【SMAP × King & Prince】歌詞小説「君と僕の6ヶ月」 9話「夏の風を忘れゆく様に」~僕たちは振り返りはしない~(SMAP「オレンジ」恋愛三部作)

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SMAPの「オレンジ」の歌詞って、本当は好きだけど相手のためにあえて別れを告げる…って感じですよね?

愛し合ってた二人に一体何があったんだ!?って、いろんなストーリーが浮かんできます。

そんなワンシーンを描きました。

 

このお話は、SMAP「オレンジ」恋愛三部作をモデルにした音楽小説です。

SMAPの名曲の数々を今の若い子に布教するため、SMAPの楽曲をテーマ曲に使い、主役はキンプリの岸くんです!

 

私の小説は、曲の歌詞からストーリーを考えている“音楽小説“となっています。

 

前の話はこちら

 

SMAP小説夏の風を忘れゆくように

 

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夏の風を忘れゆく様に

私を抱き締める優太の腕の力がふっと抜けるのを感じ、身を離す。

恐る恐る優太の顔を見上げると、今にも泣き出しそうな顔で私を見つめていた。

 

美華「言ったでしょ?私が優太と付き合ったのは、優太が医大生だったから。医大生じゃなくなったら、優太と付き合う意味ないじゃん」

優太「それ、本気で言ってんの…?」

優太の声が震えている。

 

 

美華「本気本気!だからちゃんと大学卒業して、お金持ちのお医者さんになったら、もう一回付き合ってあげてもいいよ?あ、でも、その頃には私も有名な歌手になって、お金持ちのプロデューサーとかと付き合ってるかもだから、やっぱダメだね~」

 

あえて明るい口調で言ってみたけど、優太は何も言わず、シーンとした夜の公園に時折「ジジジ…」と虫の声が響いた。

優太は「嘘だと言ってくれ」とすがるような目でじっと私を見つめたまま黙っている。

そんなうるうるとした大きな瞳で見つめられると、決意がにぶりそうで、スッと視線をそらした。

 

 

美華「優太、いいお医者さんになってね。じゃあね」

 

 

そして、歩き出す。

 

振り返りはしない。

もう決めたことだ。

迷いはない。

 

 

優太に医者になってもらいたいと思っているのは本心。

きっといい医者になる。私が患者だったら、優太みたいな人の気持ちに寄り添える優しいお医者さんに診てもらいたい。

 

 

だけど私は優太と一緒にいると甘えてしまう。

私と付き合い始めてから、優太の大学の成績は落ちたらしい。

そんなこと、全然気にしなくていいと優太は言うけど、私は優太の邪魔をしたくない。

優太は私のためなら、自分の人生を捨てかねない。

だから、私はこれ以上優太と一緒にはいられない。

 

 

最初は本当に医大生だから少し興味を持っただけだった。

でもすぐに優太の内面に惹かれていった。

 

「お金や物はあげないけど、楽しい時間をあげる」と約束してくれたこと。

その約束を守るために、一生懸命色々な話をしてくれたこと。

頭はいいはずなのに、話が長くて何を言っているか分からないことも多々あったけど、一生懸命話しているその横顔を見ているのが好きだった。

話がまとまらなくて焦りだすと早口になるところ、結局自分でも何を言っているのか分からなくなって「あれー!」と目を細める癖。

 

一緒にいた時間はたったの数ヶ月で、どこかに旅行に行ったこともないし、私たちには大きな思い出はない。

深夜の公園のベンチに座って二人で星座を見上げながら、ポテチを食べたこと。

自転車で二人乗りして、身がよじれるほどに笑ったこと。

下手くそな絵日記みたいな手紙を毎日届けてくれたこと。

優太の部屋で、優太の背中に寄りかかりながらギターを弾く時間。

日常の何気ない小さな一つ一つが、愛おしくて幸せだった。

 

 

あの頃に戻りたい。

そのまま時が止まればいい。

だけどそれは叶わない。

 

 

 

私たちが向かう先は同じじゃない。

 

 

何気ない日々の片隅には

色々な忘れ物があって

人はどうして通り過ぎたり

後戻りして動けなかったり

 

それでも光は溢れ

それでも季節は巡り

 

夏の風を忘れゆくように

僕たちは振り返りはしない

遥かな未来を描くとき

自由の扉が開く

SMAP「夏の風を忘れゆく様に」

作詞作曲:森たまき

 

 

残されたクリスマスプレゼント(優太サイド)

そして美華は、冬を待たずにこの町から姿を消した。

どうしても美華を諦めることができずにいた俺に、すがることも許してくれないのか…。

 

優太「なんで…っ、クリスマス、一緒に過ごそうって約束したのに…、ずっと一緒にいるって、約束したのに…」

 

 

付き合っているときの男女がする約束なんて、ほとんど守られることはない。

そんなことは頭では分かっていたはずなのに、どうしても恨み言ばかりが口をつく。

 

 

空になった美華のマンションの部屋の玄関には、俺があげたギターが置いてあった。

なんだよ、それ。

俺の思い出ごと、置いていったということか…。

夢に羽ばたく美華に、俺はかけらも必要ないってことかよ…。

 

ギターケースに手をかけると、はらりと一枚の紙が落ちた。

拾い上げて見てみると、手書きの楽譜だった。

 

 

”クリスマスプレゼントに、俺に曲を作って”

 

 

そうだった、このギターをあげるとき、なかなか受け取ろうとしなかった美華を納得させるため、”半年早いクリスマスプレゼント”として受け取らせたのだ。

そして、その代わりに、このギターで、俺に曲を作ってほしいと。

俺へのクリスマスプレゼントとして。

 

 

優太「こんな楽譜だけ残されたって、俺、ギター弾けねぇしよぉ…っ」

 

涙がボロボロとこぼれてきて、その場に膝をついた。

こんな約束だけ律儀に守ってくれたって、美華がいなくなっちまったら意味ねえんだよ…!

俺は、ただ、美華にもう一度歌ってほしかったんだ。

曲だけ残されたって、美華が隣で歌ってくれないのなら、意味はねえんだ…。

 

 

つづく

 


今回は、あんまり話が進展しませんが、この曲を使いたかったので、無理やり2話に分けました!

この曲は夏の終わりにぴったりな切ない曲です。

 

夏っていろいろ楽しいことあって、気持ちも開放的になって恋の季節!って感じするけど、「もうすぐ夏も終わりかぁ」って思ってふとすごく切なくなる瞬間ってありません??

そんな時に聴くとぴったりな曲ですよ!

 

 

この曲は、中居正広・稲垣吾郎・香取慎吾の3人のユニット曲なんですが、本当に切ないきれいなメロディで、特にごろーちゃんの声がよく合ってます。

ぜひ聞いてみてくださいね~!

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