キンプリ妄想歌詞小説「雨音」10話

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無意識のうちに廉と仲良くしてしまう花凛。

そんな2人に心穏やかではない紫耀だけど、今度は紫耀と花凛が急接近

…⁉︎

 

キンプリ歌詞小説「雨音」平野紫耀俺が守るよ

これは、キンプリの曲「雨音」「Seasons of Love」の歌詞からイメージしたストーリーの歌詞小説です。

 

前のお話はこちら

 

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恋愛経験ゼロ

隣には紫耀くん。

向かいには、廉くんを挟むようにして、お兄ちゃんと海人が座っている。

 

 

優太「海人、しっかり挟んどけよ!廉は、さっきから花凜とやけに距離が近いからな!」

廉「あの~、言うときますけどね、さっきから、ずーっと絡んできてんの、コイツの方やねんけど。抱きついてきたり、人の上に乗っかって、顔面に胸ぎゅうぎゅう押し付けてきたり…」

 

「ちょっと…!んな、やらしい言い方しないでよ…!!Σ(///□///)

だいたいねー、廉くんが素直に携帯見せないのが悪いんでしょー!?」

廉「はっ(・д・*)なんで俺のせいやねん!そもそもまだ俺のこと疑ってたんか!?」

「だって素直に見せないから、余計怪しいじゃんっ」

廉「俺にだってプライバシーがあんねんぞ!?」

 

 

私と廉くんがギャーギャー言い合っていると、紫耀くんがぽつりと素朴な疑問を投下した。

 

 

紫耀「なんで花凜は廉の携帯見たかったの?」

廉「それは、コイツがストー…」

 

ガシッ!

 

廉「いぃっ…!!」

 

テーブルの下で思いっきり廉くんの足を踏んで、言葉を遮り、「言・わ・な・い・で!」と、眼力で訴える。

 

 

だって私にストーカーがいるなんてお兄ちゃんに知られたら、過保護なお兄ちゃんのことだから、「こんな危険なところに置いておけない!」なんて大騒ぎして、両親の元へ強制送還されてしまうかもしれない。

そうしたら、紫耀くんとまた離れ離れになっちゃう。

それだけは絶対に嫌!

 

 

(紫耀サイド)

マジで廉のやつ、花凜と仲良すぎじゃないか?

さっきから、確かに花凜の方から廉にやたら絡んでるし、なんか2人で秘密を共有している雰囲気だ。

今も廉が何かを言おうとしたのを花凜がアイコンタクトで止めたみたいだったし(←思いっきり足を踏んでいたことには気づいていない)、さっきのG騒ぎの時も、花凜が廉に飛びついて(つーか、抱きついてたよな…)、何かコソコソしてたし。

 

 

も、もしかして、2人はもう付き合ってるとか…!?

待てよ、携帯を無理やり見ようとしたのとか、「まだ俺のこと疑ってるのか?」「携帯見せないのは余計怪しい!」のやり取りとか、完全に花凜が廉の浮気疑ってんじゃーーーん!!(* ̄□ ̄*;

 

 

や、やっぱり2人はもう付き合ってんのか…!?

 

 

優太「花凜に近づく男は俺がしっかり警戒すっから!俺の厳しい監視のかいあって、花凜は未だに恋愛経験ゼロ!純潔守ってんだからなー!カッカッカ!」

 

俺の疑問に答えるように、優太が自慢げにでかい声で言った。

 

紫耀「え、そうなの?」

優太「そうだぞ?だからまだキスもしたことないんだからな!かわいいだろ?」

「お兄ちゃんッ!!ちょっと変なこと言わないでよッ!!Σ(|||▽||| )」

優太「え?まさか花凜、お前…お兄ちゃんの知らないところで…」

 

みんなの視線がじーーーっと花凜に集中する。

 

 

「な、ないけど、そりゃ…」

 

 

優太「なぁ~んだよ!びっくりさせんなよ~!」

 

ほっと胸を撫で下ろしたのは、優太だけではなかった。

 

優太、マジでナーイス!

俺の知りたいこと、全部聞き出してくれたじゃん!

 

 

(花凜サイド)

お兄ちゃんめぇ、許さん…!

何をみんなの前で発表させられてんのよ、私は…。

 

紫耀くんがいるのにぃ~!

恋愛経験ゼロとか、キスも未経験とか、なんか全くモテないやつみたいでめっちゃ恥ずかしいじゃん~ッ!

 

 

でも、とりあえずお兄ちゃんには内緒だけど、紫耀くんにはストーカーのこと相談したい。

学校じゃゆっくり話せないし、今日がチャンスだよね。

 

 

お兄ちゃんに話を聞かれないように…

ツンツンと、テーブルの下で紫耀くんの脇腹あたりのワイシャツを引っ張り、小声で告げる。

 

「紫耀くん、ちょっと相談したいことがあるんだけど、後で部屋に来てくれる?」

 

部屋で2人きり(紫耀サイド)

ドッドッドッドッ…!

やべぇ!心臓の音、鳴り止めぇ〜っ!

 

 

いやいやいや‼︎

 

「紫耀くん♡2人っきりになりたいから、後で私の部屋に来て?♡♡」

 

って、完全に誘ってんだろ!?

(↑やっぱりちょっとニュアンスが間違っている)

 

 

でも、恋愛経験ゼロの女の子にいきなりガッついたら引かれそうだし、第一俺は花凛をちゃんと大切にしたいんだ…。

 

でも、女の子の方から「部屋で二人っきりになりたい」って勇気出して誘ってきてんだぞ⁉︎

何もしないのも…

 

 

うぁ〜〜っ‼︎

どーする、俺…っ!⁉︎

 

 

 

 

「あ、紫耀くんそこ座って?」

 

花凛がベッドを示す。

 

 

紫耀「お、おう…」

 

“ベッド“というところに緊張しながらも、いたって冷静なふりをして遠慮がちにベッドの端にちょこんと座る。

 

 

「あのね、ちょっと話があるの」

花凛が、俺の隣に座る。

 

 

「あのね…」

紫耀「お、おぅ?どーした?」

「実は私ね…」

 

 

 

か、完っ全に、告白されるぅーーっ⁉︎

 

 

 

 

ピロローン!

 

「キャァッ!」

携帯の着信音に、突然花凛が持っていた携帯を投げ飛ばすように落とした。

 

 

 

紫耀「ど、どーした⁉︎そんなにびっくりして…」

 

携帯を拾ってやると、画面に「ジンくん」と言う文字が見えた。

 

紫耀「え?ジン?」

 

 

 

(花凛サイド)

 

「え?ジンくん?」

 

なんだ、びっくりした…。またストーカーからのメールかと思った。

 

 

 

紫耀「ジンとメールしてんだ?」

「あ、うん、色々と相談に乗ってもらっちゃって」

紫耀「相談?何かあったの?」

 

 

そう言いながら、紫耀くんがメールを確認しようとしている私の手元を覗き込んだ。

 

「わっ!ダメっ…!」

 

とっさに携帯の画面を隠してしまった。

 

 

紫耀「え?なんで?見られたらなんか困るの?」

 

紫耀くんが眉をひそめて怪訝な顔をした。

 

 

やば…今の感じ悪かったよね。

でも、そうじゃなくて、ジンくんには紫耀くんのこととかでけっこう恋愛相談してて、もしかしたらこのメールもそれ系の話だったら困るから隠しちゃっただけなんだけど…。

 

 

(紫耀サイド)

え?今のリアクションなに?

 

ジンとメール交換してたのも初耳だった。

そういや、俺はまだメール交換してなかった。学校で毎日会えるし、必要性を感じていなかった。

 

だけど、ジンと花凜は学校でも会って、一緒に帰って、それで家に帰ってからもメールしてたってことか!?

一体何をそんなに話すことがあるんだ!?

 

 

まさかジン、花凜のことを…いや、まさかな。ジンに限って。

ジンは、俺が花凜を好きだって知ってるんだ。

それを知ってて手を出すようなやつじゃない。

 

俺はジンのことだけは本当に信じてるんだ。

 

 

(花凜サイド)

メールを確認すると、

 

「今日は、あれから変なメールは来てない?」

「何かあったら、いつでも言ってね」

 

という2通のメッセージが入っていた。

 

 

紫耀くんの話じゃなかった。だったらあんな不自然な反応しなきゃよかったな。

紫耀くん、気分悪くしちゃったかな?

 

 

ここは誤解を解くためにも、早く相談しちゃおう!

 

 

 

「あのね、紫耀くん、私、今、ストーカーみたいな人に嫌がらせされてるの」

紫耀「へっ!?ストーカー!?」

「これなんだけど…」

 

前に入った「君のことをいつも見てるよ」のメールと、さっき入った外から撮ったうちの写真のメールを見せる。

 

 

紫耀「な、なんだよ、これ…」

 

紫耀くんが神妙な顔になる。

 

 

「ジンくんには、主にこのことを相談しててね、今もそれを心配してメッセージくれたの」

 

続けて、ジンくんからのメッセージの画面も見せる。

 

 

 

 

紫耀「そうだったのか…」

 

 

ポツリとそう言って、紫耀くんは黙り込む。

なんか、純粋にストーカーの相談をしたかっただけなのに、ジンくんからのメールで変に言い訳っぽくなってるかな?

先にジンくんに相談していたことを紫耀くんにも、っていうのも、なんとなくどっちに対しても失礼な感じもするし…。

大丈夫かな…?

 

 

すると突然紫耀くんは、不安げに紫耀くんを見上げる私の両肩を掴んだ。

 

 

紫耀「ごめんっ!花凜が不安な時にそばにいてあげられなくて!バイトバイトって、花凜のことジンに任せきりで。俺に相談したくてもそんなタイミングもなかったんだろ?」

「う、うん…でも、バイト忙しいのはしょうがないもんね。紫耀くんのせいじゃないよ。ジンくんが家まで送ってくれてるし、危険なことはないから」

 

 

それでも紫耀くんに話したのはね、やっぱり私は、ジンくんじゃなくて、紫耀くんに守ってもらいたかったの。

 

 

 

紫耀くんが掴んでいた両肩からスルスルと手を滑らせ、私の手を握る。

 

 

 

紫耀「怖かったな?大丈夫。これからは、俺が花凜を守るよ」

 

 

 

 

 

(紫耀サイド)

バーーーン!

 

 

優太「花凜―?どこ行ったかと思ったら部屋で何して……」

 

 

突然ノックもなしにドアが開け放たれ、のんきな顔で入ってきた優太が、ベッドの上で両手を握りあって至近距離で見つめ合う俺たちの姿を捉え、絶句する。

 

 

 

優太「あっあぁ~~~っ!?紫耀!お前、何してんだぁ~~!?」

紫耀「わっわわわ!優太!違うんだよ、これは…!別にやましいことは何もしてないっ!」

優太「離せ!今すぐその手を離せ!そしてこの部屋から出ろ!シッシッ!」

 

 

花凜を厳戒態勢で守る優太は、時に俺の救世主ともなり、時に一番の天敵にもなるのだと、この時俺は思い知ったのだった。

続きはこちら

 

 

コメント

  1. みつき より:

    続きが楽しみでやんすw

  2. みつき より:

    24時間テレビ見ながらだったんですねw
    ちゃちゃさんの小説大好きなのでこれからも続けてくださいね!

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