華麗なる逆襲~彼らの真実~11「前に!」大晦日の最後の宴に木村が来られなくなった理由とは…

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SMAP最後の宴。
大晦日の夜、木村が来られなくなった真相。

木村がどうしても中居に届けたかったものとは・・・!?
そして、木村の思いは中居へと届くのか?

 

続きは・・・書きたいと思っていますがまだ構想が練りきれていません・・・。
SMAPにとって、何が一番の幸せな結末なのか、考え中です。(2017年1月現在)

華麗なる逆襲~彼らの真実~10



前に前に 僕ら走り続け
いつか辿り着くさ 夢見てた場所へ

出典:SMAP「前に!」作詞:飯田清澄/zopp、作曲:飯田清澄

中居サイドストーリー

2016年12月31日。
「本当は、去年の今日、ここで自由になる宣言をするはずだったんだよね」
剛がポツリと言う。

 

俺たちは、NHKホールの前に立っていた。
「今から乗り込んでジャックしちゃおっか!?」
慎吾がいたずらげにはしゃぐ。

 

「いや、ないでしょ」
吾郎がふっと笑う。
「いや、ありかも!だって、生放送で、さらにCMに逃げることもできないNHKだよ!?どんなとんでもない状況が起こっても放送するしかないし!俺たち発言の機会ずっと奪われてきて、言いたいこといっぱいあるし!紅白ジャックして全部暴露しちゃおっか!?本当は解散なんてしたくないよ、不仲なんて嘘だよってぶちまけてやるんだよ!俺たちは一番大切なものを奪われたんだもん!この先芸能界でどうなっちゃうのかもわかんないし!もう、どうにでもなれだよ!」
慎吾が話しているうちに、だんだんと熱を帯びる。
さっきまでのいたずらっ子のような無邪気さが消え、その表情は怒りに満ちている。

 

「ばーか。今年も紅白初出場のアーティストがいっぱいいるんだぞ?その父ちゃん母ちゃんが楽しみに見てるんだぞ?そんな晴れ舞台を、俺たちが自分たちの言いたいこと言うためだけに、潰していいと思ってんのか?」
俺は、子供をなだめるような口調で言う。

 

「あっ・・・そうか」
慎吾が我に返る。
「ふふっ。中居くんって、どんなに自分が辛いときでも、周りの人の気持ちを一番に考えちゃうんだよね。相変わらずだね」
剛が笑う。
「あぁ?そんなんじゃねーけどさ」

本当は、今日この場に立ちたかった。
俺たちは全員、最後までそれを望んでいた。

 

だけど、それは最後にファンのみんなに歌で感謝の気持ちを伝えたかったからだ。
事務所への恨み言を言うためじゃない。

 

「ほら、早くいこ」
そんなやり取りを見て、吾郎が言う。

 

俺は、最後のその時、みんなで一緒にいたいと願った。
みんな、そんな俺の願いを聞いてくれた。

 

場所を移動した俺たちが入ったのは、あの焼肉屋、角の個室。
木村の結婚祝いをやったこの場所。
今回の騒動が世間に出る直前、「俺がお前を守る」と俺が木村に誓った場所。

 

大事なときにいつも集まるこの場所で、俺たちはSMAPの最後を迎えようとしていた。

 

「木村くん、遅いね・・・」
ポツリと慎吾が言う。
「奥さん、また具合悪くなっちゃったのかな・・・?」
剛も不安げな表情を浮かべる。

 

「ごめん!遅れて・・っ!!」

 

息を切らして入ってきたSMAPのもう一人のメンバー。
木村ではない。
森だった。

 

最後のこの時を、俺らは6人で過ごすことを決めていた。

 

「木村くん、今日来られなくなっちゃったんだ・・・。実は、今日ここに集まること、事務所にバレちゃったんだって。木村くん、事務所のガードに捕まっちゃって・・・。事務所は今日が終わるまでは、何としてでも5人を一緒にいさせないようにって警戒しているらしいんだ。5人集まったら、最後に何をするかわからないって。」
「えぇっ!?」
俺たちは、一斉に声を上げる。
慎吾「確かに!今日5人で集まれたら、本当に紅白ジャックしちゃってたかもしれないもんねっ!?」
剛「まだ言ってる・・・(笑)」
森「え?紅白?ジャック?何のこと・・?」
俺たちの逆襲を恐れた事務所は、プライベートで俺たちが会うことに目を光らせていた。
今日のこの日も、何とか上の目をすり抜けて店を予約したつもりだったのだが・・・。
森「なんか、どっから情報漏れたのかわかんないけど、マネージャーとかも上に内通してるかもって。もう誰も信用できないって木村くんが。それで、ノーマークの俺が人肌脱いで木村くんからの伝言預かりに行ってきたってわけ!」
森はドヤ顔でVサインを出す。

 

慎吾「えっ!木村くんに会ってきたの?」
中居「マジかよ!お前よくバレなかったな・・・」
森「うん、新しいマネージャー20代じゃん。俺のこと、知らないよね~(笑)いや~でも、こんなドキドキするミッションなかったよ~~(汗)あ、そうそうこれ、木村くんから預かってきた手紙」

 

森から渡された手紙を開いてみる。
そこには、ここに来られなくなったことを知って急いで木村がしたためたであろう思いが綴られていた。

 

「中居、SMAP10周年を前に、俺がお前に書いた手紙を覚えてるか?
とってもクサイ手紙だ。
俺たちは同じバスに乗ってずっと走ってきた。
途中、一度バスを降りるやつがいても、またこのバスに戻ってくる。
恋人は別れてしまえば恋人じゃないけれど、友達は何年ぶりに会ってもまだ友達でいられる。
俺たちは、SMAPという同じバスに乗り合わせた親友であり悪友だ。

 

俺たちは、今バスから降りるときが来た。

空っぽになってしまったけれど、SMAPというバスはまだ走り続けている。
どうか、みんないつかそのバスに戻って欲しい。
俺は信じてる。
またこのバスが満員になって走り出すことを。
俺は、バスに戻るのが一番最後になるかもしれない。
だけど、絶対にお前たちに追いつくから。
お前たちは先に行け。
前だけを見て進め!」




俺は最後のラジオで、
「僕は前ばかり向けるタイプじゃない」
と語った。

 

だけど、木村はそれを全力で否定する。
いつも、あいつは前だけを見て進む。
振り返らずに、怖がらずに。

 

こいつには、長年SMAPのエースというポジションを背負ってきてもらった。
きらびやかな栄光の裏で、辛く苦しいこともたくさんあっただろう。
人から理解されず、心無い言葉を浴びせられたこともあっただろう。

 

こんなにも多くの人を惹きつけ、こんなにも多くの人から嫌われる男を俺は見たことがない。

 

それでも、あいつは人の評価なんて一切気にせず自分の信じた道だけを見て進む。

 





2017年1月。
年が明けて、SMAPじゃなくなった木村が自分のラジオで一発目にかけた曲は、SMAPの「前に!」だった。

 

あいつは、どうしてそんなにも力強く信じていられるんだ?
俺たちが、決して離れないことを。
どんなにバラバラな道を歩んでも、ずっとSMAPで居続けることを。
あいつの言うように、いつかまた俺たちは同じバスに乗り込めるのだろうか?
どんなに時が経っても、再会した俺たちは昔となんら変わらずバカを言って笑い合って、誰かが傷ついたときにはかばい合って、離してしまったこの手を強く握り合うことができるのだろうか?
ずっと昔にSMAPを抜けた森が、いつだって変わらぬ空気で俺たちの中に戻ってくるように。
あの日、必死に木村からの思いを俺たちに届けてくれたように。

 

 

木村、俺もお前と一緒に信じて走るよ。
いつか夢見てた場所に辿り着けるのなら。
ただ前だけを見て。

 

華麗なる逆襲~彼らの真実~12


この小説は、実際にあの頃報道されていたことや、その裏では本当は何があったのか?を妄想して書いたストーリーです。

この小説の中では、SMAPが紅白をジャックしようとして断念した、というストーリーになっていますが、本当はSMAPはスマスマ最終回をジャックしようとしていたという情報があります。

それを別記事にまとめました。

 

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