チームを2つに分けるのに、「俺とジンは別のチームだから!勝負だから!」と、紫耀くんが騒いでみんなを仕切ってている。

高校の体育の時間なんて、遊びのようなものだから、先生も好きなようにやらせている。

「なんか紫耀とジン、朝も雰囲気おかしかったし、急に勝負とか言い出すし、もしかして岸さんと紫耀が付き合い始めたのと何か関係あるわけ!?」

「てか、岸さん、いつもジンくんと一緒に帰ってたのに、なんで急に紫耀と付き合ってるの⁉︎」

「もしかして二股かけてたの!?ジンがかわいそう!」

朝の紫耀くんの“付き合うことになった“宣言からまだ立ち直れていない女子たちが、次々と質問攻めにしてくる。

もちろん、紫耀くんだけじゃなくてジンくんのファンもクラスにはいるので、かなりやばい状況だ…。

「うわー!負けたーー!…よーし!もう一戦!」

向こうで、紫耀くんが騒いでいる声がする。

紫耀くんもジンくんも運動神経抜群なので、点を取ったり取られたり。

チームメイトの関係もあって、今回は紫耀くんが負けてしまったようだ。

ジンくんが「もういいよ」と言うテンションなのに、紫耀くんが「もう一回!もう一回!」とまとわりついている。

「あれ…でも、なんかいつものように紫耀がジンになついてるだけじゃない、あれ?」

「うん、私もちょっと思った…」

クラスメートたちが思ったのと同じことを、今、私も思っていた…。


昼休み。

4時間目の授業が終わる鐘を聞いた途端に、紫耀くんは一目散に教室を飛び出して行き、そして数分後にすぐに帰ってきて、またジンくんの机にドンッ!と両手をつく。

紫耀「ジン!お前の好きな売店のパン、俺が全部買い占めてやったぞ!どうだ!?悔しいだろ〜!?欲しいだろ〜!?いっこだけなら、分けてやってもいいんだぞ〜?」

ジン「いいよ、全部紫耀が食べていいよ」

ジンくんはにこりと優しく微笑んで、カタンと静かに席を立って教室から出て行ってしまった。

「やっぱり2人が喧嘩してるって、勘違いなんじゃない?」

「紫耀、朝からジンに絡みまくってるもんね」

「でも、ジンの方が避けてない?」

「それは紫耀の愛が重すぎるからじゃない?いつものことじゃん(笑)」

朝から、何かと紫耀くんがジンくんに絡むので、クラスメートたちの「2人が喧嘩をしているのでは?」と言う心配はおさまったようだった。

紫耀「花凛、お前、このパン食べるか?こんなに余っちゃった…」

紫耀くんがくるりと椅子を後ろに向けて、私の机で一緒にご飯を食べる。

紫耀くん、なんだかしょんぼりしてる。

「紫耀くん…ジンくんと喋りたくて仕方がないんだね」

「そ、そんなんじゃねーよ…!」

昨日は「お前とは絶交だ!」と言っていたのに、全く我慢できてない。

朝から、隙あらばジンくんに話しかけている。

「紫耀くん、ジンくんのこと大好きだもんね」

紫耀「いや!俺はあいつに怒ってるんだぞ!?でも、花凛を傷つけたことに対しては怒ってるけど、花凛に手を出したことに対して怒るのは筋違いかなって思い直した…。

好きな女にアプローチする権利は誰にだってあるわけだし。友達だからって、俺に遠慮する必要はないもんな。」

「うーん…」

なんっかそこに違和感があるんだよなぁ…?

今まで一緒にいて、ジン君が私のことを好きって言うふうに感じたことがないんだよなぁ。

むしろ…

「私、ちょっとトイレ行ってくるね」

ご飯を食べ終わって、席を立った。

本当に好きな人

ジンくんを探したら、1人で屋上でご飯を食べていた。

私の気配に気づき、はたと顔を上げ、その後、にこりといつもの穏やかな表情で微笑んだ。

ジン「やっぱりあの後、うまくいっちゃったんだね?紫耀と付き合い始めたんでしょ?」

「うん…」

ジン「はぁ〜ちょっと強引に行きすぎちゃったかなぁ。まさか、あそこで紫耀が現れるなんて思わなかったしなぁ。完全に後押ししちゃったよね。失恋かぁ」

ジンくんは、わざとらしく大げさにため息をついてみせる。

「ジンくんの好きな人って、私じゃないよね?」

神「え…何、急に?昨日、好きだって言ったでしょ?玉砕しちゃったけどね」

「昨日から、何か違和感があったの。ジンくん、紫耀くんに殴られた時、全然やり返さなかったよね。そりゃ、廉くんよりは紫耀くんの方がすごーく強そうだけど、(←廉:おいっ…)それでもジンくん、空手黒帯なのに、紫耀くんにあんなに一方的にやられちゃうなんておかしいよね?

紫耀くんには、やり返せなかったんじゃない?

…好きだから」

神「えっ…」

ジンくんが絶句する。

「ジンくんの本当に好きな人って、紫耀くんなんじゃないの?」

MIXTURE(ジンサイド)

物心ついた頃から、自分は人とは違うと言うことになんとなく気づいていた。

思春期になり、周りが「あの子がかわいい」とか「好きだ」とか、恋だなんだと騒ぎ始めて、はっきりと気づいた。

俺は女の子に対して、周りのヤツらと同じような感情を抱くことができなかった。

だけど、それは周りにはバレてはいけないのだと本能的に思った。

中学生くらいって、“人と違うことが1番悪“ みたいな風潮がある。

だから、女の子に興味がないこと、バレないように、逆にすごく女心を勉強して、女の子に優しくして。

そしたらいつの間にか“国民的彼氏“なんてあだ名をつけられて、すっかり定着してしまって、そのキャラから逃れられなくなった。

俺は男女ともに人気で、「国民的彼氏に恋愛相談をすれば間違いない!」と男友達からもよく頼られ相談なんかされていた。

でも俺は、男友達に意識して距離を置いていた。

近づきすぎたら、友達に対して変な感情が芽生えそうで怖かった。

もしそんな感情を抱いていることに感づかれたら、「気持ち悪い」ときっとみんな俺から離れていくだろう。

だったらどこまでも演じきってやろう。

みんなが大好きな“国民的彼氏“を。

真面目で誠実で誰からも好かれる、だけど決して誰か1人のものにはなれない国民的彼氏。

周りにいつも人がいて、一見華やかに見えるけど、俺の人生は先の先の未来まで、ずっと孤独であることが決まっている。

だけどそれでいい。

こうして取り繕って、ずっと1人で生きていけば。

そう思っていたのに…

俺は1人でも 生きていけるなんて

強がりばかり 並べていたけれど

King & Prince「MIXTURE」作詞:Komei Kobayashi、作曲:Powerless

高校に入学して、同じクラスにいたその男は、すぐに俺に懐いて「ジン!ジン!」とまとわりついてきた。

屈託ない笑顔で、その小顔に似合わないたくましい体で体当たりしてくるかなり重めの愛情表現は、まるでゴールデンレトリバーみたいで。

俺といるのが楽しいって、俺のことが好きだって、全身で表現してくれた。

もちろんその「好き」が、俺の求めている「好き」じゃないことはわかってる。

でも、王子様のフィルターを通してしか俺を見てくれない周りの女の子の「好き」より、よっぽど嬉しかった。

紫耀とは趣味も似ていて、話が合うし、お互いに馬鹿を言い合って爆笑している時間は、どこにも“王子様“や“国民的彼氏“の影はなくて、肩の荷がおりたような感覚だった。

紫耀といると、ありのままの自分でいられるような気がしたんだ。

君がくれる笑顔や

優しさに救われていた

俺のそばにいてくれてることで

強くなれるよ

King & Prince「MIXTURE」作詞:Komei Kobayashi、作曲:Powerless

神「2人の仲を邪魔してやろうと思ってたのに、逆に俺の行動が原因で、2人が付き合うことになっちゃうなんて、計算外だったよね。あぁ、今まではうまくいってたのになぁ…」

今まで、紫耀に近づいてきた女の子たちを、片っ端から落としてきた。

やり方は簡単。

紫耀はいつもバイトで忙しいから、その間に恋愛相談に乗ってあげて女の子と仲良くなる。

キャラ的に俺はもともと頼られて相談をされる方だし、心を許してもらえるのはたやすいことだった。

そして頃合いを見計らって、グッと攻める。

これで落ちない女はいない。

紫耀は「俺なんかよりジンの方がよっぽどモテるよなぁ」なんて言うけど、紫耀の周りにいた女の子がどんどん俺のことを好きになっていくのは、そういう原理。

「でも、花凛ちゃんは他の女の子とは全然違ったよ。紫耀の執着が、全然違ったから。

間近で見てて、紫耀がどれだけ本気かちゃんとわかったし、もう気持ちの整理がついたから。昨日のは、ほぼもう悪あがき。こんな俺の一方的な思いのせいで、関係ない花凛ちゃんを巻き込んじゃって、ほんと、ごめんね」

顔を上げたら、花凛ちゃんがブンブンと顔を横に振って、すごく困ったような顔をしてうつむいていた。

神「ん…どうしたの?」

「わかんない…わかんないけど、なんて言ったらいいかわかんなくて…でも、ジンくんごめん。私、ジンくんが恋のライバルでも、紫耀くんのこと譲れないから!」

思わずふっとため息が出る。こういうところなんだろう、紫耀が好きになったのは。

男が好きだという爆弾発言をしているのに、この子が困っているのはそこじゃない。

ただ、近しい友人が”恋のライバル”になってしまった、ということ。

偏見も嫌悪感も好奇な目もなく、すんなりと”俺”という人間を受け入れ、”対等”なライバルとして扱ってくれた。

もし”女”というだけで上から目線で「ちゃんと気持ちを伝えたほうがいいよ!」なんて無神経に情けをかけてくるような子だったら、きっと紫耀を取られたこと、すげえ腹が立ったと思う。

最初はただ、紫耀とひき離すための作戦として、この子に近づいた。

でも毎日一緒に帰っているうちに、優しくて気遣いのできるいい子なんだと、変に納得してしまっている自分がいた。

だから、2人の事は本当に応援できる…と思う。

「わー!わーわーわーわーー‼︎お前らー!何やってるーー!!なかなかトイレから帰ってこないと思ったら、こんなところで密会してるーーー!!!」

突然叫び声が聞こえて振り向くと、屋上の入り口の前で紫耀が絶叫している。

「あ、紫耀くん」

紫耀のほうに駆け出そうとする花凛ちゃんを引き止めて言う。

神「花凛ちゃん、今の話は、紫耀には言わないで」

花凛ちゃんはしばらく沈黙した後、コクリとうなずいた。

紫「ジン!お前、また花凛に何かしたんじゃねーだろうな!?」

神「心配すんなよ。もう花凛ちゃんとは話がついたから。」

紫「話?話ってなんだよ?」

神「とにかく、もうお前が心配する様な事は今後一切ないってこと。」

紫「お前はそれでいいのかよ?」

紫耀が花凛ちゃんを振り返る。

「うんうん!私はもう全然!ジンくん、謝ってくれたし」

紫「まぁ、花凛が許すって言うなら、俺がどうこう言うことじゃないけど」

神「あ、でも昨日の事、俺、紫耀には謝らないから」

俺なりに必死だった。

本気の思いを突き通そうとしてしたことだ。

謝ったら、この思いが間違いだったと認めるみたいで。

神「本気で好きだったから」

紫耀「ジン…」

愛だ恋だと騒いでいる奴らを、傍観者的な立場から見て大人なふりしてた。

みんな、恋愛を実らせることが人生の最上級の幸せみたいに言う。

ハッ。そんなもの、必死で追いかけて手に入れたって、どうせ一生続くわけでもないくせに。

そうやって本当は、恋愛に夢中になる奴らを馬鹿にすることで、心を保っていた。

必死で追いかけたって、自分には絶対に手に入れることのできないものだって思ってたから。

でも本当は、俺だって、幸せになりたいってずっと思ってた…。

何か間違って、奇跡が起こってくれないかと…。

紫耀「よーし!じゃぁ、明日の体育で、また勝負すっか!」

神「は?なんで?」

紫耀「なんでも!」

神「全然話つながってないんだけど」

紫耀「いいんだよ!俺がしたいから!ジンと‼︎」

神「絶交中じゃなかったっけ?」

紫耀が、バツが悪そうに頭をポリポリと書く。

紫耀「あれはー…ナシ!やっぱ俺、無理だわ!ジンと1日しゃべらないでいたら、多分俺、死んじゃうと思う!

俺ら、親友だしな?」

今回もまた、奇跡は起こりそうにない。

でも俺がそんなものを求めなければ、お前は一生“親友“として、俺のそばにいてくれるんだろう?

だったら、奇跡なんていらない…。

夢見がちなモノ 否定するくせに

いつも奇跡を待ってた

だけど今言える 奇跡なんてモノ

起こらなくても 君がここにいれば

King & Prince「MIXTURE」作詞:Komei Kobayashi、作曲:Powerless

もう愛とか恋とか全てを超越して、どんな形でもいいから、隣にいて欲しい。

ずっと孤独で生きていかなければいけないのかと絶望したあの日々から、救い出してくれた。

その屈託ない笑顔で、俺の世界を照らしてくれた。

いつも毎日、体全部で「大好き」を表現してくれた。

男にも女にもなりきれない、

こんな混合物みたいな俺を…。

Red &Blue 交わりのカラー

1人悩んでいた日々も

全てを越えて

あの日止まってた時から

俺らの MIXTURE

King & Prince「MIXTURE」作詞:Komei Kobayashi、作曲:Powerless

続きはこちら。


※平野くんの名言「お前はそれでいいのかよ」をセリフとして採用してみました! (「花のち晴れ」でのセリフ)

いつもさんまさんが平野くんのものまねする時に言うセリフだから、自分で書いていて、ちょっと面白くなってしまった…。

コアなファンは気づいてくれたはず…!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. みつき より:

    学校が始まってしまったため読むのが遅くなってしまいますが楽しみに待っています!
    若干BとLの匂いがするのですが気のせいでしょうか?w

    • ちゃちゃ より:

      はい、完全にBのLでしたね…(^_^;
      なぜだか、前の作品「koi-wazurai」でも、ジンくんは岩橋くんが好きな設定でBL要因でした(笑)
      でも、私の作品ではあまりBL展開は掘り下げないので、ちらっと出てくるだけです!

      宣言中で学校生活もあまりは楽しめないと思いますが、行き帰りのお楽しみのお役に立てるように、頑張って執筆しますね!