キンプリ妄想歌詞小説「雨音」4話

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King & Prince「MAGIC TOUCH/Beating Hearts」のカップリング曲「雨音」と「Seasons of Love」の歌詞をもとに、小説を書きました!

私は曲の歌詞からストーリーを構成する“歌詞小説“と言うものを描いています。

 

しょうれんの間で揺れるお話だったはずなのに、さらにジンくんまで参戦して…⁉︎

前のお話はこちら。↓

 

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ボディーガード

 

新たなボディーガード

「ち、痴漢ーーーっ!?」

 

 

朝イチ、紫耀くんが「あの後、無事帰れた?」と聞いてきたので、「痴漢に遭った」と言ったら、瞬く間に血相変えて「大丈夫か!?どこ触られた!?どこのどいつだ!?ぶっ殺す!!」と大騒ぎするので、「間違って全然関係ない人に濡れ衣着せそうになった」というところはすっ飛ばして、とりあえず「駅員さんが犯人を捕まえてくれたから大丈夫」とだけ伝えておいた。

 

 

「落ち着け、落ち着けって、紫耀」
紫耀くんの親友らしきジンくんとやらがなだめる。
さすが紫耀くんの親友、ジンくんもかなりのイケメン。

 

 

「だから俺は1人で帰すの嫌だったんだよ。急にバイトが入らなければ…。あぁ~っ、でも今日も実は花凛…ごめん!実は…俺、今日もバイト入っちゃって…。一緒に帰ろうって指切りしたのに、本当にごめん!」

 

そう…なんだ…。

残念だけど、しょうがないよね。

 

「うん、いいよいいよ、全然!」

 

「でも、そんな危ない電車に、花凛を1人で載せるわけにはいかねぇっ!うぅ~っどうしよう!!」
紫耀くんは頭を抱えて、1人でパニくっている。

 

 

「全然大丈夫だよ、もう犯人捕まったし」
「いや!痴漢なんていくらでも湧いて出るからな。俺だって毎日のように背中に胸押し付けられたり、いろいろされてるからな!
だから電車に1人で乗せるのは嫌だったんだよ、電車って危険だよなぁ。」

 

 

紫耀くん…毎日そんなに女子から痴漢にあってるんだ(゚ー゚)
これだけのイケメンともなると、大変だなぁ…。

 

 

「あぁ~っ、どうしよう…!そうだ!ジン!花凛のこと、送ってってやってくんね!?オレの代わりにボディーガード頼む!」

 

 

紫耀くんが勢いよく振り返った先には、優しい微笑みを浮かべた落ち着いた雰囲気のジンくん。

「うん?いいよ?じゃぁ花凛ちゃん、俺がボディーガード承ります」

ジンくんがまぶしい位の爽やかな笑顔をこちらに向けた。

 


 

帰り道。

 

「花凛ちゃんは、紫耀と小学校の時の幼なじみなんだよね?」

ジンくんも駅は違うけど、同じ方向だと聞いて、特に遠慮する理由もなく、結局一緒に帰ることになった。

 

 

「あいつ、小学生の頃からモテたでしょ?」
「モテた、モテた」
「花凛ちゃんも好きだったんだ?」
「うん…えっ…!?」

流れるようなジンくんのトークのリズムにのまれて、ついつい素直に頷いてしまった…。

 

「もしかして、今も好きだったりする?」
「えっ!?い、いやっ…あの、それは…っ」
「ぷはっ!わっかりやすいな~」

 

完全にお見通しだ…。

 

「でも、なかなか難しいかもよ?」
「え、もしかして、彼女とかいる?」
「それはいないと思うけど、ほら、あいつバイトとかすごい忙しいし」

「あぁ~、確かに。昨日も突然バイト入ったって」
「紫耀の家、シングルマザーなのは、知ってる?」
「あ、うんそれは。小学校の時からそうだったから」
「そうなんだ。それで、昔はお母さん、昼も夜も働いてたんだけど、ちょっと体壊しちゃったみたいで、今は仕事昼だけにセーブしてるらしいんだ。その分、紫耀がバイトして、家計を支えてるらしいんだよね」

 

 

そうだったんだ…。紫耀くん、昔から、お母さん想いだったもんな。

 

 

「なんのバイトしてるの?」
「ん?えーっと…肉体労働、的な?」
「あー、そっち系ね。お給料良さそうだもんね」
「だね。あいついい体してるから、結構稼げるみたいで」
「そうなんだぁ」

 

 

きっと工事現場とか、荷物の積み下ろしとか、そういった仕事をしているんだろう。

 


 

結局、いいと言うのに、ジンくんは私と同じ駅で降りて、家まで送ってくれることになった。

「ちゃんと無事に家まで送り届けないと、紫耀にブチ切れられそうだからね」
やれやれという感じで、ジンくんが笑う。

 

 

学校では紫耀くんはだいたいジンくんと2人で行動していて、主導権は紫耀くんにあるように見えて、実はジンくんが「なんでも紫耀の好きなようにしたらいいよ」って大人の対応で合わせてくれている感じ。

紫耀くんも何かと「ジン!ジン!」とジンくんに懐いていて、お兄ちゃん大好きな弟にも見えるし、彼氏(ジンくん)ラブ!な彼女(紫耀くん)にも見えなくもない(笑)

 

 

「えっ何?1人でニヤけて」

しまった、ついニヤニヤしていたらしい。

 

 

「何でもない、紫耀くんってジンくんのこと大好きだよなーって思ったら、なんか面白くなっちゃって」
「そうかな。まあ信頼はしてくれてると思うよね。じゃなきゃ花凛ちゃんのこと送っていってなんて、他の男には絶対頼まないでしょ」
「え?」

 

 

そんなことを話しているうちに、家に着いた。

「じゃあ、また。紫耀のことなら何でも知ってる自信あるから、いつでも相談に乗るよ」
ジンくんはキランとウインクをして帰っていった。

 

 

紫耀くんのこと好きなのがさっそくバレたのは恥ずかしいけど、なんかめちゃくちゃ頼れる人が味方になってくれた感じ~~!
これはこれでよかったかも!
またニヤニヤしながら、ジンくんの後ろ姿を見送っていた。

 

 

 

 

「ふ~ん、おとなしそうな顔して、意外とビッチなんやなぁ…!」

 

 

 

背中に、昨日聞いたばかりの透き通った高い声が響いた。
それに似合わない関西弁…。

 

 

この声は……

 

 

 

おそるおそる振り返ると、昨日のイケメンくんが、うちの前で腕組みして立っていた。

 

 

イケメン君の逆襲?

「なっ、なんでここにいるの!?」

確かに昨日、彼の家まで荷物を運んで、家が近所だった事は分かっていたけど、それにしたって「偶然通りかかりました」と言う事はないだろう。

 

 

「駅で見かけたら、また違う男連れとるから、邪魔したら悪いかと気使って、バレへんようについてきてやったんやぞ」
「駅からつけてきたの!?ストーカーじゃん!?」
「はぁ~っ!?だから、俺ほどのイケメンが、なんでアンタごときの地味女に痴漢だのストーカーだの疑いかけられなアカンねん!日替わりでいい男連れて歩いてるからって、調子にのんなや!
ほんと、顔に似合わず、ビッチなんやな。女って怖~!
で?今の爽やかイケメンは?本命彼氏?」

 

「彼氏じゃないない…!ボディーガードしてくれるって、家まで送ってくれただけ」

「ボディーガードォ~!?自分、どんだけいい女や思っとんねん!?」
「べ、別にそんなこと思ってないけど…。でも、こうして実際ストーカーされたわけだし…」
「ストーカーやない言うとるやろ!昨日、あんたが俺の家知って、弱み握ったみたいな不吉なこと言うから、対等な関係にならなあかんと思って、家調べただけやん。」
「だからそれがストーカーって言うんじゃん!」

 

 

彼は、チラリと家の表札を見て、
「自宅とフルネーム知ってるから、対等やなくて、俺の方がちょい上か。」
とニヤリとして、「じゃ、また。“岸花凛“さん。」と手を挙げて、去って行った。

 

 

くっそ~。昨日、家まで行ったんだから、表札で苗字くらい調べてくればよかった…!
完全に上に立たれた…!

 

 

さっきジンくんの背中を見送ったのと構図は全く同じなのに、さっきまで広がっていた穏やかで爽やかな気分はどこかに吹っ飛び、不安、恐怖、苛立ち?いろいろなマイナスな感情が胸の中に広がっていった。

 

コメント

  1. みつき より:

    続き待ってます!

    • ちゃちゃ より:

      みつきさん!前にもコメントくださいましたよね!また読んでくださり、ありがとうございます!
      はい!頑張って書いていきます!応援コメント、励みになります!ありがとうございます!(╹◡╹)

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