キンプリ妄想歌詞小説「Doll」4話~浮気の定義~

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スーパーで一緒にネギを買っていた女は紫耀くんの彼女!?

こちらはキンプリの曲「Doll」の歌詞からインスパイアされた小説です。

前のお話はこちら↓

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一緒にネギを買う関係

紫耀くん、お局先生と付き合ってるなんて、意外過ぎる…。
え?本当に付き合ってるのかな?二人も帰り道にたまたま会っただけじゃない?
いや、違うな…だって「紫耀くん、ネギあったよ」って言ってたじゃん。


ネギだよ、ネギ!?一緒にネギ買うって、ただならぬ関係よ!?付き合ってるどころの騒ぎじゃないかも!?

だってもし付き合ってて、「今日は私がお夕飯作ってあげる♡」って流れになったとしても、そんな色気ない食材買うか!?

ネギだよ、ネギ!なんつー庶民的な!それ…もう一緒に住んでるレベルじゃない…?

いや!でも、もしかしたら、今日は同僚たち”みんなで”鍋をやるのかも!それで、じゃんけんでたまたま負けた二人が買い出し係になって、それで二人でネギ買ってたのかも。

そうだよ、きっとそう!

だって、紫耀くんがあのお局と付き合ってるって、なんかすっごく意外過ぎるっていうか。

お局、いったい何歳なんだ??見た目、40歳くらい…いや、それは言いすぎか。でも、38くらいには見えるよなぁ。

それに、年齢的なことだけならいまどき40歳だってすごい若くてきれいな人もいるけど、お局はふつーに中年な感じだしなぁ。体型もそうだし、顔だって超地味系だし…。

紫耀くん、相変わらず今でもあんなにかっこよくて10代にもキャーキャー言われてるのに、何もあんなところと付き合わなくても他にたくさん…

って、私、なんて嫌な女なんだろう…。

別に、自分の彼氏取られたわけでもないのに、大坪先生のこと品定めして。自分よりも下だとでも言いたげな…。

見た目はちょっとアレでも、すっごい性格がいいとかかもしれないし…!

いや…?性格、悪かったよなぁ?明らかに意地悪してきたしな。お局だしな…。

でも、それでも内面だけじゃなくて、絶対私、大坪先生のこと見下してた。自分は紫耀くんと付き合ったことあって、愛されてた自覚もあったのに、あんなおばさんがなんで??って。

はぁ~、私ってこんな嫌な女だったんだ。

気持ちがずっしりと重くなる。
いや、重いのは普通にさっき買った荷物か。


「ただいま~。お母さん、もう歩きの人にお米とか頼むのやめてよね~。超重かったじゃん!車の時に買いに行ってよ」

家に帰ると、玄関でドサッと買ってきたお米を置いてリビングに向かって叫ぶ。

母「あらあらまぁまぁ!ごめんね~!だって、今日の分、なくなりそうだったんだもの!」

花凛「もう!ちゃんと計画的に買い物してよ~!」

母「違うのよ、これはハプニングなのよ~。こんなに急になくなると思わなくて」

玄関まで出迎えにきてくれたお母さんにお米を持ってもらって二人でリビングに入ると…

「花凜!おっかえり~!」

もぐもぐと頬いっぱいに白米を詰め込んだ廉がダイニングに座っていた。

廉「お母さんっ!花凛にこんな重いものを…!僕に言ってくれたら…」

母「え~?迎えに行って代わりに持ってくれた~?キャー!かっこいい!」

廉「いえ!車で迎えに行って車で運びます!僕もかよわいんで…!(`-ω-´)キリッ✧」

母「え~!こんなかっこいい旦那さんが車でお迎えとか素敵ー!まるで王子様じゃなーい!むしろ白馬で来てほしい~♡」

お母さん、今までほとんど写真でしか廉のこと見てないから、生廉を前にメロメロになってるよ…。今、別にかっこいいこと言ってないし。

「廉、マヨいる?」

廉「おーいるいる!サンキュー!」

母「え…?」

お母さんが怪訝そうに眉をしかめる。

母「ちょっと花凛!あなた、ご飯のおかずにマヨネーズなんて出してるの!?やだもぉ~!廉くん、ごめんなさいねぇ、こんな何もできない娘に育てちゃって」

「えー?違うよー、廉、マヨご飯大好物なんだもん。ねー?」

廉「あ、はい!全然!大好きっすね!」

母「だからって、ね~ぇ?あなた、向こうではちゃんとご飯作ってたの?」

「ん~?まぁ、わりとお兄ちゃんと海人がやってくれたから…」

母「はぁ~~、やっぱり…!もう、ごめんなさいねぇ、やぁねぇ、こんな奥さんで」

廉「いや、でも優太と海人が作ったほうが実際おいしいんで!全然大丈夫っす!」(←実の母親を前にわりと失礼なことを言っているのに気づいていない)

「廉だって、結婚前は”一緒に成長していこうね”みたいなこと言ってくれたのに、全然家事手伝わないじゃーん」

廉「いや、だから、それは優太と海人が花凛の世話焼きたがるから、俺は出しゃばらんようにせななーと…」

母「もう~、昔っからね、優太も海人も花凛に甘いのよ。うちは女の子一人だったから、お姫様みたいに大事にされちゃって、何にもできない子に育っちゃってごめんなさいねぇ?」

廉「いやいや、でもそういうところが可愛いんですよ」

母「…っ!?キャー!かっこいい!今のやばすぎ~っ♡」

ダメだ…、お母さん、もうメロメロだ…。

「そういう廉も、王子様体質でなーんにもやらないもんねー?」

廉「はー!?咲人と遊んでるしー!なーっ?」

咲人は大人のやり取りにかまわず、パズルに集中している。

確かに私は昔からお兄ちゃんや海人に甘やかされて何もできないけど、廉も同じくらい紫耀くんに守られ続けてきた”箱入り”なので、お互いに甘えんぼ夫婦だ。
廉は、紫耀くんに守られることに対して反発心を抱いていたこともあったみたいだけど、結局すごくよくできる兄の下で育った子にふさわしい甘えんぼに出来上がった。

しっかりしてそうでクールな見た目とは裏腹に、子供じみたところはあるし、「そんなこともできないの!?」と私ですらびっくりしてしまうようなことも多々あり、年下だから最初はそれがかわいく感じたりもしたけど、子供が生まれて見るとちょっと頼りないな…なんて思うこともある。

「それにしても、なんでもういるの?びっくりしたんだけど」

廉「は!?週末帰るってゆうてあったやん!」

「週末って、土曜日のことだと思ってた。金曜日のこの時間に着いてるって、何?早退した?」

廉「早く花凛と咲人に会いたくてめっちゃがんばって仕事早く終わらせたんやん!なんか言い方、冷たっ!」

母「そーよそーよ!せっかく早く来てくれたんだから、もっと歓迎しなさい!廉くん、日曜日の夜に帰るでいいのよね?」

廉「あ、はい!ですね!」

母「キャー!」

お母さんは相変わらずウキウキしている。確かに、廉って傍から見たら相当なイケメンだよなぁ。美人は3日で飽きると言うけれど、イケメンも3日とは言わないけどある程度で慣れる。
(というか、もともと廉のことを顔で好きになったわけではないので、そこらへんは冷静なのだ。)

でも、廉は何年経っても、私への愛情表現が変わらない。
私のことが好きで好きで仕方がないみたい。


廉「てことで、しますか」

お風呂から上がって寝室に入ると、廉がベッドに座って手招きをしていた。

「あれ?咲人は?」

ひさしぶりにパパに会えて嬉しかった咲人は、夕飯までの時間もずっと廉に遊んでもらっていて、お風呂も2人で一緒に入っていた。

そして、すっかりパパに満足したのか、「じーじとばーばと一緒に寝る~」と言って、さっさとじーじとばーばの部屋へと入っていった。

花凛「ははーん、それが狙いであんなに手厚く咲人の面倒見てたのか…」

廉「人聞き悪ぅっ。普通に咲人が可愛いから遊んどっただけやし。そしたら普通に咲人があっち行っただけやし。だから普通に俺らしようや?なぁなぁなぁ、早くこっち来てや~」

ベッドに座りながら廉が足をジタバタさせる。

花凛「うーん、でもさ、なんか実家って…」

廉「そんな今さら。向こうの家でだって優太も海人もおったけど、やりまくってたやん」

花凛「まくってはないし!!」

廉「そやねん。咲人ができてから、花凛、冷たくなったよなー。でも、そろそろ咲人も手がかからなくなってきたし、また仲良くしようや~♡」

待ちきれなくなった廉はベッドから立ち上がり、後ろから抱きついてくる。

そして、そのまま2人でなだれ込むようにベッドに倒れ込んだ。

キスをされ、パジャマの裾から手を入れられ、目を閉じたら、なぜだか紫耀くんの顔が浮かんだ。

そうだ、紫耀くんに再会したこと、廉に言わなきゃ。

廉だってずっと紫耀くんがどこにいるのか、何をしているのか、この8年ずっと心配していたはず。

「あれ?」

左手をパジャマの中に入れて、右手を私の左手にキュッと絡めていた廉が、キスをやめて、そのつないだ手に視線を向ける。

廉「指輪は?」

え?

自分でも全然意識してなくて、言われてハッとした。

そうだ、指輪…。

お風呂で外して、そのまま忘れていた。

廉「俺がいない間に、浮気とかしてないよね?」

浮気の定義

「う、浮…っ!?んなわけないでしょ!?」

あれ!?指輪どこにやったっけ!?ヤバい…!なくした!?
焦ってしどろもどろになるから、余計怪しい。

廉が黒猫みたいな目でじーっと見てくる。

「う、浮気なんてするわけないじゃん!何言ってんの!?もう!!」

「ほんまに?担任の先生が若くてイケメンやったとか、ない?」

「ないない!担任、女の先生!」

「教習所の先生が、密室なのいいことに手握ってきたとかない?」

「…っ!?あ、あるわけないじゃん、そんなこと!」

い、言えない…この流れでは言えない…!!

「教習所の先生が超イケメン」どころか、何を隠そう運命的な再会を果たした紫耀くんで、わざとじゃないにしろ密室の車内で手を握られる感じになったとか、絶っっ対に言えない…!!

指輪を外していたことで、絶対に疑われる!!

なんで私、指輪忘れてたんだよ~っもう!私のバカバカバカ!!

廉「浮気したらあかんで?」

ぎゅっと抱きしめられる。

「ち、ちなみに浮気ってどこからが浮気?」

廉「ん~?そうやな~、もちろんキスからは完全アウトやけど、特別な理由もないのに二人で会うとか?」

「ふーん…じゃあ偶然会うのはいいんだ?」

廉「まぁ、それは避けようないしね。わざわざ約束して会うとかじゃなければ」

「約束して会うでも、二人じゃなきゃいいんだ?」

廉「まぁ、ほかに人がいればどうにもならんと思うからセーフとは思うけど…なんなん?そんな事細かに聞いて。今後、浮気する予定でもあんの?」

廉が怪訝そうに眉をしかめる。

「ちがっちがうよ!ただ、そういう感覚って共有しておいたほうがいいかと思っただけ!」

教習所で会ってるのは二人で会ってるけど、それはれっきとした理由があるからいいってことだよね。

でもそれじゃあ、会えるのをワクワク楽しみにしたり、いつもよりちょっとオシャレして出かけたりするのは、浮気かな…?

結婚生活長いから、ちょっと外にトキメキを感じただけ、アイドルにキャーキャーする感覚と一緒、って自分ではそう思ってる。
別に紫耀くんとどうにかなろうとか、廉を裏切ろうとか、そんなの全然考えてない。

でも、廉には言えない。
それでなくても廉は、心配性過ぎるほどに心配性だ。

前にパート仲間の人たちと夜にご飯会があって、咲人を廉に預けて出かけたことがあった。すると、「男二人だから俺らも外食しようと思って」と同じ店に来た時にはさすがにちょっと引いた。

同僚たちは、「旦那さん、超イケメンじゃん!」と、そこにばかり気を取られて、妻のささやかな自由の時間を追いかけてきた束縛夫というところにはあまり気づいてなかったようだけど、あれは絶対に監視だったと思う。
別にやましいことをしていなくても、そうやって疑われて監視されていると思うと少しギクリとする。

主婦パートばかりの職場でも、ほんのちょっといる店長とかの男性社員に対して警戒心を示すのだから、紫耀くんのこととなったら絶対に疑う。

それであの教習所に行けなくなるのは、…ちょっと嫌だと思ってしまった。

「それじゃ、もし、もしもだけど、私が浮気したらどうする?」

一応、聞いておこう…。

廉「うーんそうやなぁ…その時は……」

廉が斜め上を見上げて少し考えてから、真顔でこちらを向いて小さく、でもはっきりと答えた。

「殺すね」

まさかそこまでの答えが返ってくるとは思っておらず、思わず息をのむ。
またまたちょっと引いた。

「こ、殺すってどっちを?私?」

「いや、相手の男」

殺されるのが自分じゃないと言われても、十分怖い答えだ。

「ちょ、ちょっと…過激なこと言うねぇ…」

廉「そう?てか、世の中の男、全員殺すね」

今度はちょっと冗談っぽく笑いながら言ってくれたので、少し場が和む。

「そしたら、世の中、廉とあとは女だらけになるってことでしょ?廉、ハーレム過ぎるじゃん。そしたら今度、私が廉の浮気をずっと心配しなくちゃいけないからやだよ」

廉「あ、それいいねー。周りが女の人だらけとかはどうでもいいけど、それで花凛に毎日やきもち焼いてもらえるとか幸せすぎるわ。こんなイケメンの旦那やのに、いまいち花凛はクールやからな」

「そ、そぉ!?別にそんなことないけど」

廉「じゃあ、ちゃんと俺のこと愛してるって、体で示してよ?」

そういうと、廉は私の手を引き、自分が先にあおむけにベッドに倒れこみ、そのまま私を引っ張って自分の上へと引きずり込んだ。

よかった、とりあえず機嫌が直ったみたい。

廉の上に覆いかぶさりキスをして、そのまま首筋、胸元へと舌を這わせる。いつもは完全に廉のリードだけど、今日はこういう流れなので私が積極的にがんばらなくては。

廉「あ、そうや、もう一個あったわ」

廉が静かに呟き、私は顔を上げる。

廉「浮気の定義。会うことを内緒にしたら、浮気やな」

背中にヒヤリを寒気が走る。

その次の瞬間、廉にくるりとひっくり返され激しくキスをされた。

「…んっ」

廉「声、出したらアカンで?」

「…じゃぁ…あんまり激しくしないで…」

廉「それはダーメ」


廉は満足そうにニヤリとすると、そこからはいつもの通り、いや、いつも以上に、激しく濃厚に、廉の愛の猛攻を受け続けた…。

5話に続きます!


私の小説では、実際にキンプリメンバーの発言した内容を取り入れたりしてキャラクターを本人に近いように構成しているのですが、今回の「どこからが浮気?」に関しては、本物のれんれんの発言とは少し違います。
超一途でちょっと束縛強めなのがこの小説での廉のキャラなので、少し脚色させていただきました。ご了承ください。(束縛強めは本当は紫耀くんのほうですね)

浮気についてのれんれんの考え方はこちら。

基本、モテる人生歩んできてるから、浮気についての考えも「相手に浮気されたら?」ってより、「自分が浮気を疑われたら」って発想になるみたい。束縛されるのはすごく嫌みたいだけど、自分がどのくらい束縛するのかは、あんまり語ってないので謎です。

コメント

  1. 平野すみれ より:

    ちゃちゃさん久しぶりです!覚えてらっしゃらないかもしれませんが、、、笑笑
    久しぶりに見にきたらめちゃめちゃ更新されてて!!
    いつになってもちゃちゃさんの作る小説の世界観は変わらず大好きです!脱退の発表など、胸が苦しくなることもありますがこれからも頑張ってください!
    更新まってます💞

    • ちゃちゃ より:

      覚えてますよ〜っ!
      koi-wazuraiから読んでくださってましたよね!
      そして、雨音も。
      こちらのDollは雨音→Seasons of Loveの続編なんです〜。

      久々に思い出してもらえて嬉しいです!
      またまたゆっくりなペースですが更新してますので、また学校の行き帰りなどに読んでもらえたら嬉しいです(^-^)

  2. 平野すみれ より:

    わああ覚えてくださって嬉しいです!!
    ぜんぜんゆっくりで構わないです!
    楽しみにまってます💞
    更新したらぜったいよみます!!

    • ちゃちゃ より:

      最近は更新頻度を上げるため、ちょこちょこ更新していくスタイルで、どんどん続きに追記していく感じになっています!
      ちょうど、昨日ちょっとだけこちらの4話に追記しました!

  3. 平野すみれ より:

    追記嬉しいです!!
    うわあこの話の廉くん好きすぎますって、、、
    こんなイケメンどっかにいないかなぁ!?笑笑

    • ちゃちゃ より:

      あれ、すみれさんは平野担じゃなかったでしたっけ?
      でも、私も自分の小説に出てくる廉くんのキャラがすごい好きです♡
      庭ラジのかわいいれんれんって感じです(^^)

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