土屋太鳳×山崎賢人主演の映画「orange-オレンジ-」のあらすじと最後の結末がサクッとわかるパパっとネタバレを書いています~!
めっちゃ感動した!涙止まらなかった!
結末に対する感想すごい語りたい!
ってことで、管理人の感想多めで語ります…。
目次
「未来の自分から手紙が届く」という不思議な世界観の導入部分
主人公・高宮菜穂(土屋太鳳)は、長野県松本の高校に通う高校生。
2年の始業式の日、未来の自分から手紙が届く。
そこには始業式の日に、
- 東京からの転校生の成瀬翔(山崎賢人)やってくること
- 菜穂は彼を好きになること
- しかし彼は1年後に死んでしまっていること
- 未来を変えて翔の命を救ってほしい
ということが書かれている。
こうゆう不思議な世界のお話、大好き~~!
最初からワクワクするわぁ~。
タイムリープものも大好きだし。
謎めいた手紙
菜穂はクラスメイトの
須和(竜星涼)
萩田(桜田通)
たかこ(山崎紘菜)
あず(清水くるみ)
と仲良し5人組。
最初の手紙の指示は
「始業式の日の帰りに、翔を誘わないでほしい」
というものだったが、誰にでも優しい須和が、「翔くんも一緒に帰ろう!」と誘い、一緒に寄り道して帰る。
このことが翔の運命を大きく狂わせる…。
手紙は何枚も届いて、時系列の順を追って指示を出していく感じなんだけど、この始業式に起こることがすごく大事なんだから、そこ早く言えやーー!!とか後から思ってしまう…。
でもそれじゃあストーリーが成り立たないもんね。
この謎を引っ張って引っ張って、中盤でババーン!と明かされるところがかなり盛り上がったわけだし。
恋敵の登場
菜穂と翔は自然と距離を縮めていき、お互いに惹かれ始めるが、ミスコンで優勝するほどの美人の先輩、上田先輩(真野恵里菜)に翔が告白され、なんとなく付き合い始めてしまう。
来たか恋敵…。
少女漫画ではこれなくして、ストーリーは進まない。
翔が付き合う前に
「上田先輩と付き合ってもいいかな?」
と菜穂に聞くのだが、菜穂が迷っている間に翔が先輩にOKの返事をしてしまう。
その後で、翔の下駄箱の中に
「ダメ」
と言う菜穂からの返事の手紙が入っていたところはかなりキュンときた~(><)
これってめっちゃラブレターじゃんね!?
こんなかわいい気持ちの伝え方あるんだっ!?
でも上田先輩は、よくある顔は可愛いけど性格悪いの典型。
翔は菜穂への気持ちが大きくなり上田先輩と別れる。
これであっけなく上田先輩の出番は終わり。
あれ?あんまり意地悪してこなかったな、恋敵…。意外とあっけなかった。
翔が抱えている闇
翔はみんなにずっと内緒にしていたが、始業式の日に母親に自殺されている。
その自殺の原因を作ったのは自分だと、翔はずっと自分を責めていた。
翔の母親は鬱っぽくなっていて、始業式の日も病院に翔に一緒に来てほしいと約束をしていた。
しかし、日頃から鬱の母親と一緒にいることでイライラして当たったりしてしまっていた翔。
友達に誘われて久々に楽しい時を過ごし、母親のことが面倒になって
「やっぱり病院に一緒に行けない。子供じゃないんだからひとりで行けるだろ。邪魔するな」
と冷たいメールを送ってしまったのだ。
ガーーーン!!
「邪魔するな」とか息子に言われたら、私もショックだよ~~~!!
うちの子も高校生になったら、そんな恐ろしいこと言うのかしら…。
「クソババァ!」とかさ。シクシク…。
そして帰ってみると、母親は自殺していた。
これはきつい…。
自分責めるよ…。
取り返しのつかないことをしたって。
だから始業式の日に翔を誘うなって言っていたんだね。
こんな重大なことだったら、最初の手紙に理由まで書いとけよーー本当に!!(泣)
この展開てさ、「僕等がいた」の矢野と全く同じ。
原作ではどっちが先だったかわかんないけど。
「僕等がいた」も、矢野が失踪した理由ずっとわかんなくて気になりまくってて、この理由明かされたときはきつかった…。
母親が自分のせいで自殺しちゃうってね…。
急に「僕等がいた」も見たくなって、アマゾンプライムビデオで探したけどなかった。
あっ!!そうか!!生田斗真じゃん!ジャニーズ出てると動画配信されないんだよね。
でも、私にはTSUTAYAディスカスがある。ふふふ…。こっちにはちゃーんとあったぜ。
須和(竜星涼)にも届いていた未来からの手紙
なかなか自分の力だけでは未来を変えられないと困り果てた菜穂は、須和に
「信じてもらえないけど…」
と手紙のことを打ち明けようとする。
すると
「大丈夫だよ」
と言って、須和もまた手紙を取り出した!
なんと須和のところにも未来から手紙が届いていたのだ!!
この展開にはびっくりした!
普通こういう不思議系の話って、主人公にしか不思議な世界は見えないはずなんだけど。
もう一人いたとは…!!
未来のシーンも出てくるんだけど、翔の死んだ未来では、実は須和と菜穂は結婚しているのだ…!!
それでも二人とも、翔の死から立ち直っていない。
高校生の頃、菜穂たちは翔はトラックに跳ねられて交通事故死したと聞かされていたが、本当は自分からトラックに飛び込んでいた。
自殺だったのだ…。
しかし、
「友達には事故だったと伝えてほしい」
と祖母への遺書が残されていたということを、未来のシーンで菜穂たちは祖母から聞いて初めて知った。
それを聞いた菜穂、須和、萩田、あず、たかこは、帰り道どうしようもない悲しみを抱えてみんなで泣いた…。
そこで菜穂と須和は、「過去の自分達に手紙を送ろう」と思い立って、二人で一緒に手紙を書いたのだ。
少しずつ変わり始めた現在
須和と菜穂は力を合わせて翔を助けようとする。
そして、それだけでも力が足りないと感じた二人は、後の3人にも手紙のことを打ち明け、未来に待っている翔の運命を打ち明ける。
にわかには信じられない3人だが、そこはこの友情の熱い彼らのこと。
「二人の言っていることだから信じる!」と言って協力してくれることに。
5人が協力して翔を救おうとすることで、少しずつ現在が変わり始めた。
「もう手紙の指示に従っているだけではダメなのかもしれない」
と感じ、自分たちで考え行動し始める…。
翔を自殺に向かわせた母親からのビデオレターが泣ける
翔が自殺すると言うのは、12月31日大晦日の夜。
その日、6人で二年参り(大晦日と元旦をまたいでお参りするから二年参り)に行く約束をしていた。
須和が翔にメールを送ると、翔は「待ち合わせ場所に行く」という返事を返してきた。
これで現在が変わったのだ!翔は自殺をしない!と喜ぶ須和と菜穂。
しかし、その後に事は起こる…。
翔は家で偶然、死んだ母親の携帯のメールの下書きフォルダーに入れられている自分宛のメールを見つけてしまう…。
そこにはビデオファイルが添付されていた。
母親からのメッセージは
- 翔に相談もなく離婚してしまってごめんなさい
- 父親はすぐに手をあげる人で、翔にだけは ひどいことをさせまいと離婚をする道を選んだ
- さらに、東京の学校で翔が友達とうまくいっておらず、悩んでいることを知っていた
- 場所を変えて学校を変えれば、翔がもう一度学校生活をやり直せるのではないかと思って引っ越すことを決めた
- だけど翔に何も相談せずに全てを決めてしまったことを後悔している
ということが語られていた。
母親は、全て翔のことを思って行動してくれていた。
それなのに自分は
「もうちょっと母親らしくしてくれよ!」
とかひどいことを言って、母親に怒鳴ったりもした。
母親の本当の思いを知って、翔の心が壊れてしまう…。
そして翔は、夜の道を自転車を漕ぎ、前からはトラックが走ってきて…。
最後に翔の自殺を食い止めたのは、菜穂たち友情の力だった!
トラックに向かって一直線に走っていく翔だったが、その脳裏に走馬灯のように
- 菜穂と過ごした楽しい時間
- 6人で過ごした時間
- 「翔のことをちゃんと見てるよ。守りたい」と言ってくれた菜穂の言葉
- 「重いものは一人で持たなくてもいい。俺たちがついているから」と言ってくれた須和の言葉
などが次々と浮かぶ。
そしてとっさに
「死にたくない…!」と思った翔は、ハンドルを切ってトラックを避けることができた。
そこにちょうど翔を探し回っていた菜穂たちが駆けつける。
翔は
「急に死ぬのが怖くなった。死んだらみんなとの思い出が消えちゃうから」
といって泣きじゃくる。
みんなはそれぞれ翔に対する思いを伝え、菜穂が一番言いたいことがあるはずなのに何も言えない。
そんな菜穂を気遣ってか、あずさが
「翔、好きだよ」
と声をかけ、その後全員が
「好きだよ」
と声をかける。
そしてようやく菜穂も
「翔、好きだよ。大好き!」
と気持ちを伝えることができた。
二人が気持ちを伝え合うシーンは、実はこれよりも前にあるのだが、私はここのシーンの方が感動した。
それはこの作品をラブストーリーというよりは、友情ストーリーとして見て感動していたからだと思う。
映画「orangeオレンジ」の最後の結末、パラレルワールド理論をどう解釈するか?
こうして現在の世界では、翔の命を救うことができた。
未来は変わって、6人がずっと一緒にいられる未来が生まれた。
しかし手紙を書いた未来の菜穂たちの世界は未だ続いている。
高校時代の授業のシーンで、
「タイムリープをして何かを変えたら、平行してもう一つの世界が生まれて、時間軸が分かれて別々の世界が続いて行く」
と解説があったのだが、まさにそれ。
つまり、ひとつの世界では翔が死ななかったが、もうひとつの世界では翔が死んでしまった事実は変えられず続いていくということ。
映画「orangeオレンジ」の感想、結末は片方はハッピーエンド、もう片方はものすごく悲しい結末?
この終わり方がなんとも言えないと言うか…。
スカッとするハッピーエンドでないことは確か。
未来の菜穂たちが翔の祖母の家で、翔が自殺していたという事実を知り、帰りにみんなで泣いたあの胸がぎゅーっと締め付けられるような気持ち。
あの気持ちは消えることなく、これからも菜穂たちの人生の中でずっと残っていくわけだから…。
そう考えるとタイムリープもののお話って、だいたい過去に”変えたい何か”があるものなんだけど、それをどんなに一生懸命変えても何も変わらないっていうことになっちゃうんだよな。
過去を変えた時点で、現在の自分にも変化が起こってるっていうパターンのお話だったらすごく救いがあるんだけど。
パラレルワールド理論だと、一人の自分を救えても、今現在救って欲しいって思っている自分は、どう頑張ったって救ってもらえないんだもの。
それにもう一人の過去の自分が救われたかどうかを知る術もない。
だけどね、この作者のすごくうまいところは、未来の世界では須和と菜穂が結婚していて、須和が終始赤ちゃんを抱いていたって描写を入れていたこと!
パラレルワールド理論ではなくて、過去を変えたことによって今の世界が消滅してしまうとしたら、この赤ちゃんは生まれなかったということになる。
だから二つの世界が同時に残っていくことで、こちらの世界には失ったものもあったけれど、新たに生まれた希望もあるんだよ、そうやって人は苦しいことがあってもそれを乗り越え生きていくんだよ、生きていけるんだよ、ということを描きたかったのかもしれないと思った。
それを長たらしいセリフで表現するんじゃなくて、
「幸せの象徴」=赤ちゃん
という視覚に訴えて視聴者に伝えていたんじゃないかと。
その証拠に、未来の菜穂も全力で翔を救おうとした経験を通して、
「今生きているこの時間、一瞬一瞬がとても大事だということに気づけた」
ということを言っている。
だから菜穂も、翔を失った悲しみを抱きながらも、須和と赤ちゃんと一緒に、今を大事にこれから生きていけるのであろう、という希望も最後の最後に伺えた。
だから、この悲しいほうの世界も、完全なる悲しいエンドじゃないってことかな。
あの赤ちゃんの存在によって救われる。
須和(竜星涼)がもう一人の主人公
そして、この映画は菜穂と翔のラブストーリーでありながら、須和の存在がとってもよく効いていて、そのおかげですごく感動的な友情物語になっていると思うんだ。
須和は菜穂のことがひそかに好きなんだけど、菜穂の翔への思いに気付いているから身を引いていた。
当然ラブストーリーにはこういった切ない役どころの男性キャストが必要で、たいてい友情を取って恋を諦めるんだけど、須和の場合は普通に失恋したんじゃなくて、今ある未来では自分は菜穂と結婚しているのに、そのせっかくつかんだ自分の一番欲しかった幸せを手放すことになっても翔を救おうとしているところがすごいところなんだ!!
だって、翔が死ななかったら菜穂と翔がくっつくことはわかりきっていて、自分の思いはもう届かないんだもんね…。
それって究極の愛じゃない?
菜穂に対しても翔に対しても。
だからこの物語の中でMVPは実は須和なんだよ!!
一番いいやつ!幸せになってくれ!!
でもさ、パラレルワールド理論じゃなかったら、赤ちゃん生まれちゃっている以上、菜穂は翔が死なないようにって過去を変えることができなかったかもしれないね。
翔と将来結婚して子供産んだとしても、それはあの時須和が抱いていた赤ちゃんとは別人だもの。
母親として、もう生まれている命を消すことはできないよね。
う~ん、やっぱ難しくなっちゃう…!
だから、パラレルワールド理論で正解だったのかも!
あっちの世界では翔が助かって、こっちの世界では赤ちゃんが生きられる…みたいな。
映画「orange」はラブストーリーではなくて友情ストーリーだ
菜穂と翔のもどかしい関係はすごくキュンキュンするのだけれど、全体として感動したのはラブストーリーという観点ではなくて、やっぱり友情ストーリーとしてだったなぁ。
その証拠に、最後に自殺を思いとどまった翔の頭に浮かんだのは、菜穂のことだけではなく須和の言葉やその他の仲間の姿がたくさん浮かんでいたもん。
翔が助かったシーンでも、菜穂が一番に翔に抱きつき気持ちを伝えて、みんなが遠巻きにしれを微笑ましく見ているという展開ではなくて、5人が5人平等に翔を取り囲み、「好きだ」と気持ちを伝えていたところがまた感動した。
男も女もなく、本当に固い絆で結ばれた友情!!という感じだった。
翔が、ただ家の事情で転校してきたという設定ではなく、東京の高校では友達に馴染めずにいたという設定がクライマックスで明かされるところもかなり効いていた。
だからこそ、こんなにもここで出会えた5人の仲間たちに感動することができたのだと思う。
高校生活で友達の存在は当たり前のようでいて、ここまで素敵な仲間を持つことは人生のうちでなかなかないこと。
翔が当たり前のように仲間のいる高校生活を歩んでいたわけではなかったという裏設定は、とっても大事だったと思う。
自分の人生にもこんな素敵な仲間がいたら良かったなぁと思わせる(そういう高校生活を送ってきた人は、自分もこの仲間を一生大事にしなくてはと懐かしむ)映画だったと思う。
だから私にとっては、「未来から手紙が届く」ていうのと同じくらい、「あんなに素敵な仲間を持つ」ということが、奇跡のファンタジーストーリー!!
すごく美しい世界観で、たおちゃんの囁くような優しい声も聞いていて心地が良かった。
そして何よりも、山崎賢人の影のある切なくて脆い表情、演技力をまざまざと見せつけられた作品だった!!
今後は”顔だけで少女漫画実写化を総なめにしているアイドル俳優”と思わずに、もっと彼の実力に注目して彼の作品を見ていきたいと思います!!
本当に感動できる、胸が熱くなるいい映画です。
見ていない人は、ぜひ。