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映画「人魚の眠る家」原作小説のあらすじを結末までパパッとネタバレ!東野圭吾作品らしくないヒューマンストーリー 映画「人魚の眠る家」原作小説のあらすじを結末までパパッとネタバレ!東野圭吾作品らしくないヒューマンストーリー

映画「人魚の眠る家」原作小説のあらすじを結末までパパッとネタバレ!東野圭吾作品らしくないヒューマンストーリー

最初に言っておくと「人魚の眠る家」は東野圭吾作品らしくない作品です。

ミステリーが好きな方や「東野圭吾作品だから」と思って読んだ方は、ちょっとがっかりするかも?

こちらでは映画「人魚の眠る家」の原作となる東野圭吾さんの小説のあらすじネタバレと登場人物キャストの紹介を超簡単簡潔にざっくり解説していきたいと思います。

めっちゃネタバレします!ご注意を!!

映画「人魚の眠る家」登場人物キャスト

【播磨家】

  • 母:播磨薫子:篠原涼子
  • 父:播磨和昌:西島秀俊
  • 姉:播磨瑞穂:子役ちゃん稲垣来泉(いながきくるみ))
  • 弟:播磨生人:子役ちゃん斎藤汰鷹(さいとうたいよう)

こんな仲睦まじい家族に見えますが、実は西島さん演じる播磨和昌の浮気により別居中です…。

稲垣来泉ちゃんがお姉ちゃんで、斎藤汰鷹くんが弟役なのですが、二人とも同い年くらいに見えないか?ってことで、調べてみたら

  • 稲垣来泉ちゃんは7歳
  • 斎藤汰鷹くんは8歳

でした。

そっか、稲垣来泉ちゃんのほうは6歳で死んじゃうから、成長した後まで演じる斎藤汰鷹くんのほうが大きい子を使っているんだね。

  • 瑞穂の介護を手伝う星野祐也:坂口健太郎
  • 星野の彼女、川嶋真緒:川栄李奈

坂口健太郎さんが心変わりをして篠原涼子さんを好きになって、川栄李奈さんがふられちゃう…。

原作では星野は実直な性格って感じの描かれ方で、全然かっこいい人って感じじゃなかった

坂口健太郎だとスマートすぎるんだよなぁ。

私のイメージではバカリズムさんだった。

真緒は普通の若い女の子って感じだったから、川栄李奈でもいいし、特にイメージがついてないから誰でもいいかも。

小説「人魚の眠る家」のあらすじネタバレ!

娘が脳死

【登場人物紹介】主人公:播磨薫子(篠原涼子)

夫の和昌(西島秀俊)とは別居中で、すでにいい感じの彼氏がいる。薫子は、夫があまりにも仕事人間で家庭を顧みたいタイプでしかも浮気をしていたため、精神的に不安定になりクリニックに通っていたが、その主治医が彼氏の榎田。

主人公は播磨薫子(篠原涼子)。

その日は娘の瑞穂のための小学校の面接の練習に行くため、瑞穂を薫子の母親・千鶴子(松坂慶子)と妹の美晴(山口紗弥加)に預け出かけていた。

そこで、薫子に衝撃的な知らせが入る!

瑞穂がプールの事故で病院に運ばれたというのだ!

そして告げられたのは…

瑞穂は脳死であるという診断。

突然の娘の事故に、頭が混乱して受け入れられないでいるのに、さらに医者は脳死判定を受けて臓器提供をするかどうかと聞いてくる。

脳死と臓器提供

この作品は、脳死や臓器提供についての知識が詳しく描かれているのが興味深い。

脳死は2回の脳死判定を受けなければ、事実脳死の状態にあったとしても脳死とは認められない。

その場合、植物状態のまま心臓が止まるのを待つということになる。

つまり、両親が「脳死」か「心臓死」を選ぶ権利があるということ。

しかし脳死の状態に陥った患者が目を覚ましたという例は今までになく、管に繋いだ状態でベッドに寝かせておく時間を延ばすだけというのが現実。

だけど突然の最愛の子どもの死を受け入れられない両親にとっては、寝ている状態であっても心臓が動いている子供をずっとそのまま置いておきたいと思うのが親心というものではないだろうか。

脳死判定が下されば心臓が動いているのに管を取り、まだ動いている子供の心臓を人為的に止めることになる。

そんな決断を親にしろというのは何とも心が痛くなります…。

こういった脳死や臓器提供についての知識は曖昧にしか持っていないため、詳しく小説で描かれていてとても興味深かった。

夫婦で話し合った結果、

「瑞穂はとても優しい子だったから、きっと自分が人のために何かできることがあるのならやりたいというだろう」

と夫婦は脳死判定を受ける決断をする。

【登場人物紹介】播磨瑞穂

瑞穂は四つ葉のクローバーを見つけた時に

「持って帰らない。誰かのために残しておく」

と言ったことがあった。

瑞穂はいつだって人の幸せを願える優しい子だった。

奇跡を信じる母の思い

脳死判定を受けると医師に告げ待っている間、瑞穂の手をにぎっていた薫子。

すると瑞穂の手がピクリと動いた気がした。

瑞穂はまだ生きている!

そう思った薫子は土壇場で脳死判定を受けることを拒否する。

実は植物状態でも、手がピクリと動いたり涙を流したりすることはあるそうだ。でも親としてはほんの小さな奇跡にかけてみたくなるのが当然。手が動いたりなんかしたら、娘が「私はまだ生きているよ!殺さないで!」と言っているのではないかと思ってしまうだろう。

井上真央と岡田将生の純愛映画「僕の初恋をキミに捧ぐ」でも同じようなシーンがありました。

心臓移植を今すぐにでも行けないと死んでしまう岡田将生を助けるために、井上真央が植物状態になった友人の家族に「心臓をください!」土下座するシーン。

だけど植物状態になった息子が涙を流しているところ見てしまった母親は、「自分たちの手でこの子の心臓を止めることはできない」と、移植を拒否した。

それはそうだろう。私だって絶対に同じ決断をすると思う。

人工的に瑞穂を生かす

【登場人物紹介】:薫子(篠原涼子)の夫、播磨和昌(西島秀俊)

妻の薫子(篠原涼子)とは別居中。(原因は和昌の浮気)←西島さんが不倫する役とか嫌だ…( ゚Д゚)
別居にあたり、和昌のほうが家を出てマンション暮らしをしている。
夫婦の中で離婚はもう決定していたが、瑞穂の小学校受験に「家族円満」アピールが必要なため、それまでは離婚はしないでいた。
そんなところに瑞穂の事故が起こり、離婚を取りやめ瑞穂の介護のためにいくらでもお金を出してくれることを決めた。

薫子の夫の和昌(西島秀俊)はハリマテクスと言う会社の社長で、ハリマテクスは人の神経を操る技術を取り扱っていた。

例えば、目の見えない人のために、ロボットが前方にある障害物を検知し、それを脳に伝えて障害物を避けさせる、というような技術。

脳に信号送り筋肉を動かすこの技術を使えば、瑞穂を人工的に生かしておくことができる

寝たきりの状態だと筋肉が動かず成長しないので、手足はやせ細り血色も悪くなってしまう。(瑞穂の場合、脳死とはいっても、脳のすべての部分が機能停止しているわけではなかったため)

ハリマテクスの技術を使って人工的に手足を上下させたりと運動をさせてあげると、生きている人間同様血色もよくなり、手足は成長し体が大きくなり、おしっこやうんちもするのだ。

これはかなり想像できない展開になってきた。

SFの世界という感じで、まずハリマテクスが扱っている技術はフィクションだろうし、寝たきりの状態の人をこんな風に動かしたり本当にできるのかは不明。

でもそんな世界があったらすごいなと思わせるこの展開は、SF映画を見ている時にそそられる興味と同じだろう。

この技術の未来に植物状態の人間が蘇ると言う希望があるのかどうか。その顛末が知りたくて最後まで読み進めてしまう。

でもたまたま夫が金持ちの社長だったからこれだけのことを試してもらえるんだよなぁ。普通の人なら、ただ泣いて死を受け入れる以外に方法はないから。

坂口健太郎は瑞穂の介護の協力者

和昌は自分の会社の中で一番「神経と筋肉をつなげる研究」に詳しい星野という男を指名し、瑞穂の介護の手伝いをしてほしいと頼む。

星野は最初は社長命令で播磨邸に訪れたが、次第に薫子に恋心を抱くようになる。

瑞穂を動かしてあげれば薫子が喜ぶ。星野はどんどん瑞穂の治療に夢中になっていく。薫子に好かれたい一心で。

薫子は瑞穂のために星野のことを大切に扱い、心底感謝していた。
あまりに行動がエスカレートしていく薫子を心配した和昌が、星野の協力を解こうとしたが、星野は次第に「それは薫子が許さない。薫子は誰よりも自分を必要としている。和昌よりも薫子と瑞穂のことを知っているのはこの自分なのだ」という挑戦的な態度になっていく。

【登場人物紹介】:薫子(篠原涼子)を好きになる星野(坂口健太郎)

薫子に感謝され続けるうちに、自分が神になったような気持ちになっていく。

彼女がいるが、薫子に夢中になっていくうちに彼女の真緒(川栄李奈)のことをふる。

最初にこの作品に阪口健太郎が出ると聞いて何の役だろう?と思った。

和昌にしては若すぎるし、もしかして冒頭と最後に出てくる少年の役が少し成長したとかそんな感じかな~と。

星名ってそんなに重要な人物だったっけ?坂口健太郎にやらせるほどの?と言う違和感もある。でも瑞穂も動かすシーンが多分たくさん出てくるため、星野の出番も自ずと多くなってくるのだろう。

しかし薫子は星野に対して全く恋愛的な思いは抱いていないため、ふたりのラブシーンなどはない。

坂口健太郎の恋人役に川栄李奈

登場人物紹介:星野(坂口健太郎)の彼女、真緒(川栄李奈)

星野の心変わりに気付き、星野を尾行して播磨邸で瑞穂の姿を目撃し不気味に思う。
星野への思いはかなり強い。

むしろ星野の元カノの真緒役に川栄李奈が配置されているため、そちらのラブシーンはあるかもしれないと思っている。(最近川栄李奈ってエロ女優のイメージ強いからなぁ)

でも、映画のビジュアル見たところ、素朴系の女の子って感じだからそれはないか。原作でもラブシーンとかないし。

星野は薫子に心惹かれていき真緒と別れるが、瑞穂の介護の協力の指名を解かれ、憑き物が落ちたように正気に戻る。

星野もまた、薫子と瑞穂とずっと一緒にいたことで、ある意味精神を病んでいたのかもしれない。

ちなみに最後は星野と真緒はよりが戻る。

瑞穂の事故の真相

瑞穂がプールで溺れた時、薫子の母親(松坂慶子)と妹の美晴(山口紗弥加)、美晴の娘の若葉が一緒にプールに来ていた。

そこで起こった本当の出来事を、若葉が母親の美晴に告白する。

瑞穂と若葉はとても仲が良く一緒にプールで泳いでいたが、若葉の指輪が落ちてしまい、瑞穂はそれを取ってあげようとして水の中に潜った。

その時、排水溝に指が入ってしまい取れなくなり、瑞穂は溺れてしまったのが。

自分が落とした指輪が原因だったことを、若葉はずっと言い出せずにいた。

最初に若葉がなにか真相を語り出した時、実は若葉がいい子ちゃんの瑞穂に嫉妬していて、溺れるように仕向けたとか、そういうどす黒い話が出てくるのかと思った。

でも、瑞穂も若葉も本当にいい子で、若葉がなかなか本当のことを言い出せなかった気持ちも分かるし、その話を聞いたら薫子が若葉に対して複雑な思いを抱いてしまうのだろうとも想像できる。

でも東野圭吾作品を読みまくっている私としては、「え?それだけ?」と思ってしまった。

最後に「実は…ジャジャーン!!」みたいな事実出てくるんじゃないかと、どうしても期待しちゃうんだな(^^;

実は誰かが意図的に瑞穂を溢れさせていましたとかいう展開だったらミステリーっぽいんだけど。

だから何度も言うように、この作品はミステリーではないっていうことなんだよね。

美晴(山口紗弥加)の裏切り

登場人物紹介:瑞穂の弟、生人

瑞穂の弟の生人は最初はまだ幼かったため、薫子が瑞穂を機械で動かして「ほら、お姉ちゃんは生きているのよ」と喜んでいることに何も疑問を持っていなかった。

しかし薫子が生人の、小学校の入学式に車椅子に乗せた瑞穂を連れて行ってしまったことで、生人の同級生の保護者たちから「死体を連れてくるなんて気味が悪い」などと陰口を叩かれるようになっていた。

薫子は全くそのことに気づいていないが、生人はそのことで同級生達からいじめられるようになり、瑞穂の存在を学校では「もう死んで家にはいない」と隠すようになっていたし、家でも瑞穂にあまり寄り付かなくなっていた。

美晴は薫子を気遣い、頻繁に瑞穂の見舞いに来ていた。美晴の娘の若葉は、いつも真っ先に瑞穂のいる部屋に行き、瑞穂に話しかけてくれていたため、薫子は若葉のことがとても好きだった。

しかしある一言をきっかけに、薫子と美晴の姉妹の中が断絶してしまうことになる。

あるとき生人が「もう死んでるんだから」と口にしてしまったのを、若葉が慌てて「それ言っちゃだめッ!」と止めたことにより、薫子は「言っちゃだめ」=「本当は死んでいると思っているけど、薫子おばさんの前では言っちゃダメ」という意味と理解した。

つまりは美晴も家では「瑞穂はもう死んでいる」と認識し会話をし、しかしここに来ている時だけ瑞穂が生きていると信じているかのような演技をしていたということなのだ。

これは薫子にとってとんでもない裏切りだった。

このことで、「もう二度とこの家には来ないで」と美晴と若葉を追い返し、姉妹の中は断絶してしまった。

これも本当に難しいところで、瑞穂や薫子に対する思いは、それぞれ少しずつ違う。

  • 美晴の旦那→「瑞穂は死んでいる。無理に動かして気持ちが悪い。もう二度とあの家には行きたくない」と完全に薫子のしていることに否定的。「きちがいだ」くらいの感じ。
  • 和昌の両親→瑞穂と血が繋がっているので悲しい気持ちは当然あるが、だからこそ「大切な孫を機械仕掛けの操り人形にするなんて」という思い。かなり否定的。
  • 和昌→最初は「薫子の好きなようにやっていい。資金は全て自分が出す」と言ってくれていたはずだったが、薫子の常軌を逸した行動がどんどんエスカレートするのを見て心配になってきくる。
  • 美晴→薫子のやっていることに対して賛成ではないが、立場上そんなことは言えない。

薫子のすることに否定的でないのは母親の千鶴子ぐらいです。責任を感じて「自分が死にたい」くらいに思い詰めていたため、瑞穂のために残りの自分の人生の全てを捧げるくらいの気持ちである。瑞穂の介護を手伝うことで、自分の生きる意味を見出せた。

だけどこれはどっちの考えが正しいとか薫子が狂っているとかではなくて、瑞穂との関係の距離感によるものだと思う。

生人の学校の同級生のママ達が「あれは死体だ。気持ち悪い」というのは当然。私だってそっち側の立場だったら絶対に同じ気持ちになります。

だけど薫子の立場だったら、そこに眠っているのが自分の子供だったら、絶対に気持ち悪いとは思わないし、人工的であっても筋肉を動かすことで体が成長するのであれば、それをやってあげたいと思う。成長している以上、生きていると思ってしまうんじゃないかなと思う。

薫子が美晴に対して怒ったのも当然だと思う。だって美晴は瑞穂のことを預かっていて事故に遭わせてしまった立場なんだから、それで「本当は死んでいるのに、無理に生かして気持ち悪いね~」なんて感情は絶対にもっちゃいけないと思う。

「何であんたの子供だけ助かってんのよ!?なんでうちの子のことをちゃんと見ててくれなかったのよ!」って責められてもしょうがない立場だもん。

だけど姉妹でそんな風になっちゃうのって本当にやりきれない。

若葉のことを見るたびに、「どうして若葉が助かって死んだのが瑞穂だったんだ」って薫子はきっとどこかでずっと思ってしまうし、だからといって美晴たちが薫子や瑞穂に立ち寄らなくなるのも薄情すぎるから、やっぱり罪滅ぼしの意味でも頻繁に見舞いに来なきゃいけないし…。

美晴の立場に立ってみても、本当に息が詰まりそうなほどに苦しい。

それにしても、瑞穂は生きているのか、死んでいるのかって問題を問いかけておきながら、弟が「生人」(生きている人)って名前なのも、すっごく胸が苦しくなる…。東野さ~~ん…!!

これは死体なのか

生人の誕生会を行うことになり、あれ以来疎遠になっていた美晴や若葉もやってくる。しかし生人の学校のお友達は誰も来ない。生人は学校では瑞穂のことを隠しているため、お友達を誰も呼んでいないと白状しふてくされる。

それを聞いた薫子は激怒。

それをなだめるために、ついに和昌は「瑞穂は本当は死んでいるんだ」と薫子説き伏せようとする。

すると薫子は家に警察を呼び、包丁を持ち出し、

「ここにいるのが死体であれば、包丁を突き刺し心臓を止めても私は罪に問われませんか?」

と聞く。

もし自分に殺人罪が適用するのならば、瑞穂が生きていると証明することができると言って薫子は包丁を振り下ろそうとする。

それを止めたのは若葉だった。

若葉は薫子にも事故の真相を告白し、泣きながら「瑞穂ちゃんを殺さないで!」と懇願する。

薫子は力が抜け瑞穂を抱きしめた。それから生人のことも。

きっとこの一件が、薫子にとっては瑞穂の死を受け入れる境目となったのだと思う。

かなり狂った行動だったが、もしかしたら薫子は本当は正気で、最後に思う存分暴れて自分の気持ちにケリをつけたかったのかもしれない。

瑞穂の死

その日の夜、寝ている薫子が目を覚ますとそこには瑞穂が立っていた。

私はこの作品を読み進めていく中で、一番気になっていたのは瑞穂が最後に目を覚ますのかどうかということ。

現実では脳死状態から蘇った人はいないとされていても、こんな不思議な科学の力を使って延命しているうちに、奇跡が起こるという結末もあるんじゃないかという期待をしていた。

だから「そこに瑞穂が立っていた」という1文を見た時には、本当に奇跡が起こったと思った。

だけどそれは言ってみれば、「瑞穂の魂がそこに立っていた」という意味だった。

そしてその翌日の早朝、瑞穂の容態は急変し、瑞穂の死をやって受け入れることのできた薫子は臓器提供の意思表明をする。

脳死から2年も経っていたが瑞穂の臓器は健全で、臓器提供ができることがわかった。

これは2年間薫子が瑞穂をとても大切に扱い、献身的な介護を続けてきたからこそ起こった奇跡である。

薫子は最後に瑞穂の「お母さんありがとう」という言葉を聞いたと言っている。

これが精神を病んでしまった母親の妄想なのか、それとも本当に瑞穂がの魂がそこにあったのかは誰にもわからない。

エピローグ

この物語は、薫子や瑞穂とは全く関係のない少年の宗吾が、学校の下校中に播磨邸の前を通り、眠っている瑞穂の姿を目撃するシーンから始まる。

宗吾は当然瑞穂が眠っているのだと信じこんでおり、その瑞穂の可愛さにたぶんちょっとだけ瑞穂のことが気になっていた。(子供ながら淡い恋心みたいな?)

その後宗吾は病気になってしまうが、心臓移植手術を受けることができ元気になった。

退院した宗吾は、以前に気になっていた屋敷に立ち寄る。

少しそこに播磨邸はもうなかった。(瑞穂が死んだあと、家を売り引っ越した)

もちろん宗吾は、この屋敷で寝ていたあの女の子が自分に心臓をくれた張本人だとは知らない。

宗吾がその場所から去ろうとした時に、ずっと薔薇の匂いを感じた。

そして宗吾は元気にその場を走り去っていった。

最後に宗吾が感じた薔薇の香りは、きっと瑞穂の心臓が持っている記憶を宗吾が感じ取ったということなのでしょうね。

瑞穂がずっと大切にされ幸せに生きたという記憶を。

結局が奇跡は起こらず残念だったけど、これで薫子が解放されるんだと思うと読んでいる途中ずっと苦しかった胸のつかえがスーッと軽くなっていくような気持ちを覚えた。

やっぱり人の死は、どんなに悲しくても自然に任せて受け入れるべきで、こんなふうに無理やり科学の力を使って引き伸ばしてはいけないのだなと。

だって、その間家族は前に進めないで、終わりが来なければずっと苦しみの中から抜け出すことができない。

だけどそれが分かっていても、きっと私が薫子の立場で、子供が瑞穂のようになってしまったら、そして自分の旦那が和昌みたいにいくらでも治療にお金を出してくれるようなお金持ちだったら、やっぱり薫子と同じ行動をしてしまうんだろうと、この作品を読んだ後でも(薫子の苦しんだ2年間を知った後でも)なお思う

だって「終わりが来ない苦しみ」って言ったって、本当に終わりが来ないかなんてわからないじゃない。

悪あがきを続けているうちに、医学が進んでうちの子にだけは奇跡が起こるかもしれないって、きっと諦めきれずにずっと子供を手元に置いておきたくなっちゃうんだろうな。

東野圭吾作品として期待して読み始めたときは、「なんだミステリーじゃないのか」とちょっと残念に思ったけれど、母親の狂ったまでの子供への愛の話としては、とても共感できた作品だった。

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