SMAPがなくなった世界で、動き出したそれぞれの時間。
事務所の新たな策略に、中居は華麗なる逆襲を誓う。
これはSMAPを失った中居らメンバーたちが、もがきながら自分の進む道を見つけるまでのストーリー。
全て妄想によるフィクションです。
華麗なる逆襲~彼らの真実~11「前に!」大晦日の最後の宴に木村が来られなくなった理由とは…
ありがとうじゃ足りないの 想うほど切なく
声に出して叫び続けた 届くかな
これからも僕らは夢を乗せて走るよ
下手な歌声でも あなたに響くように”ぱにたん”
出典:舞祭組「道しるべ」作詞作曲:舞祭組
前を見よう 振り向かず 僕らは進める
心にはあなたがいる
これからも
出典:舞祭組「道しるべ」作詞作曲:舞祭組
もう見当たらないその姿
僕らだけの道しるべ
出典:舞祭組「道しるべ」作詞作曲:舞祭組
中居サイドストーリー
2017年。
ただの「中居正広」となった俺は、少し長い正月休みをもらっていた。
外に出る気にはなれない。
ただ部屋で一人、SMAPのいなくなった後の世界をテレビで見ている日々だった。
1月13日。
ぴったんこカンカンに出演した木村を見て、飲んでいたビールをちょっと吹いた。
木村が、首の周りをぐるっと囲む5つの星のついたセーターを着ていたからだ。
それ以外はグレーの無地でシンプルすぎるだけに、輝く赤い5つの星が目立ちまくっている。
「俺は、まだSMAPだ。SMAPは5人でSMAPだ」
と、無言で訴えているのだ。
そして3日後。
それに答えるようにして慎吾が星いっぱいのパーカーを着て、「おじゃMAP!!」に出演していた。
全くあいつらは・・・。
俺たちは、それぞれ別の道に飛び出してしまったけれど、やっぱり真ん中ではしっかりと繋がっている星のように。
二人のメッセージ交換は、瞬く間にネット上で騒がれることとなったらしく、俺たちのメッセージをこんなにも的確に受け取ってくれるファンに対しても,木村と慎吾に感じたのと同じことを思う。
”お前ら、どんだけSMAP愛強いんだよ(笑)”
そんな幸せを少し味わった反面、何か違和感を感じた。
「SMAP」という名前を、不自然なほどにテレビで聞くことがなかったからだ。
本当に解散したんだな、俺ら。
この世から、「SMAP」は本当に消えてしまったんだな・・・。
しかし、仕事復帰した俺は、この違和感の本当の理由を知ることとなる。
事務所からテレビ局に、「去年解散したSMAPの~」とか「元SMAPの~」などという肩書きを使うことを禁止する、さらに5人でいるSMAPの画像や映像を映すことを禁止するというお達しがあったというのだ。
ヤツラは、SMAPの未来を奪うだけでは気がすまないのだ。
SMAPの過去まで奪おうとしている。
しかし、そんなことは許さない。
俺たちの歩んできた軌跡を奪われるなんて。
昔、森がいたことをなかったかのようにしていたのと全く同じ手口だ。
だけど、俺たちは確かにそこにいた。
がむしゃらに28年間走り続けてきたのだ。
なかったことになんかされてたまるか・・・!
しかし、俺には何の力もない。
やはり今日もレギュラー番組の仕事をこなし、家に帰って酒を飲む。
そうだ、今日はMステスペシャルを見なきゃいけない日だ。
そこには俺がプロデュースしていた舞祭組が出ている。
舞祭組のメンバー本人が
「今日は、絶対に見てください。生で見てくださいね!!」
と生意気にも俺に連絡をよこしてきたのだ。
何か伝えたいことがあるとか何とか。
彼らが歌った歌。
「道しるべ」
その歌は、放送事故レベルに下手くそだった。
だけど、なぜかすげー心の奥底まで入ってきた。
俺たちの決断を尊重しながら、俺たちが選択した別れを悲しんでくれていた。
後輩の粋なサプライズには驚き感動したが、それ以外にも驚いたことがあった。
ランキングにはSMAPの曲が何曲も入っていた。
そして、KinKiの二人が俺たちのバックダンサーだったときの話をしてくれた際にも、俺たちの映像が出されていた。
後日。
「お前ら、“ぱにたん”は俺の造語なんだから、歌詞に使ったなら印税俺によこせよな~」
俺は、舞祭組のメンバーに冗談を言う。
「中居さ~ん!聞いてくれたんですね、僕たちの歌!」
「聞いてらんねーほど、下手だったけどな(笑)」
「・・・うぅ。でも、いいんです。中居さんに届いてくれれば。僕たち、一生懸命歌いましたから!!あの日の放送、ちゃんと中居さんに伝わる内容にしてもらえたの、タモリさんのおかげなんです」
「タモさんが?何?どうゆうこと?」
「実は、KinKiさんから聞いたんですけど、事務所はSMAPさんの曲をランキングから抜くようにってMステ側に打診していたらしいんです。トークでSMAPさんの話題に触れるのもNGで。
でも、タモリさんが「俺の番組で、そんな勝手なことはさせない」って言い切ってくれたらしくて。それで、Mステのスタッフさんたちも、タモリさんの言う通りだ!って意地見せて局に逆らって頑張ってくれて。
それで、ランキングに入ってた曲もそのまま流せたし、過去映像まで流してくれて!
KinKiさんもSMAPさんの話題をわざと出すようにしているの感じて、僕たちすっごく嬉しくなっちゃって・・・!」
タモさん・・・光一・・・剛・・・。
みんなの気持ちがこれ以上ないほどに嬉しい。
SMAPをこの世から消したりはしない。
そう思ってくれていたのは、俺だけじゃなかったんだ。
俺は、なんの手立てもないと弱気になっていた自分を恥じる。
絶対に俺たちの過去を取り戻す・・・!
絶対に、俺はSMAPの過去の権利を持って、事務所を出てやる。
この日俺は、もう一度“華麗なる逆襲”を心に誓った。
舞祭組「道しるべ」
これね、1月のMステスペシャルで舞祭組が歌った「道しるべ」。本当に下手過ぎて放送事故レベルだったのに、なぜかすんごい泣けた・・・。一緒に出ていたキンキが「なんかざわざわする~」と笑いを誘って、しきりにフォローしていたのも、本当に優しい先輩たちだな~って。
メンバーがそれぞれ作詞に携わったというこの曲。たぶん、ひとりひとりの中居くんへの思いが率直に綴られている。
Kis-My-Ft2は、もともと事務所公認のメンバー格差があるグループ。奇をてらって斬新ではあるけど、下に位置づけられているメンバーがそれを望んでいるわけはない。
衣装の色も、だいたい玉森裕太、藤ゖ谷太輔、北山宏光が赤で、横尾渉・宮田俊哉・二階堂高嗣・千賀健永が黒。うじゃうじゃいるJr.に完全に埋もれちゃってるよ・・・。
そんな日の目の当たらない4人をすくい上げたの中居くん。今でこそ救う側の中居くんだけど、SMAPの売れない頃の時代は本当に苦労したよね。それからも頑張っても頑張っても事務所からは認められずにハブにされていて・・・。
そうゆう思いを一番わかっている人だから、影の4人にも主役になるステージを与えてあげたかったんだと思う。
どんなに自分が輝く場所に行けたとしても、影で一生懸命頑張っている人たちの存在を決して忘れることはない。苦労した中居くんだからこその優しさ。
舞祭組「道しるべ」の歌詞を語る!歌詞に出てくる「ぱにたん」ってどうゆう意味?
この曲は、公式に「中居正広に捧げる曲」とは言っていないものの、やはりSMAPの解散を知った舞祭組メンバーが、中居くんのことを思って書いたことは確実と言えます。
まず、けっこう気になっている人が多いのが、歌詞に出てくる「ぱにたん」という言葉。これは、中居くんがプロデュースした舞祭組の2枚目のシングル「てぃーてぃーてぃーてれって てれてぃてぃてぃ ~だれのケツ~」を受けての言葉です。
もしも魔法がつかえるなら
一度だけ・・・世界中が仲良くなれますように
魔法をかけちゃうぞ!
ぴろぴろぱにたんすーりすり
ぴろぴろぱにたんすーりすり
ぴろぴろぱにたんすーりすり
舞祭組「てぃーてぃーてぃーてれって てれてぃてぃてぃ ~だれのケツ~」より
この”魔法の言葉”の一部で、つまり中居さんの造語なんですよね。ジャニーズには、派閥があるとさんざん言われてきて、これは絶対に本当だと思うんですよね。でも、中居くんはそんなものはとっぱらって、みんなで仲良くした、共演もしたいしお互いの成功を喜び合ったり励まし合ったりしたいと、ずっと願っていたのでしょうね。これを
下手な歌声でもあなたに響くように”ぱにたん”
出典:舞祭組「道しるべ」作詞作曲:舞祭組
と歌っているんです。単純に、中居くんに届けという意味でわかりやすく中居くんを示す言葉を入れたとも取れますし、この「ぱにたん」という言葉が「世界中が仲良くなれる」呪文ということなので、”SMAPが仲違いによって壊れてしまう”という報道を受けて、もとの強い絆で結ばれた5人に戻って欲しいという願いを込めたのかもしれません。
「二つに割れちゃうだなんて まるでお尻みたいで(嫌だね嫌だね)
舞祭組「てぃーてぃーてぃーてれって てれてぃてぃてぃ ~だれのケツ~」より
これは、Kis-My-Ft2が二つに分かれている格差グループだということを皮肉って言っています。これを受けて
本当に2つに割れちゃうなんて お尻みたいで嫌だね嫌だね
そんな冗談も言えないから
出典:舞祭組「道しるべ」作詞作曲:舞祭組
これも、まるまる同じ歌詞をなぞっているので、「中居くんがこんな冗談を言っていたけど、もうそんな冗談は言えなくなってしまったね」という意味でしょう。「本当に」という歌詞が入っていることで、「最初は冗談で言っていたけど、冗談じゃなくて本当になっちゃった」って意味だと思います。
だから、後者のほうの2つに割れちゃったのは、SMAPのことなんだろうな・・・。
冗談ぽくなんて言える話じゃないし、中居くんが遠くに行ってしまうことを覚悟した舞祭組メンバーが、もう中居くんと冗談を言い合える時間は戻ってこないのだと覚悟しているようにも聞こえます。