木村のピンチに、残るメンバーの考えた作戦とは・・・!?
吾郎ちゃん大活躍!!
これはSMAPの解散騒動の裏側を妄想して書いたフィクション小説です。
見失わないで ひとりぼっちでも
君は独りじゃない
出典:SMAP「手を繋ごう」作詞作曲:前山田健一
吾郎サイドストーリー
さきほどのギャグみたいな展開からは思いもよらないほど、シリアスな空気の中に僕はいる。
木村くんと中居くんがなぜ楽屋で抱き合って(?)いたのか。
その現場を偶然目撃してしまった僕に、観念して二人は全てを話してくれた。
そんなヤバイことになっていたなんて・・・。
「二人ってデキてるの!?」「んなわけねーだろ!バーカ!」なんて笑えるオチならどんなによかったか・・・。
重苦しい空気。
黙り込んだ僕らのアニキたちが、「もうどうすることもできないのだ」と無言で語りかけてくる。
こんな二人の姿を、今まで長年一緒にいて見たことがなかった。
今こそ、僕がしっかりしないといけないんじゃないか?
翌日。
ドキドキドキ・・・・。
どうしよう・・・すんごい緊張するんですけど・・・。
でも、この中で一番僕がお兄さんなんだから、しっかりしなきゃ!
今朝、家を出るときにヒロくんが
「ゴロチの思うようにやってきたらいいよ」
と僕の背中を押してくれた。
僕に力を貸して・・・!!(><)
争いの無い世界はきっと かなわない夢としても僕ら
哀しみを減らすことは 少しくらい出来るはず
出典:SMAP「手を繋ごう」作詞作曲:前山田健一
僕は剛と慎吾を連れて、上に話をしに行った。
そしてその帰り道、3人で話し合い気持ちを一つにし、中居くんを呼び出す。
「なんだよ?話って」
中居くんが僕たちを呼び出し話をすることはあっても、僕たちが中居くんを呼び出すことなんて今までにほとんどなかったことだ。
中居くんは怪訝そうに僕たちを見る。
「この間の話、剛と慎吾にも話させてもらったよ。それで僕たち、話し合って決めたんだ。木村くんを救い出す!」
中居くんは、驚きの表情を浮かべる。
「木村を救う?・・・どうやって?」
そこで、僕は先ほど上から出された条件を話し始める。
「さっき、上に掛け合ってきたんだ。木村くんを助けて欲しい、見捨てないで欲しいって。木村くんのイメージを上げるように動いてほしいって」
「えぇっ!?お前ら3人だけで!?何勝手なことしてんだよ!?」
「勝手なことするのは、中居くんと木村くんがいつもやってることでしょ?僕らに相談もなしに、いつも二人だけでカッコイイとこ持ってっちゃうんだから」
「カッコイイとかじゃねーだろ!俺に相談もしないで上に話をつけにいくなんて危ないだろ!?変なこと言われなかったか!?」
「それがね、上はこんな条件を出してきたんだ。世間では、木村くんが事務所と結託して僕たちを裏切ったって話になってるんだよね?だったらね、今度は僕たちがそれを恨みに思って木村くんをイジメだしたってことにするんだって。そうしたら、だんだんと木村くん擁護の風が吹き始めるんじゃないかって。事務所は、予想外に僕たちに「可愛そう」ってイメージがついて世間が味方についていることが気に入らないんだと思う。だから、この作戦は僕たちのイメージを落とすことと同じで、上の本当の目的はそっちかもしれない。でも、ここは一つ上の言いなりになってみるのもいいと思うんだ。それによって木村くんのイメージ回復の可能性が出てくることは確かだと思うんだ」
中居くんはしばらく考えた後、静かに言った。
「そうか、その手があったか。わかった。だったら、木村をいじめる役は俺一人でやる」
「またぁ~。中居くんはいつもそうだよ。一人で背負い込まないで。僕たちも一緒にやるよ」
「ダメだ。木村が捨て身で俺たちを守ってくれたのに、お前たちがまたバッシングを受けるようなことになったら、俺は木村に会わせる顔がねぇっ!」
泣きたいはずでも 涙が出ないんだ
「大人」って名前のマスクが邪魔する
出典:SMAP「手を繋ごう」作詞作曲:前山田健一
中居サイドストーリー
吾郎たちのその提案には驚いた。
まさかコイツらがそんなことを言い出すなんて。
「木村を救い出す」。
それが叶うなら、確かにやってみたい。
でも、吾郎たちを巻き込むわけにはいなかい。
「中居くん、僕たちだってSMAPの一員なんだよ。いつまでも、守られているだけの子供じゃない」
いつになく力強い吾郎の声に、俺は驚いて3人のほうを見る。
吾郎の潤んだ真っ直ぐな瞳が、突き刺すように俺を見ていた。
剛が、穏やかな目をしてにこやかに頷いている。
慎吾が、大きな口を真一文字に結んで大きく頷く。
手を繋ごう
痛みさえ分け合える確かな絆
出典:SMAP「手を繋ごう」作詞作曲:前山田健一
そうか、気づけば可愛かったうちの末っ子ももう40のオッサンじゃんか。
いつまでも子供だと思っていたのに。
こいつら、いつの間にかこんなに大きくなってたんだ?
いつの間にこんなに頼もしくなっていたんだ?
俺は木村を失って、たった一人でSMAPを背負っていかなければならないことに絶望していた。
もう泣くことは許されない。
俺は自分が唯一の”大人”のような気がして、こいつらに絶対に弱いところを見せまいとしていた。
でも、違ったんだ。
俺たちは全員、同じようにSMAPを守りたいと強く思っている。
親が子供を守るような関係ではなく、みんながみんな対等で、弱ったやつを代わる代わる守り合って救い合ってここまで来たんだ。
「・・・よっしゃ!みんなで木村を救い出すぞ!!」
3人の表情がパッと明るくなる。
「そうこなくっちゃ!それでね、実は上は少し嫌な条件を出してきていて・・・」
吾郎が遠慮がちに言う。
「慎吾が木村くんにすごく憧れていることは、ファンにも有名な話だよね。だからこそ、今回の裏切りをどうしても許せないって慎吾が深く傷ついて、木村くんを一番拒絶してるってことにしろって言うんだよ・・・」
またか。
まだ上は下3人を切り捨てるという作戦を狙っているのか。
そして、このイジメ構造の首謀者に俺を置かないことで、あわよくば俺の好感度は下げずにおいて俺の生み出す金を無心する気なのだ。
そんな辛いことを、うちの末っ子にやらせるわけにはいかない。
「僕、やるよ・・・!」
えっ・・・!?
「慎吾、だってお前。木村のことを一番恨んでいるって世間から思われるんだぞ?そんなの辛すぎるだろ?お前に対する世間の風当たりも、一番強くなるんだぞ?お前だけがそんな辛い役回り、引き受けることない」
「ううん、やるよ。僕は木村くんのことが大好きだから、だからこそやる!僕が木村くんを救い出す一番の存在になれるなんて、こんな光栄なことはないよ!」
慎吾の目には涙が浮かんでいる。
辛くないはずがない。
それでも木村を救いたい。
それだけの覚悟を持っているのだ。
「ごめん、慎吾。今度ばかりは、お前の力が必要だ。辛いと思うが、やってくれるか。ごめん、本当にごめん・・・」
「中居くん、28年間も一緒にいて、初めて僕を頼ってくれたね?」
うちの大きな末っ子が、ニカっとでかい口を開ける。
慎吾が手を出した。
その上に剛が手を重ねる。
その上に吾郎も。
慎吾「ほら!早く!」
慎吾がニヤニヤしながら、俺を促す。
俺は、一番上に手を重ねた。
「よし、一緒に木村を救い出そう・・・!」
手を繋ごう 痛みさえ分け合える確かな絆
「キレイゴト」「偽善」としか思えなくても
手を繋ごう 僕の手と君の手が作る未来を
信じよう
出典:SMAP「手を繋ごう」作詞作曲:前山田健一
この回のもととなった本当にあったエピソードはコチラ!↓
【本当にあったエピソード7話】吾郎ちゃんにかっこいいセリフを言わせてみた&木村不信感の筆頭に慎吾が選ばれてしまった理由とは?
直接関係はないエピソードだけど、7話の原案となったSMAPメンバーの絆の強さや、下のメンバーが中居さんを思いやる行動を見せたエピソードなどを語っています↓
【本当にあったエピソード7話おまけ】27時間テレビ 中居不調のノンストップライブで見せたSMAPというチームの絆!!
曲解説↓
SMAP「手を繋ごう」全て一人で背負い込んでしまう中居の苦悩と、そんな中居に手を差し伸べる下メンバーのメッセージソング!