「リカ」の原作の小説読みました!
ドラマの7話が終わってから気になりすぎて急いで読み始めて、最終回の放送の直前に読み終わりました!
原作とのドラマの結末の違いなどについて書いていきたいと思います。
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「リカ」最終回の結末ネタバレ
まずは最終回のネタバレをとっても簡潔に!
- リカ(高岡早紀)が亜矢(稲垣来泉)を誘拐。
- 本間(大谷亮平)は亜矢の居場所を聞き出すため、リカに「直接会って話をしよう」と言って呼び出す。
- 本物の家の前で見張りをしていた刑事の菅原(藤岡正明)が、リカに刺される。
- 本間がリカをゴルフクラブで殴る。
- リカが本間に注射器を刺し反撃。
- 本間、ぐるぐる巻きにされ囚えられる。
- リカは本間の目に麻酔の注射をしようとする。
- その時菅原が部屋に飛び込んでくる。(実は防弾チョッキを着ていて無事だった)
- リカは銃で打たれ、逮捕される。
- 亜矢は学校でいじめられていて、リカが亜矢を助けていた。誘拐中も本当に優しく接しており、リカは本当に亜矢も本間も殺すつもりはなかった。
- リカの事件のおかげで、本間が妻(妻が不倫して別居中だった)と復縁。
- 妻と亜矢がマンションに帰ってくる日。インターホンが鳴る。ドアを開けると、リカが立っていた。
- 菅原刑事から本間の携帯に着信。テレビの速報では「雨宮リカ容疑者、看護師を殺害し警察病院から逃走」の文字。
原作小説とドラマの違い:結末
結論から言うと、結末はほぼ小説と同じです。
【原作の結末】
- リカは菅原刑事によって銃弾を受け、救急車で病院に搬送される。
- かなりの出血量だったので、助からない事は必至。本間はホッとする。
- 本間も病院に運ばれ、検査を受けた後、家まで送ってもらう。
- 菅原刑事から電話。「リカを搬送中の救急車が発見された。救急隊員2名と運転手の死体とともに。救急車にリカの姿が消えていた」
- その時インターホンが鳴り、鍵が回る音がした…。
と言う終わり方なのです。
結末としてはほぼ同じなんだけど、怖さが全然違う…!
なぜなら、原作ではがっつりリカは本間を殺そうとしていたからだ!!
ドラマでは、ささいなことでジャンジャン邪魔者を消していったリカだけど、それでも大矢の時もリカは愛する大矢を殺すつもりはありませんでしたよね?
今回も「本間や亜矢に危害を加えるつもりはなかった」と言う事だけは一貫して言っています。
原作の小説では、実はリカはドラマほど人を殺していません。邪魔者として殺したのは最後の救急車の乗組員の他には探偵の原田くらいかな?
しかし、リカは大矢を殺しています。
愛する人が自分のものにならないと、小説のリカは殺してしまうんですね。
だから本間のことも本気で殺そうとしていました。(そこを間一髪、菅原が救うのはドラマと同じ)
菅原との対決シーンも、ドラマではかなりあっさりだったけど、小説の方ではリカの化け物具合が本当によく描かれていて、これぞ“ホラー“って感じ。
どんなに痛め付けられても、何度でも起き上がってくる感じ。
女とは思えない力があるし、ゴルフクラブで思いっきり殴られて顔は陥没して歯も抜けたりしているのに、それでも復活してきたりと、まさにそれは化け物です。
7話で走ってるのにタクシーにどんどん近づいてきているシーンが「コントかよ!」と笑っちゃったんだけど、小説でもそのシーンはちゃんとあって、小説ではコントじゃなくてほんとに得体の知れない恐ろしさと言う感じのシーンになっています。
タクシーの窓に「バンッ!」も原作にあるシーンですよ。
リカは人間ではないような能力を持っています。途中でリカは本当は死んでいて化け物なの?とよくわからなくなりました。
そんなリカの恐ろしさが描かれての、本間を追いかけてくるラストシーンだったので、小説は本当に本当に怖かった!
ドラマの方では高岡早紀さん演じるリカは普通の女性の力で、本間に殴られたら普通に倒れちゃうし、泣いてすがるしかないような”か弱い女性”でしたね。
だからまた現れても、小説ほどの恐怖を感じませんでした。すぐさま本間が殺されるっていう危機感はないのかなと。
「リカ」ドラマと小説の違い:リカのキャラクター
小説のあとがきに、「リカ」が大賞を受賞した「ホラーサスペンス大賞」の選考委員による批評が書かれていたのを読みました。
この小説は、出会い系サイトの実情について色々と知識が散りばめられていると言う面白さがありどんどん読み進められるものの、1番大切な所が抜けていた。
それはリカと言う主人公の恐怖。
その得体の知れない人物が、どういった形でそんな化け物になってしまったのか?
どんな過去を背負っているのか?
その人物像をもっと掘り下げたほうがよかった。
と言った内容の批評でした。
ドラマの演出家は、この批評読んだのかな?と思いましたね~。
ドラマのリカの方が、「母親に虐待されていて、その傷を負っている」と言う1本スジの通ったキャラクターでした。
だから愛に飢えていて、純愛を夢見てしまって、幸せな家庭生活に憧れる。
母親に恐怖を感じながらも、母親が言った「女は28歳で結婚するのが幸せ」と言う言葉に縛られている。
絶大なる母親の影響力によってリカがおかしくなってしまったと言う背景が見えます。
小説の方では、見た目も人間とは思えないような恐ろしい顔をしているし、体臭がものすごくきつい。
これだと男が恐怖や嫌悪を感じるのは当たり前なんだけど、内面から来るリカの”執念”(怨念にも似た)のようなものに、何かリカが憑られているととても良かったと思います。
ドラマのリカはちょっと同情できる部分もあったし、最後は亜矢をいじめから救っていたりととても優しくしていました。そういえば花山病院にいた時も、師長(安藤玉恵)さんに対して、子供への態度にものすごく怒っていましたよね。あの時のセリフは結構納得させられる言葉が多く、リカは子供にはとても優しいと言うキャラクターも一貫していました。
このように、ドラマの方がリカを主人公に起き、リカの抱える家族や母親へのコンプレックスなどがよく描かれていました。
小説では完全に本間の1人称で話が進んでいくので、リカという実態がよくわからず、都市伝説的な化け物の話で終わってしまっていた印象です。
”ホラー”と言うジャンルなので、それで良いのかもしれませんね。
あと、ドラマでは本間が出会い系に手を出したのは仕事のリサーチのため出したが、小説の方では下心丸出しでした。
(実際に出会い系で出会った子と、肉体関係をいちど持っているし。
リカのことを“運命の相手だ“と感じて、口説きにかかっていたのは最初は本間の方だったし)
だから男だったらいちどは目が開いたことのある浮気心に、こんな危険が潜んでいるのかと背筋の凍るような思いをすると思います。男性の読者の方がこの本を読んだら絶対怖いと思う。浮気防止のために、彼氏や旦那にこの本を読ませたらいいかも。