ブラックペアン一話二話と二宮和也さん演じる渡海が意味深に眺めているレントゲン写真。
人の体の中にペアンが写り込んでいるのと、そのレントゲン写真を撮った医師の名前が「渡海一郎」(流れからして渡海の父親)であることから、何か父親についての因縁がありそうで気になりますね。
こちらでは原作である小説「ブラックペン」の渡海の父親についてのネタバレを書いていきます。
小説のネタバレではありますが、わかりやすくドラマ版を演じている俳優さんの名前も一緒に書いていきます。
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目次
17年前に起こった佐伯教授(内野聖陽)と渡海の父親の確執
渡海一郎は極北大学出身で母校で内科助手をしていた。
渡海が極北大学医学部に入学する直前に、業績が認められ東城大学医学部の内科に講師として招かれた。今の高階講師(小泉孝太郎)と同じような立場だ。
IVHは渡海一郎が確立した技術だった。一郎はIVHを東城大学に導入しようとした。IVHは今でこそ一般的な治療として使われているが、当時はそう簡単には受け入れてもらえず、一郎は目をつけられた。そんな逆風の中、IIVHの価値を認めて積極的に使い始めたのが佐伯教授だった。(当時は助教授)
IVHとは、口から食べ物を食べられなくなった患者に、中心静脈という太い血液に直接針を刺して点滴で栄養を直接血液に入れること。
しかしここ最近、IVHを積極的に使い始めたのは、高階講師。今まで佐伯教授でIVHは全然使われてこなかった。佐伯教授が気に入って導入を取り入れたはずなのに、なぜ佐伯教授はIVHを排除したのか…。
それが、佐伯教授と渡海一郎が仲違いしたという何よりの証拠だった。
佐伯教授と渡海の父親は、最初は良好な信頼関係で結ばれていた
当時、一郎と佐伯教授は良好な協力関係だった。
ふたりはどれほどの信頼関係で結ばれていたかと言うと、佐伯教授が海外での国際学会の発表に行った時に、留守中の患者のフォローを自分の外科の教室員ではなく、科が違う一郎に頼んで行くくらいまでだった。
四面楚歌状態だった一郎が勧めるIVHを佐伯教授が認めて導入を進めてくれたのだから、仲が良くなるのは当然である。
渡海の父親が見つけてしまった佐伯教授の医療ミス
佐伯教授がスペインに出発した後、渡海が申し送りされていなかった患者が緊急で外来受診した。
クローン病で直腸穿孔になり、直腸切除の術後患者だった。
渡海は、レントゲンを撮り驚いた。
そこにはくっきりと患者の腹部に、ペアンが写っていたからだ。
手術をしたのは佐伯教授。
手術中に止血に使っていたペアンを外すのを忘れてそのまま閉腹してしまったということになる。
これは紛れもない佐伯教授の医療ミスだった。
医療ミスの隠蔽
当然すぐに再手術をして、お腹の中からペアンを取り出さなければならない。
一郎は佐伯教授の上司である大林教授に直訴した。
そこでさらに驚くこととなる。
大林教授はその患者の腹部にペアンが置き忘れられているという事実を知っていて、その上で隠蔽をし続けていたのだ。
渡海の父は、大林教授に直訴し続け、とうとう大林教授は再手術をするために佐伯教授に連絡を取ることにした。
この小説の舞台は1988年。
まだ国際電話も普及していない頃である。
そこで電報を打つことにした。
すると返ってきた返事は、
「イイヌマシノペアン テキシュツオコナウベカラズ」
飯沼氏のペアン、摘出行うべからず
大林教授は論文で成り上がったタイプで、手術は下手だった。実際のオペは佐伯教授に頼りきりで、部下とはいえども佐伯教授の指示は絶対だった。
そのため今度は大林教授は一郎の上司に直談判で文句を言った。
違う科に口出しをするのは、当時も今でも非常識な行動とみなされてしまったのだろう。
そうなると大学病院の怖いところ。自己保身のためにあっという間に一郎は県外にある関連病院に飛ばされてしまった。
正しいことをしようとした人間が、損をする。
友だと思っていた人間に裏切られた。
患者の安全よりも、自分の保身。
医療ドラマでよくあるテーマだが、これは許せない。
父親がこんな目にあったら、息子である渡海が佐伯教授を恨んでいても当然である。
佐伯教授(内野聖陽)は渡海(二宮和也)に罪滅ぼし中?渡海は復讐のチャンスを狙っている?
ここからはドラマを楽しめるように、ちょっとネタバレを隠して書いています。
ネタバレを最後まで知りたい方は、こちらの記事を読んでみて下さい。↓
「ブラックペアン」タイトルの意味は?原作小説ネタバレによる最終回予想!
渡海は佐伯教授の一番弟子のような存在で特別扱いされているようにみんなからは見られている。
しかし佐伯教授は渡海の父親へのこういった裏切り行為があったため、今でも渡海に対して頭が上がらないのかもしれない。
そして渡海は、スナイプ導入に賛成ではないため一見佐伯派の人間に見えるが、父親を裏切り左遷した佐伯教授を許してはいないはず。
一番近くにいながら佐伯教授を潰すチャンスを狙っているのかもしれない。
そんな渡海の気持ちを佐伯教授も察しているだろうから、佐伯教授も渡海に対して警戒はしているはず。
ドラマの1話で、 スナイプ手術を絶対だと豪語する高階(小泉孝太郎)にスナイプを使った手術の許可を出し、途中で危険を悟った渡海(二宮和也)が止めに入ったにもかかわらず、スナイプでの手術続行の指示を出した佐伯教授。
最終的には渡海が気づいていた通り、スナイプによる心臓手術は成功したものの、それによって血流が一気に良くなり、他の所に患っていた動脈瘤が破裂してしまうと言う失敗を犯し患者の命が危険にさらされました。
渡海が手術にヘルプに入り患者が助かったから良かったようなものの、もし間に合わずに患者が死んでいたら…。
それはそれでスナイプ導入の話がなくなるのは決定的だし、佐伯教授にとっては好都合。患者のことなんて何も考えてなく、自分の地位を守ることが第一優先。
さらに渡海が手術で患者を助けられなかった可能性もあったわけで、渡海のことも守る気ゼロだったということになりますよね。
だから渡海も、
「すべてをわかっていて、手術をさせたんですか!?」
と佐伯教授に怒っていましたよね?
何より最初から渡海に信頼を置いていれば、渡海がスナイプ手術を止めに入った時にその意見を採用していたはず。
こんなところから佐伯教授が渡海に対して信頼感を持っていないし、あわよくば病院を追い出してもいいと思っているんじゃないかなということが伝わってきます。
今のところドラマのテーマは
スナイプ VS 佐伯式
ということになっていますが、最終的には
渡海VS佐伯教授
という構図になってくるのではないかなと思っています!