江戸川乱歩の小説「パノラマアイランド」を読みました。
みんなが言っていたように”なりすまし”のあらすじになっているということ以外に気になったところが!
それは遺体の隠し場所について。
もしかして、足だけパッタイの児嶋佳世の遺体の他の部分の隠し場所のヒントになっているかも!と思いました。
目次
江戸川乱歩「パノラマアイランド」のあらすじパパッとネタバレ!
- 主人公は夢想家で、自分の作りたい”夢の帝国”的なことを小説に書いていた。(しかし小説家としては全然売れていない)
- 主人公に瓜二つの別人が病気で死んだことを知る。(その男は超金持ち)
- 主人公はそのお金を自分のものにするために、死んだ男に成り代わる。
- 莫大な資金を手にした主人公は、ずっと夢見ていた自分の帝国”パノラマ島”を築き上げることに資産をつぎ込む
- 妻になりすましがばれ、妻を殺害。
- パノラマ島の建設現場の柱の中に、モルタルと共に妻の遺体を埋め込んで隠す。
- 主人公が作っているパノラマ島は昔、小説に書いたもの。そのことからなりすましがばれる。
- 妻の遺体の隠し場所もばれる
- 言い逃れが出来なくなって追い詰められた主人公は、花火とともに打ち上げられ粉々になって自殺する
ちょっとわかりづらいとこだけ補足。
【死んだ人間になりすますってどういうこと?】
もともと主人公に瓜二つの資産家の男は病気(てんかん)で死亡するが、この病気が後から命を吹き返すことがある病気だった。
そして、この地方では火葬をせずに、土の中に埋葬する風習があった。
”早すぎた埋葬”と言って、てんかんで死亡したと思われた人間を埋葬してしまってから息を吹き返し、生き埋め状態になって苦しみもだえながら死んでいくということがあった。中には死んだと思われた妊婦が生き返り、土の中で赤ちゃんを産んで泣きわめく赤ちゃんに出ない乳をくわえさせながら苦しみもだえ死んだこともあったそう。(怖っ!ストーリーと直接関係ないのに、この部分が一番印象的だった…)
だから主人公は、資産家の男が生き返って墓の中から這い出してきたことを装い、資産家の男に成り代わることに成功したのだった。
【なんでなりすましがバレたの?】
主人公は昔、パノラマ島について小説に書いていたけど、小説家として売れていなかったので、その本や内容を知る人は少ない。
最後に主人公を追いつめた人間は、「この小説を読んだことはあるか?」と確認した。
主人公は、自分の本を見せられて多少焦り、全く関わりのないことをアピールしようと「読んでいない」と答えてしまった。
本の内容を知りもしない人間が、ここまで忠実に本に出てくるパノラマ島を再現できることはありえない。
本を書いた人間と、今このパノラマ島を作っている人間は全く同じ思想をしていると言える。
故に同一人物だ!
つまり、これはドラマでよくある犯人しか知りえない事実を口走ってしまい罪がバレるという「秘密の暴露」にあたるのである。
ちなみに「あなたの番です」では「パノラマアイランド」って言ってたけど、菜奈ちゃんが持ってた本には「パノラマ島奇譚」って書いてあって、なんか難しい漢字だな。これでアイランドって読むの?と思って調べたら、「パノラマとうきたん」って読むみたいですね。
江戸川乱歩「パノラマアイランド」の感想
江戸川乱歩って言ったら知らない人はいない作家さんなのはもちろん知ってるんだけど、実は作品を呼んだのは初でした。
感想はですね~、なんか、こ難しくてさっぱり頭に入ってこない !
私、現代人の中では自分って結構小説読んでるほうだなぁとか思っていたけど、東野圭吾とかいわゆる”読みやすい”とされている人気どころの小説家しか読んでないからなあ…。
逆に、東野圭吾がどれだけ読みやすいかっていうことを改めて思い知らされましたね(^^;
江戸川乱歩の前に、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」も読んでみたけれど、 こちらも本当にくどくどと回りくどい言い回しで読みづらい。
「理論派の芸術家」(だったかな?)とか呼ばれているらしいけど、確かに納得。
理屈っぽくて、言葉がすっと頭に入ってこないんだよな。
特にポーのほうは、主人公がなんかサイコパスっぽくて全く共感とかできなかった。でも、その”狂気”の描き方を絶賛するファンが多くいるんですよね。
私にゃ全然わかんないや…。
江戸川乱歩の「パノラマアイランド」のほうが、ストーリーとしてはわかりやすかったかなと思います。
資産家に成り代わりたいって気持ちは理解できるし、それがバレるかもっていう焦りとか。
でも、ラストシーンの”犯人が花火とともに打ち上げられて粉々”って 、中居くんがやった宮部みゆきの小説の映画化「模倣犯」のラストしか思いつかないんですけど…。
あれはまさに、犯人が花火みたいに爆発して体が粉々に砕け散って死んで終わった。
ちなみに小説のラストとは違って映画はかなり不評だったけど。私も、なんだあのふざけたCGは!?と思った記憶ある。
「パノラマアイランド」のヒント?「あなたの番です」児嶋佳世の遺体の隠し場所
でもそうは言っても、これらの小説のあらすじの中に「あなたの番です」のヒントが隠されているかもしれないと思って頑張って最後まで読みました。
「パノラマアイランド」が”なりすましの話”だということは、みんなの口コミ読んで知っていたけど、それ以外にも気になる点がありました。
それは遺体の隠し場所。
主人公は妻を殺して、建設中の柱の中にモルタルと一緒に埋め込んでいるんですね。
しかし髪の毛が少しだけ外にはみ出していたことから、中に遺体を隠してあるとバレてしまいます。
ここを読んだ時に、「あれ?これポーのパクリじゃん!」と思いました。
実はポーの「モルグ街の殺人」以外のストーリーをいくつか読みましたが、ポーの作品の中でも一番人気の「黒猫」というお話では、殺した妻を家の壁の中に埋め込んでいます。
あとは、タイトルは忘れましたが、殺した老人を部屋の床下に埋め込んだという話がありました。
でも、どちらもバレちゃってます。犯人である主人公は完璧に隠したと思っていたのに、なぜだか自ら自白するような形で(壁の丈夫さを自慢したりとか)バレています。
自宅のどこかに埋め込むという手口を、ポーは2回も使っているので(私が読んだ数少ない作品の中で2回も出てきたので、もっとあるかもしれません)相当お気に入りの手口なのでしょうね。
江戸川乱歩はポーを崇拝していましたので、パクリというかリスペクトの意味を込めてあえてこの手口を真似て書いたと考えられるでしょう。
「あなたの番です」ではポーと江戸川乱歩の小説が、両方ともヒントアイテムの小説として登場しています。
その二人の作家が、こんなにも遺体の隠し場所において似ている話を書いているのです。
これって確実にヒントじゃないですかね!?
今まで殺された人物の中で、遺体が見つかっていないのは児嶋佳世ですよね。 足以外の遺体はもしかしたらマンションの住人の犯人の部屋の中に埋め込まれて隠されているのかもしれません!
”なりすまし”をしている人物は?
「あなたの番です」のあらすじが江戸川乱歩の小説を模して進んでいくとなると、 犯人は自分と瓜二つの人間になりすまして、身近な人間、家族までも騙しているということになりますね。
なりすましを行っている人物として考えられる可能性は、
- 翔太
- 菜奈(死んだけど、本当は生きてる?みたいな?)
- 黒島(アザがあって暗い黒島と、怪我してなくて明るい黒島)
あたり?
賃貸じゃなくて分譲の部屋に住んでいる人が怪しい?
児嶋佳世の遺体が部屋のどこかに埋め込まれて隠されているとしたら、 それができるのは賃貸ではなく分譲の部屋に住んでいる人物ですよね?
殺人マンションを怖がって引っ越していった北川澄香に対して
「賃貸だから引っ越しができてずるい!うちは分譲だから簡単には引っ越せない!」
と石崎洋子が騒いでいたこと。
新管理人が鍵を預かっているのは賃貸の部屋だけ。
と、やたらと賃貸と分譲の人を区別する描写が出てきていることもヒントと思えてきますね!
賃貸に住んでいるのはこの6人で
- 201→浮田
- 301→尾野
- 304→二階堂(北川)
- 401→木下
- 404→江藤
- 501→佐野
怪しいとされている尾野や木下あかね、佐野豪なども、犯人リストから外れてくるということになる。
「あなたの番です」最終回予想!犯人しか知らない秘密の暴露で罪がバレて、花火と一緒に打ち上げられてバラバラ?
小説では、最後は犯人にしか知らない秘密の暴露的な言動によってなりすましがバレる。
そして、妻を埋めた柱から髪の毛だけがはみ出していて、遺体の隠し場所もバレる。
追いつめられた主人公が花火自殺する。
これの通りに「あなたの番です」も話が進んでいくとなると、最終回のラストでは花火とともに犯人が打ち上げられる?
このラストを真似するのはかなり難しそうですが、
「これ犯人が最後、花火と一緒に打ち上げられてバラバラになっちゃうんですよ!」
というのが菜奈と翔太の出会いのエピソードのかなり印象的なセリフとして使われていたので、物語の大きな鍵を握ってくると思います。
まとめ
誰が誰にどんな目的を持ってなりすまして、誰を殺しているのかはさっぱり分かりませんが、 遺体の隠し場所に着目して言うならば、犯人は分譲の部屋に住んでいる人間!ということになりますね。
こんな突拍子もない予想、どう思いますか?(^^;