映画「マスカレードホテル」の公式サイトがオープンしましたね!しかし、ずっと木村拓哉、長澤まさみ意外のキャストは発表されていませんでした。
(ついに10月18日に追加キャスト発表されました!)
映画「 マスカレードホテル」追加発表のキャストから配役を原作小説から予想!犯人は誰? 松たか子か菜々緒が怪しい?
映画「マスカレードホテル」のキャストをずっと発表しなかったのはなぜなのか!?
それは、キャストを発表すると犯人がバレてしまう可能性が高いからではないかと思います!
こちらでは、映画「マスカレードホテル」の東野圭吾さんの原作小説のあらすじと犯人のネタバレを超簡単簡潔に図解つきでわかりやすく書いていきます!
「マスカレードホテル」の続編の「マスカレードイブ」についてはこちら↓
目次
「マスカレードホテル」ってどんなお話?
3つの連続殺人事件が発生。4つ目の犯行場所が「ホテルコルテシア」だと判明。
- 新田浩介(木村拓哉)→警視庁捜査一課の有能な刑事。連続殺人事件の潜入捜査でホテルコルテシアのフロントクラークに扮する。
- 山岸尚美(長澤まさみ)→ホテルコルテシアの有能なフロントクラーク。
二人がフロントクラークの新人(新田)と教育係(尚美)という体で、タッグを組む。
- 新田浩介→ホテルに泊まりに来るいろんな怪しげな客に対応しながら、連続殺人事件の犯人を探す。
- 山岸尚美→最初は捜査のためとはいえ、新田がお客様に失礼な態度を取らないかを厳しく見張る。しかし、次第に新田の捜査に協力体制になっていく。
物語は1話完結もののストーリーのように、いつの章で一人の客についての問題が解決していく…という感じで進んでいく。
そのため、続きが気になりすぎて一気読みしてしまった!というような作品ではなかった。逆に、1話完結ものとしてすごいドラマ化しやすそう…という印象だった。
「マスカレードホテル」のタイトルの意味は?
マスカレード=仮面
ホテルに泊まりに来るお客様にはそれぞれの事情がある。
↓
お客様は仮面をかぶっている。
新田→捜査のためにその仮面を剥がしてやりたい。
尚美→お客様のプライバシーを守るため、決して仮面を外してはいけません。
対立する二人の姿を描く。
4つの連続殺人事件とは?
【事件の概要】
- 現場に数字の暗号が残されている。(このことから連続殺人事件だと判断)
- どの事件にも有力な容疑者あり。しかし、事件同士の繋がりが見つけられない。
- 3つの殺人事件はすでに起こっている。4つ目の事件はまだ起こっていない。(この4つ目の事件がホテルコルテシア東京で犯行がなされると断定して、捜査本部が潜入捜査を行っている)
※一応事件の概要を載せておくが、実はここは読み飛ばしてもらってもかまわない。
【第1の事件】
犯行日時→10月4日
被害者→岡部哲晴(会社員)
容疑者?→手嶋正樹(岡部の同僚)
殺害方法→絞殺。後頭部に鈍器で殴られた跡がある。
暗号↓
- 45.761871
- 143.803944
【第2の事件】
犯行日時→10月11日
被害者→野口史子(主婦)
容疑者?→野口史子の夫
殺害方法→扼殺
暗号↓
- 45.648055
- 149.850829
犯行日時→10月18日
被害者→畑中和幸(高校教師)
容疑者→?(後に生徒の逆恨みの犯行と判明)
殺害方法→ジョギング中に全身に鈍器で殴られた跡
暗号↓
- 45.678738
- 157.788585
【第4の事件】
ホテルコルテシア東京で犯行が行われると捜査本部は予想。
被害者、犯人→?
4つの事件に繋がりはなかった!
※小説では当然、
- 伏線、伏線
- 伏線回収、伏線回収
- 犯人判明!(びっくり!)
という順序で描かれているが、ここでは簡潔にあらすじネタバレを説明するため、最初に犯人と犯人の本当の狙いを説明する。
その後で小説に描かれていた伏線と伏線回収を説明していきます。
いきなり重要部分のネタバレをするのでご注意ください!!
警察は早々に有力な容疑者にたどり着いてはいたが、一番のネックは三つの殺人事件につながりを見つけられないでいることだった。
しかし実は、そもそも(これから起きる4つ目の事件も含めて)4つの事件にに繋がりなどなかった!!
4つの事件に共通していたのは、4人の犯人にそれぞれに殺したい相手がいたということだけ。
だけど普通に殺人をすれば、真っ先に自分が疑われてしまうような被害者と容疑者の関係。これでは犯行に及べば、すぐに逮捕されてしまう。
しかし、これを4つの連続殺人事件としたら、怪しい人物が浮かんでも他の事件との共通点が浮かび上がってこない限り、警察は容疑者を逮捕することができない。
それが狙いだった。
この案を提案したのは第4の事件を計画しているX4。
このトリックは踊る大捜査線のムービー2を思い出した。
「警察は縦に繋がっている組織。だけど犯人グループは横につながっていて、主犯がいない。繋がりは犯罪を犯そうと言う根本理念だけで、それぞれがそれぞれに考えて行動する。だから警察は俺達には勝てない」
ってやつ。
(マスカレードホテルの場合は、主犯はx4なので厳密に言うと「踊る」のとはちょっと違うんだけど)
犯人の本当の狙い
さらに後で発覚するのは、x4の本当の目的は4つの事件を一連の殺人事件に見せかけるということでもなかった。
x4には殺したい人間が二人いて、その二つの事件を同一人物の容疑者のものだと警察が捜査してしまえば、x4が犯人だということがすぐにばれてしまう。
そこでx4は、二つの事件を警察が結びつけないようにすることを考えた。
そして二つのうちの片方の殺人を、全く別の他の殺人と結びつけることを思いついたのだ。
警察は四つの事件をセットにして考えていたが、実は最後のひとつの犯行だけは全く別のところで起きた一つの殺人事件とペアになっているということだ。
新田らがまだ未解決の殺人事件を調べてみると、松岡高志という24歳の男性モデルの死亡事件があった。
彼には注射痕があった。
これこそが、x4の犯したもう一つの殺人だった。
「マスカレードホテル」の連続殺人事件の第4の犯人は誰?
犯人:ホテルコルテシアの客の老婆、片桐瑶子
実は片桐瑶子という老婆は存在しない。
本当の名前は長倉麻貴。劇団員で老け役を得意としており、老婆の片桐瑶子の姿は老けメイクで作ったものある。
- 長倉麻貴→下で説明する②の安野絵里子のエピソードで、尚美が1年前に追い返したストーカーの女
- 松岡高志→その時、「絶対に部屋を教えないで。追い返してほしい」と言ったホテルコルテシアの宿泊客。
長倉麻貴は松岡高志の子供を妊娠していた。しかし、松岡高志にとって長倉麻貴はただの遊びだった。
どうしてもお腹の子供の責任をとってもらいたくて、ホテルコルテシアに押しかけて松岡高志と話をしようと思ったが、尚美に追い返された。
あいにくその晩はとても寒く、冷たい地面に座って一晩を明かしたことで、流産してしまった。
長倉麻貴は、自分を妊娠させて捨てた松岡高志と、流産のきっかけを作った山岸尚美を心底憎んだ。
長倉麻貴は薬学部出身で動物病院に勤務していたことがあったため、薬物を注射して殺すのが手口。
- 松岡もその方法で殺した。
- 尚美のことも同じ手口で殺す予定。
↓
女が男を殺すのだから、必ず成功する方法は限られている。
長倉にとっては、注射で殺すのが一番簡単で確実な殺人方法。
しかし、二つの殺人の手口が同じならば、同一犯の犯行→松岡と尚美の接点→長倉が犯人!とバレてしまう。
ふたつの事件を全くの別の事件を思わせたい!
高山佳子を狙う男を新田たちが追っている間に、片桐瑶子がやってきた。
予約をしていたので、尚美は片桐瑶子を待ってフロントに残っていた。
その日は片桐瑶子の夫が泊まりに来るという日で、どうしても先に部屋のチェックをしておきたいと言って、尚美と客室に二人きりに。
そこで、片桐瑶子は本性を現す!!
霊のお祓いのようなものと言って、尚美の両手両足をしばると、そのまま尚美をベッドに突き飛ばし、そこで初めて尚美は片桐瑶子が老婆ではないことに気付く。
そうなんです!片桐遥子は老婆メイクをした長倉麻貴。もっと若い。
だから、キャスト発表して、
「目の見えない老婆役:○○(30代くらいの女優さん)」
とかなったら、
え?いやいや老婆役ってどゆこと!?ワケあり!?え?犯人!?
ってなっちゃうじゃないですか!
だから、キャストをいつまでも発表しなかったのかな~と。
でも、10月18日に追加キャスト発表されましたね!
でも、誰がどの配役なのかまでは発表されていませんでした。
そして、長倉は尚美に動機をすべて話す。
結果、新田が助けに来て尚美は助かった。
新田が部屋に乗り込んだ時、尚美も長倉も洗面室に隠れていたが、新田は一度部屋を出ていったふりをして長倉を油断させたのち、また部屋に入って尚美を救出、長倉を逮捕した。
「(隠れていたのに)どうしてわかったのか?」と尚美が聞くと、
「ベッドの乱れに気付かないわけありません」とホテルマンとして成長した答え。
そして、
「最初に部屋に入った時に、あなたの匂いに気付いた。だって、俺たちはずっと一緒にいたじゃないですか」
と、二人の関係がとても近づいていたことを感じさせるようなセリフ。かっこよく助けてくれた後に、こんなセリフ、キュンとしちゃうじゃないの。
ホテルコルテシアに宿泊する全ての客が結末への伏線になっている!その中に犯人が…!?
最初に1話完結ものみたいなストーリーと言ったが、
「1話完結ストーリーなら、1話くらいなら見逃してもついていけるよね~」
みたいな油断した気持ちで見ていたらダメ!
一つ一つの小さい事件を解決して、最後にドーンと大きな事件!っていうよくあるドラマとも違って、最初から出てくる客は全部最後の結末に繋がってくる客ばかりだから!
さすが東野圭吾作品!
ほぼ全ての客が伏線となっているので、最後にすべて繋がってきて「おぉ~っ!」ってなるのだ。
そこで、伏線となっていた重要な客を挙げておこう。
①視覚障害者の老婆の客、片桐瑶子
視覚障害者の老婆の客。
新田は片桐瑶子が手袋をつけていることに違和感を覚え、怪しいと睨む。視覚障害者は聴覚や触覚で物事を判断するため、手袋をあまり使わない人が多いからだ。
新田は彼女は本当は目が見えていると疑う。
しかし尚美はお客様を疑いたくない。
片桐瑶子は、「自分は霊感があって、案内された部屋には幽霊がいるから部屋を変えてほしい」と妙な注文をつけてくる。その他にも色々と疑惑な点があって、尚美も片桐瑶子は本当は目が見えているのではないか…?と確信を持つようになる。
そして片桐瑶子のチェックアウトの際、片桐瑶子は尚美に実は目が見えている事を告白。
その理由は、片桐瑶子の夫が視覚障害者で霊感を持っている人物。今度夫がこのホテルに宿泊する予定があるので、サービスや応対を先に確かめておきたいと思ったからだった。
手袋については、「手にあざがあるのでそれを隠していた」と打ち明けた。
- 片桐瑶子は手袋をしていた
- 霊感があるという設定
↓
尚美が部屋で殺されていれば、片桐遥子が犯人だとすぐにバレるが、実在しない人物なので追うことができない。
唯一の手掛かりとなる指紋は、手袋をしていたので残っていない。
霊感設定で、尚美に怪しまれることなく手足を縛ることができた。
②ストーカーに追われている客、安野絵里子
「この男に私に近づけないで」と一枚の写真を見せてきた女性客。
どうやらストーカーに追われているらしい。
そしてその男がやってきた。その男は宿泊の予約を入れていたため、追い払うことはできない。
そのため尚美は、なるべく安野絵里子の部屋から遠い部屋を選んでチェックインの手続きを済ませた。
そして念のため安野絵里子そのことを伝えると、警戒して部屋番号を聞いてきたので教えた。
ストーカー男への対応を終えて、尚美は1年前に起きた似たような体験を新田に話している。
一人の女性がやってきて、ある男性客の部屋番号を知りたいと言った。
彼女はその男性客と遠距離恋愛をしていて、サプライズで会いに来たという話だった。
しかし尚美は直感的に彼女が男性客のストーカーなのでは?と考え、男性客に連絡を取った。男性客は「絶対に部屋番号を教えないで欲しい。追い返して欲しい」と尚美に頼んだ。
そこで尚美は「そのお客様はお泊りではありません」と答えたが、女性は「そんなはずはない!宿泊予約を入れたことはわかっている!」と言い張る。
さらに尚美は「一旦予約は受け付けていますが、直前になってキャンセルされたようです」と嘘をつく。
しかし女性は諦めず、「絶対に来るはずだから、私もこのホテルに宿泊予約を入れて欲しい」と言い出した。
宿泊客となってしまえばホテル内を自由に探し回れてしまう。尚美は先に宿泊されているお客様の安全を第一に優先し、彼女には「部屋が満室だ」と嘘をついて断った。
しかし、今回は実は安野絵里子がストーカーに狙われているのではなく、安野絵里子がこの男の居場所を突き止めようとしていたのだ。
実は男は安野絵里子の夫で、浮気を繰り返していた。その現場をおさえるために、安野絵里子はここに宿泊して待ち伏せをしていたのだ。
結果、特に事件にはならず浮気現場を見て夫に見切りをつけ、安野絵里子は夫に離婚届を渡して終息した。
- 尚美の話した1年前のエピソード
↓
③新田浩介に恨みがありそうな客、栗原健治
なぜか新田にやたら憎しみの目を向けてくる客。色々とケチをつけて、無理難題を言ってくる。
新田を部屋に呼び出し、「パソコンを壊された」といちゃもんをつけ、そのお詫びに「英語の参考書の例文を一つ残らず、一晩で代わりのパソコンに打ち込め」と命令してくる。
栗原は教師なのだという。
そして「誰かに手伝ってもらってはいけない。この部屋でやらなければいけない。一人でやらなければいけない」と命令をして、栗原健治は外出。
新田が他の部屋に入っていないことを監視するため、栗原健治は定期的に「新田の携帯に電話をかけるので、ホテルの部屋の電話からかけ直せ」と命じた。
実は栗原健治は新田の高校時代の英語の教育実習生だった。
新田はアメリカに住んでいたことがあり、発音がとてもよく、友達がふざけて新田に流暢な英語を読ませ、栗原健治をバカにした事があった。そのことを恨みに思っていたのだ。
栗原健二はそのことで教育実習を途中ですっぽかし、教育実習をやったと言う実績が残らなかったため教員の夢は絶たれた。その後も仕事が長続きせずに苦労していて、それを全て新田のせいだと思っていたらしい。
しかし、新田は栗原は本当は頭のいい人間だったと考える。
なぜなら、栗原が新田がサボっていないかを確認する電話の方法がよく考えられていたから。
新田が部屋から出ていないかを確認したいのなら、栗原健治が直接ホテルの部屋の電話に電話をすればいいと思うのだが、実は栗原健治はチェックアウトの際に明細書に電話の発信履歴が印字されることで、新田がずっとその部屋にいたのかどうかを確認することを思いついたのだ。
栗原が部屋に電話をしたのでは記録が残らない。新田が本当は別の部屋にいて、交換手を使ってつないでもらうということができるからだ。
- ホテルの交換手が別のところに電話をつないでも、かけた人間にはそれがわからない
こちらは伏線と言っても、結末まで待たずに同じ章で第1の事件の謎を解く鍵となり、解決している。
第1の事件のアリバイトリックを解くカギとなった!
【第1の事件】
- 被害者:岡部哲晴→会社の金を横領していた
- 容疑者: 手嶋正樹→岡部と同じ会社で横領の共犯と見られる。
しかし、手嶋にはアリバイがあった。
- アリバイ→手嶋は、犯行時刻に元カノの本多千鶴から自宅の固定電話に電話を受けている。
- 裏どり→千鶴とその時一緒にいた友人・井上浩代が、その通りだと証言。
【事件の真相】
- 手嶋と井上浩代が共犯。(浩代は一時期派遣社員として手嶋と岡部と同じ会社にいたという繋がりあり)
- 千鶴が手嶋に未練があることを知っていた浩代は、手嶋のアリバイ作りに利用できると画策し、計画的に犯行時刻に千鶴と一緒にいて、手嶋に電話をするようにそそのかした。
【アリバイトリック】
- 千鶴の部屋に遊びに来ていた浩代は、千鶴が席を外した隙に千鶴の携帯の手嶋の登録番号を書き換える。
- 浩代は、千鶴に「手嶋に電話をしてみなよ」とそそのかす。
- 千鶴は携帯から手嶋の名前を検索し電話をかける(千鶴は手嶋の自宅に電話がかかっていると信じ込んでいるが、実は違う場所にかかっているとは気づかない。普通は登録されている名前しか見ないから番号が違ってもまずバレない)
- 千鶴がまた席を外した隙に、浩代は手嶋の番号を元に書き換え直し、さらに千鶴の携帯から本物の手嶋の自宅に電話をかける(これで警察の裏取り捜査でも、その時間に千鶴の携帯から手嶋の自宅に電話が発信されていたという記録が確認される)
つまり、栗原が警戒した電話のトリックと同じ!
④高山佳子のストーカー?
高山佳子はホテルコルテシアのブライダル部門の客で、結婚式を控えている。
高山佳子のストーカーと思われる男の存在が浮かび上がる。
捜査本部の見解。
- 第4の事件の犯人?→ストーカーの男
- 第4の被害者として狙われている?→高山佳子
第4の殺人が行われると思われる日=高山佳子の結婚式当日。
捜査本部もピリピリ。
その時、不審な男が入ってくる。
そして、女性客を追うような仕草を見せる。
しかし、実はこれは単なる逢引きだった。
不審な男はテレビでよく顔を見かける有名な政治評論家だった。若い女性とホテルで密会するために、変装をして不審な動きをしていたのだ。
不倫相手の女性がホテルに宿泊予約をし部屋に入り、後から相手の男が部屋に入り密会をするというのは実はよくある手口で、もっと複雑なケースの体験談を尚美は語る。
- 男性だけの旅行を装い男性だけでチェックインをする。( 有名人とそのお供の者という感じで)
- それとは全く別に女性が一人でチェックインする。
- 夜になるとその女性は有名人の部屋に行く。
- お供の者は協力者。
泊まっているグループのうちの一人だけが、実は別の誰かとカップルだった。
→あるグループの中の一つと、全く別のところにある一つが実はペア。
↓
高山佳子のストーカーはダミーだった!
第4の事件が起きるとされる日の前に、ブライダルの客・高山佳子がストーカーに狙われているという情報が入る。
郵便物を盗まれたり、毒入りと思われるワインが送られてきたり。
そして、結婚式当日、警察の厳戒態勢の中、怪しい男が現れる!
しかし、この男はただX4に雇われただけの男だった。
つまり、このストーカーがx4だったわけではなく、高山佳子が第4の事件の被害者でもなく、この事件は警察の注意を引き付けるためのダミーだったのだ!
4つの事件の犯人
全てが解決してみれば、4つの事件はとても単純なものだった。
第1の事件→被害者の同僚。(一緒に横領していた金目当て、罪をなすりつけるため)
第2の事件→被害者の夫 (保険金目当て)
第3の事件→被害者の生徒(だったと思う。ちょっと忘れました。確か、怒られたことへの逆恨みだったような)
一つ一つの殺人で考えれば簡単に解決できたはずなのに、連続殺人事件としてセットになっていたから、こんなにてこずった。
そう考えてみると、長倉と尚美の接点が一番わかりにくかったように思える。
松岡と尚美を殺して、警察が自分にたどり着いてしまうかもしれないと警戒しすぎた長倉は頭が良すぎたのだ。
数字の暗号の意味
普通のミステリーなら、数字の暗号の意味を解いて、犯人がわかった!スッキリ~!って展開なんだろうけど、実は数字の暗号の意味はこの物語ではあまり大きな意味を持っていなかったという。
そうゆうところも、してやられたわ~。
一応、暗号の意味を解説しておく。
数字が経度と緯度ではないか?
という説は前から出ていたが、いざ調べてみるとめちゃくちゃな場所を指すのでそれは違うということになった。
しかし新田は思いつく!
実は経度と緯度という説はいい線いっていて、そこに日付を組み合わせたものがこの数字の意味となっていたのだ!
これを思いついたのはホテルの部屋番号。
例えば3810号室というのは38階の10番目の部屋という二つの意味を持つ数字が組み合わさってできている。
そこから経度と緯度+犯行の日付というふたつの意味から暗号ができていることに気付いた。
これに気づけたのも新田がホテルマンとしてしばらく真面目に働いた賜物だろう。
最後に新田浩介(木村拓哉)と山岸尚美(長澤まさみ)のラブがある!
原作の小説の最後のシーンでは、今回の捜査協力と犯人を逮捕した新田にお礼をしたいとホテルの支店長が言い出し、ホテル側から新田と能勢刑事(新田の相棒として動いてくれた所轄刑事)を誘って会食が行われた。
しかし総支配人は「自分がいると新田と能勢が気詰まりであろう」と出席を辞退した。
そのことを知った途端、能勢が突然そわそわし始め、携帯を取り出し「大変だ!娘が家に彼氏を連れて来るらしい!帰らないと!」と言って帰ってしまった。
能勢は気を使って新田と尚美を二人きりにしてくれたのだ。
そして二人がワインのグラスを合わせたところで終わりとなっているため、二人がいい感じ?と思わせるような終わり方であった。
少なくとも能勢はそう感じていたから、二人っきりにさせてあげたんだよね。
尚美は”美人”で、新田の”精悍な顔つき”という描写をわざわざ何度もしていたし、新田が尚美を助けたシーンでも「ずっと一緒にいたからあなたの匂いがわかる」とか、なんかエロいこと言ってたし。
だから、たぶん映画でも最後にほんのり二人がいい感じなのかな~?って感じで終わると思います!
でもはっきりとした描写はきっとしないでしょうね。
小説「マスカレードホテル」を読んだ感想と考察
伏線がいっぱい散りばめられていて全部回収されてすっきり!
とか
最初は数字の暗号の謎を解くのが鍵だと思わせておいて、実は四つの事件について深く考える必要はなかった、別の事件とセットだった!というところがミソっていうのが斬新!
とかそういう当たり前の感想ももちろん持ったんだけど、私の中ですごく引っかかったのが山岸尚美と言う女性のキャラクターについて。
尚美はホテルの上司からも絶大なる信頼を得ているし、新田も最初はぶつかっていたが最終的には尚美のことを好きになっていたような感じだった。
つまり尚美は誰からも好かれる、美人で超有能な人間という描写。
だけど私はどうしても尚美のことが最後まで好きになれなかった。これ妬みじゃないんですよ?
だってさ、尚美は捜査のことにものすごいしゃしゃり出てきて、「今どうなってるんですか?教えてください!教えてください!」ってものすごくしつこかった。
新田が「捜査状況を一般の人に公開することはできない」と何度言っても「教えてください!教えてください!」って。
新田が立場的に困るっていうことわからないのかね!?とイライラしてしまった。
尚美は「新田さんの力になりたい」みたいなこと言ってたけど、結局「誰かの役に立つ自分」が好きなだけなんじゃん?とか思ったり…。
そして私以外にも尚美のことが大嫌いな女がいたわけで。
尚美は長倉麻貴からは殺したいほどに憎まれていた。
これって誰からも好かれる超優秀な人間っていう描写から、ものすごい矛盾だと思うんですよね。
つまり、人間なんて誰かにとってはすごくいい人でも、反対側から見たらすごく嫌な人になりうるってこと。
尚美が自分のホテルの客だからと松岡のことを守ったのは松岡にとっては「とても頼もしいホテルの人」だったかもしれないけど、そのせいで子供を流産してしまった長倉からしたら「なんて非常な女!!」て思うわけです。
尚美のことをべた褒めしているのは
- ホテルの上司
- 新田浩介
- 能勢刑事(新田の相棒)
とみんな男。
そして原作者の東野圭吾さんも男。
尚美のことが嫌いな私と長倉は女。
結局美人で優秀で男に人気のある女は、女には嫌われるって言う事なのかな?
男から見たら人気だけど女からは嫌われるって言うのは実際よくあることで、どっちから見るかによってその人の印象なんていくらでも変わっちゃう。
でも東野圭吾さんは多分この違和感を狙って書いてるんじゃないかなと思った。
警察が第4の事件の容疑者を逮捕するために、ホテルにおびき寄せて犯行ぎりぎりまで泳がすという作戦に出た時に、尚美は「この事件の概要を公表してするべき!そうすれば犯人は犯行を断念するだろう」と言った。
でもこのホテルでの犯行を断念したとしても、殺意を持った人間をそのまま野放しにしていれば、また別のところで事件が起こるかもしれない。
尚美が言っているのは「うちのホテルで事件が起こらなければ、あとは知ったこっちゃない」と言っているのと同じだ、と。
だから結局尚美は、ホテルの人間にとってはすごくいい人だけど、それ以外の人にはとてつもなく冷たい発言をしているのだ。
また、そのシーンで尚美が「事件の概要を公開すべきだ」と主張し、「警察の方針に従ってください」と新田と意見が対立し、結局警察全体の方針を尚美一人の気持ちで台無しにするわけにもいかず新田に従ったのだが、この時のシーンが予告動画にあった。
尚美「もしお客様に何かあれば私は辞めます」
新田「俺も刑事を辞めます」
って二人で覚悟を決めるシーン。
だけど、実は最終的には支店長たちもこの事件の概要を知っていた上で公表しなかったということを事件解決に知らされるのである。
つまり尚美は、自分一人だけが秘密を知っていてすべてをの責任を私が背負っている!私が何とかしなきゃ!と思っていた超勘違いヤローだったっていうこと!
けっこうちょいちょい東野圭吾さんも、尚美のことをディスっているようにも読み取れる。
「自分はすごく有能で頑張っている!」と思っていても、思わぬところから反感を買っていたりする。
そういった違和感を結末ではっきりと明記せずに、ストーリーの中からじわじわと読書に読み取らせていたのが、東野圭吾さんの狙いでやっていたとしたら、本当に作家としてやるな!!Σ( ̄ロ ̄lll)と思った。
東野圭吾「マスカレード」シリーズの小説とオススメの読む順番
時系列としては
- マスカレード・イブ
- マスカレード・ホテル
- マスカレード・ナイト
なのですが、
オススメの読む順番としては、発売順がいいのかな~と思います。
- マスカレード・ホテル
- マスカレード・イブ
- マスカレード・ナイト
基本的に、マスカレード・イブはマスカレード・ホテルの伏線回収っていうか、補足エピソードみたいな感じなので、マスカレード・ホテルを先に読んでいたほうが、「あ~、これがあの時のあれね!」みたいに楽しめます。
マスカレード・ナイトは時系列としても一番最後だし、マスカレード・ホテルのときのことを思い出したりする描写が多いので、絶対に最後に読むべきです!