華麗なる逆襲~彼らの真実~スピンオフ香取慎吾の引退後の物語3「ハロー」

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香取慎吾の家族の物語、ついに完結!

慎吾を迎えに来た中居と木村。

SMAPをとるか家族をとるか、慎吾の出した答えとは?

 

 

こちらは、SMAP引退の裏側を妄想して書いた小説です。

登場人物の名前や言動はフィクションになります。




 

 

華麗なる逆襲~彼らの真実~スピンオフ香取慎吾の引退後の物語2「Simple」

華麗なる逆襲~彼らの真実~スピンオフ香取慎吾の引退後の物語「GO NOW!」3

ひろ子「空、今日頑張ってね!緊張しないでいつも通りね」

空「わかってるよ!もう一回言うけどさ、絶対見に来ちゃだめだからね!」

 

 

空の作文が、区のコンクールに入賞した。

今日はその発表会だ。

絶対に見に来てはいけないと釘を刺されているが、俺とひろ子は変装してこっそりと見に行くことを計画していた。

空の番は午後一なため、ひろ子は午前中だけ仕事に出て、俺とは現地集合する。

 

 

ひろ子が出かけた後、インターホンが鳴った。

またつよぽんが急に来たのかな?

今日はめずらしく出かける用事があるのに。

だから、事前に連絡してって言ったのに。

 

 

俺はモニターを覗く。

そこにあった人物の顔を見て、俺は特に驚くこともなく解錠する。

突然の訪問に、どうしてこんなにも冷静なのか。

きっとそれは、彼らがいつか来ることを俺は信じていたから。

そして、心のどこかでその日を毎日待ちわびていたから。

 

 

ドアを開けると、そこには俺の一番好きな光景があった。

この二人が並んだ時のオーラはすごい。

俺はいつも、一ファンになったみたいに、息を飲んで固まってしまう。

俺を・・・いやこの国の全ての人を魅了する最強の2トップ、俺の自慢の二人の兄貴。

 

 

中居・木村「慎吾、お前を迎えに来た」

 

中居が慎吾に「必ず迎えに行く」と約束したお話はコチラ↓

華麗なる逆襲~彼らの真実~14「笑顔のゲンキ」失われた笑顔

 

空の発表会の会場に着いたのはギリギリになってしまった。

中居くんと木村くんは

「準備ができた。SMAPに戻ってこい!」

と俺を説得した。

俺の心はもう決まっていた。





俺が、会場の一番後ろの席で立ち見をするひろ子の姿を見つけたとき、ちょうど空の作文の発表が始まった。

テーマは「家族」。

 

 

「僕のお母さんは、シングルマザーです。だから、僕には「お父さん」がいません。だけど、僕が小さい頃から、僕を可愛がってくれるお母さんのお友達がいます。

 

僕は、そのオジサンと大の仲良しです。実は僕は、オジサンは僕の「本当のお父さん」なんじゃないかと思っています。

証拠はありません。子供の勘なのか、それともただの僕の希望なのかもしれません。

 

もし僕の予想が当たっているとしたら、オジサンはどうして嘘をつくのでしょうか?よくわからないけど、たぶんそれは僕のためなんだと思います。だって、オジサンが僕を大切に思ってくれているのは、僕への接し方を見ていればちゃんと感じるから。

だから僕は、オジサンの「嘘」を「愛」と呼ぶのです。

 

 

オジサンはとても忙しい人ですが、できる限りの時間を僕とお母さんにくれました。そして、本当に大事な時には、必ず会いに来てくれました。そして、いつも大きな手で僕の手を握ってくれました。

小さい頃、僕が高熱を出しけっこう本気で危なかったとき、オジサンは一晩中手を握っていてくれました。次の日大切な仕事が入っていたけど、朝まで寝ないで手を握っていてくれました。

僕の誕生日にどうしてもお母さんが仕事を休めなかったとき、オジサンはその日すごく遠くでお仕事だったのに、夜中にケーキを持って駆け付けてくれました。僕はもう寝ていてちょっと迷惑だったけど、無理矢理僕を起こして大きなその手で僕の頭をわしゃわしゃして「誕生日、おめでとう!」と言ってくれました。だから僕は、あの年の誕生日、たった一人でその日が終わる寂しさを味わわずにすみました。

僕がクラスのイジメに意見して逆に総攻撃をされた時、オジサンは落ち込み家に帰れない僕を迎えに来てくれました。そして、「お前の決めたことを信じる」と言ってくれました。そして大きなその手で、僕の手を引いて家に連れて帰ってくれました。

 

 

いつも、オジサンの大きな手が僕を引っ張ってくれました。

だから、もしオジサンが何か悲しいことがあったり落ち込んだ時には、僕がこの手でオジサンを引っ張ってあげたいです。

 

 

僕は、もうすぐ小学校を卒業します。もう親に守られているばっかりの子供じゃありません。これからは、オジサンが辛いときには僕がオジサンを支えていきたい。そして、オジサンと二人で、お母さんのことを守ってあげたい。

 

 

僕には密かな願いがあります。それは、オジサンが僕を一人の大人の男として認めてくれること。その時には、初めて僕はオジサンを「お父さん」と呼びたいです。」

 

 

知っていた、空は全てを知っていたんだ・・・!

心美ちゃんのことを「芸能人の子供だから大変な思いをしているんだろう」と言っていた。

もし、自分も芸能人の子供という運命を背負わされたら、同じような辛い思いをしたかもしれない。

そうならないように俺とひろ子が嘘をついていたことを、空は気づいていた・・・!

 

 

そういえば、中居くんも木村くんも俺たち下3人を子供扱いして、状況が厳しい時ほど二人で抱え込んで俺たちに大切なことを隠していたっけ。

だけど、俺たちは「もう守ってもらうばかりの子供ではない」と言って、一緒に戦う道を望んだ。。

大切な人だからこそ、力になりたい、守りたいと思ったんだ。

 

この慎吾が思い出しているシーンのお話はこちらです!↓

華麗なる逆襲~彼らの真実~7「手を繋ごう」みんなで木村を救い出せ!!

 

 

初めて空の声を聞いたあの瞬間を、今でも昨日のことのように思い出せる。

ツアーが終わって60kmの距離を飛ばして、病院に駆けつけた。

空のお産はなかなか大変で、俺は寝ないで朝日を迎えた。

あの小さい体のどこから一体こんな力強い声が出るのかと驚いた。

そのわりに簡単に潰れてしまいそうな小さくて柔らかいその手で、俺の指を握った。

「こんにちは、僕が君のお父さんです」

俺は、そう言ってふにゃふにゃの体を抱きしめた。

 

あんなに小さかったのに・・・。

弱々しくて、俺が守ってやらなきゃって・・・。

 

 

慎吾「あいつ、いつからあんなに大人になってたんだ・・・?」

ひろ子「そんなの私だって、今知ったわ・・・」

 

俺とひろ子は暗闇の中で、しっかりと手を握り締めた。

 

 




 

 

空が帰ってくると、俺はひろ子と空をリビングに集めた。

 

 

慎吾「ひろ子、大事な話がある。空、お前も一緒に聞いてくれ」

空「え、え、何?え?もしかして今?」

ひろ子「え?何の話?」

 

 

俺は、ひろ子と真正面から向き合い、いつになく真面目な顔で言った。

 

 

慎吾「ひろ子、俺と結婚して欲しい」

 

ひろ子はぽかんと口を開けたまま、言葉が出ない。

 

慎吾「だけど、もう一つ決めたことがある。俺はSMAPに戻る。中居くんと木村くんが、迎えに来てくれたんだ。

本当は、SMAPも芸能界も辞めて、これで晴れてひろ子と空と家族になれると思ってた。それが一番の幸せだって思ってた。もうお前たちに日陰の人生を歩ませなくてもいいんだって。やっと幸せにできるって。

だけど、俺はやっぱりSMAPを捨てられなかった。でもね、中居くんが独立してSMAPをやり直す準備を整えてくれたんだ。だから、もう結婚を咎められることはない。それは絶対に約束するって、中居くんが。

ただ、事務所が許しても、世間はいろいろと言いたいことを言うかもしれない。そのことで、ひろ子と空に辛い思いをさせることもあるかもしれない。全てを捨てて、ひろ子と空を選んであげられない俺を許してほしい。それでも、俺についてきてくれるか?」

 

 

ひろ子はふふっと笑った。

「慎吾君、ずっとそんなふうに思ってたの?心配ないわ。私は、日陰の人生歩んできたなんて思ったこと一度もないわ。慎吾君が私にくれた20年という時間が、私の人生の全てだった。私たち、いっぱい笑ってたよね。今までだって、ずっと幸せだったじゃない。

慎吾くんは、いつもどこかでSMAPでいることを嫌がっていて、だけどいつも一番にSMAPを愛してた。ねぇ、大切なものって一つじゃなくてもいいんじゃない?」

 

 

ひろ子は、俺の右腕にそっと手をかけた。

ひろ子の言葉が俺に染み込んで、今までずっと重りのように俺の体にのしかかっていたものを溶かしていく。

あぁ、だから俺はこの人を好きになったんだ。

 

 

「慎吾くんがいる場所がどこであろうといいの。慎吾くんが心から笑える場所ならば、私は迷わず一緒について行くわ」

 

ひろ子は微笑んで、俺の右頬に優しくキスをした。

 

 

空「おい・・・っ!子供の前でイチャイチャすんなよなぁっ!まったく・・!(照)」

慎吾「お前、もう子供じゃないんじゃなかったっけ?」

空「え?」

慎吾「ごめん、今日作文コンクール、聞きに行ってた」

空「え、じゃあ・・・」

 

空が青ざめる。

今後も俺の嘘にずっと気づかないフリをしていくつもりだったのだろう。

 

 

慎吾「あ、おい空!肝心なもの忘れてた!あれ、取ってこい!」

空「・・え?・・・何?」

 

空は、まだオロオロしている。

 

 

慎吾「プロポーズすんのに、指輪がなくちゃ始まらないだろ!早く!」

空「あ、あぁ・・・!」

 

空は、作文を聞かれていたというショックをまだ自分の中で整理できていない様子だったが、俺の勢いに押されて急いで部屋に駆け込んでいった。

 

 

そして、バッグのポケットに手をつっこみ指輪のケースを取り出すと、ハラリと写真が落ちた。

そして、それを見た空は言葉を失う。

その写真は破れていなかった。

 

俺が、俺の持っていた写真と入れ替えておいたからだ。

 

 

空「こ、これって・・・!」

 

 

そこにはひろ子と、生まれたばかりの空と、空を抱く俺が写っていた。

 

 

空は小さな小さなその手に似合わないほど固い力で、俺の服をギュッと握っていた。

そして、俺はその小さな体を潰さないように優しくふんわりと、しかし絶対にこの小さな体を落としてはいけないとガッチリと包み込むように強く空を抱いていた。

 

俺も空も、お互いに絶対にこの手を離しはしないと心に決めているかのように。

 

 

 

慎吾「それが、お前がずっと見たかったお前のオヤジの顔だ。

お前はもう立派な一人前の大人の男だ。空、これからは俺と一緒に戦って、俺と一緒にお母さんを守ってくれるか?」

空「慎吾くん・・・」

 

 

慎吾「空、来い・・・!」

 

 

俺はニカっと口を開けて頷いて、空に向かって大きく手を広げる。

 

 

空は、俺の胸に飛び込んだ。

 

空「お父さん・・・っ!!」

 

空を抱き締める俺に、そっとひろ子が腕を重ねる。

俺たちは、今日初めて父と母として、二人で空を抱きしめた。

 

俺は、ひろ子の指にそっと指輪をはめる。

キラキラと輝くダイヤが、俺たち家族を祝福してるみたいだった。



end

 

思い出すよ 君の声を初めて聞いたあの日を

そんな夜を超えて『こんにちは』って抱き合う

 

これからどんなことが 君を待っているんだろうね

いつでも君が決めたことを ただ信じられますように

 

おはようもおやすみもただいまもおかえりも そこにある君との暮らし

僕の手を握ってる小さな手はこれからも 僕のこの手を握ってる?

 

そういえば忘れてたポケットの奥から 少しくしゃくしゃの『君が好き』

SMAP「ハロー」より

SMAP「ハロー」の視聴ならコチラ!(視聴はスマホのみです)

今を捨てるほど 今を責めるほど 思いつめてはいないけど

腐りかけの僕 拾い上げた君は 微笑んで

心配ないわと 僕の右腕に

一緒に行くわと 僕の右頬に 優しいKissをした

SMAP「GO NOW!」より

 

この作品で紹介させていただいたSMAP「GO NOW!」「ハロー」について、もっと知りたい方はコチラ!

アルバム曲なのにここまでクオリティが高いSMAPの名曲!

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