遠距離恋愛によって、自然消滅してしまいそうな平野と風。
平野を待ち続ける風を見守り続ける廉にも注目…!
二人の恋がついに完結!今度の今度こそ、本当に完結です!
あれあれ?挿絵にいるのは岸くんじゃないですか!?そして平野がいない…!?
もしかして、風ちゃんは平野と別れて岸くんと結婚しちゃうの…!?
今回のサントラは「Letter」です。この曲、めっちゃ好き~。
前のお話はこちら。
6年後
「舞川先生~!」
廊下の窓から下を覗くと、女性生徒たちがキャラキャラと笑顔で手を振っている。
「おーい、俺もおんでー」
「キャーーー!?れんれーん!!(≧▽≦)」
私の隣からひょいっと廉が顔を出すと、女子生徒たちから爆発的な悲鳴が上がった。
廉「なんで風ちゃんは”舞川先生”やのに、俺は”れんれん”やねん!」
「れんれーん!」「きゃー!今日もかっこいいー!」
女子生徒たちからの悲鳴は鳴りやまない。
風「ふふっ、この光景は高校時代と全然変わらんなぁ」
廉「高校時代と全然変わらん事はないやろ。もうあんな風にテンション高くいられんもん、俺」
風「やね。私たちも年取ったよねぇ。あの頃は青春してたよねぇ」
私と廉は、教師になるという夢を叶えた。
「何が”あの頃は”だ。俺から見たら、お前たちだってまだまだ青春真っ只中のひよっこだ!」
後から、丸めたノートで頭をポコンと叩かれる。
「河合先生!」
私たちは母校である高校に就職したのだ。
河合「お前たち、職員会議の資料もう準備できてるのか?資料作りは新人の仕事!」
廉「あー!忘れてたー!∑(゚Д゚)」
風「やばー!早く職員室行こ!」
二人でダダダっと走り出すと、後ろから河合先生の
「廊下は走らなーい!」
という声が飛んできて、慌てて早歩きに切り替えて、廉と二人、肩をすくめて笑った。
河合「廊下でイチャつかなーい!」
また河合先生の声が飛んできて、また二人で笑う。
河合「全く、生徒の時と全く変わっとらんなぁ…」
河合先生はそう言うけど、私たち自身はこれでもけっこう大人になったと思ってる。
廉は河合先生を「ふみふみ〜」と呼ぶことはなくなったし、私は高校時代とは違って意外と女子からの支持率が高くなったり、海ちゃんちの寮を出て一人暮らし始めたり、そして…
平野からの連絡が途絶えがちになったり…。
高校時代とはいろんなことが変わった。
高校時代は、恋愛が人生のテーマみたいに思ってた。”嬉しい”も”悲しい”も、全ての感情が恋愛に紐付いていた。
だけど、大人になると、恋愛以外にもいっぱい考えなきゃいけないことがあるんだと知った。
毎日てんやわんやで、生徒たちの喧騒の中で嵐のように過ぎていく日々。
目の前にある仕事のこと以外 、考えている余裕がない。
恋愛以外のものが自分の頭の中を占拠するってこと、あるんだなぁ。
みんなのその後
同僚教師「サッカー部宛に宅急便届いてますよ。ここ置いときますね」
河合「お!岸からだ!」
岸くんは高校時代にこの高校の保健の先生と恋に落ち、駆け落ち同然で高校を辞めてシングルマザーだった先生とともに生きていくことを決めた。(9話)
先生を追って北海道に行って、その後漁師になって、定期的に海の幸を送ってきてくれる。
家族3人で、とても幸せな日々を送っていることが、いつも同封されている簡素な手紙に綴られている。
河合「お!カニだカニ!じゃあ今日はカニ鍋にするか!」
岸くんから食材が届いたら、必ず海ちゃんちに河合先生も含めた元サッカー部のみんなで集まって、冬なら鍋、夏ならバーベキューなんかをする。
廉「河合先生、今日、何日かわかってます?12/24ですよ?クリスマスイブに鍋って色気なさすぎでしょ…」
河合「でも、カニかさばるし、今日食べちゃわなきゃ保管に困るじゃんか。それにみんなどーせ独り身なんだからいいだろ?」
風「独り身じゃないですー!」
ついムキになってしまった。
河合「あれ!お前、まだ平野と続いてるのか!?とっくに自然消滅したものかと…」
廉「か・わ・い・せんせぃ~…!ちょっと黙りましょうか…!」
廉が河合先生に詰め寄る。
「え!永瀬先生と舞川先生って付き合ってるんじゃないんですか!?生徒たちがよく噂してるから、てっきり!」
同僚の先生が話に割って入る。
河合「あぁ、この二人仲いいですからね。でも、付き合ってたって言っても、高校の時ですよ。なー?」
廉「河合先生っ!人のプライバシーを、んなペラペラと!」
河合「まぁまぁ、もう昔の話なんだからいいじゃんかー(笑)高校時代なんて遠い昔のことってさっきお前ら言ってたじゃーん。かかか!」
同僚教師「でも、二人ほーんとお似合いだから、また付き合っちゃえば〜?教師なんて、出会いないから職場結婚ばっかだし」
河合「そうそう、出会いないから俺も未だ独身…ぐすん(´Д⊂グ」
廉とのことをからかわれるのは日常茶飯事。
特に生徒たちは、昔の私がそうだったように、頭の中、恋愛のことでいっぱいだから、すぐに誰かと誰かをくっつけたがる。年齢的にも、私と廉が一番釣り合っているから、噂になるのも自然なことだった。
河合「おっ?中野!ちょうどいいとこに来た!お前も今日予定ないだろ?鍋やるぞ。来るよな?」
ありさ「ちょっと、なんで勝手に予定ないって決めつけるんですか!」
廉「じゃああんのか?予定」
ありさ「…ないけど」
廉「やっぱりないんやないかい!全くお前もいつまで経っても色気のない女やなぁ!」
ありさ「はぁ〜!?うっさいわ!」
ありさは駅前の花屋さんで働いていて、うちの高校のお花関係全てを委託しているので、ちょくちょく学校に顔を出す。
なんか外が「キャーキャー」騒がしい。
河合「お!髙橋が来たな」
海ちゃんは実家のサッカー寮を継いで、 寮の経営者 兼 この高校のサッカー部のコーチをしている。
河合「おーい髙橋!今日、鍋やるぞー!」
海人「あーすいません!今日は予定あって。だってイブですよ?」
「えぇーコーチ彼女いるのぉ~~!?」「やだぁ~!」海ちゃんを取り囲んでいた女子生徒たちから悲鳴が漏れる。
廉「あいつ、今回の彼女はけっこう長く続いてるらしいやん?俺と同じで、付き合ってもすぐ別れちゃってたのに」
風「うん、なんか今回は本気みたいよ」
海ちゃんの幸せ、心から願ってるよ。
河合「なんだよ~、ずいぶんとメンバー減ったなぁ。今年は神宮寺と岩橋もいなくなっちゃったしなぁ」
廉「まあ、あいつらは今頃めっちゃラブラブしてるんじゃないですか?」
実は、ジンくんはついにいわちに告白して、めでたくカップルになったのだ!だけど男同士のカップルはまだまだ日本では受け入れられていないからと言って、二人でアメリカに移住してしまった。
河合「みんな幸せになって、”河合会”を抜けていくんだぁ~っ!永瀬!お前はどこにも行かないでくれ!!」
同僚教師「河合先生、それ一番無理そうな相手に頼んでますよ。こんなイケメンがいつまでも一人でいるわけないじゃないですか…」
河合「みんなぁ~!俺を裏切らないでくれぇ~!」
廉「河合先生、大丈夫ですよ。こいつがいますから!」
廉がありさの肩に両手を乗せて、河合先生に差し出す。
ありさ「はぁ~っ!?私だって彼氏くらいいたことありますー!」
廉「へぇ~!それは物好きな男がいたもんやなぁ!」
相変わらず、廉とありさがギャーギャー喧嘩を始める。この二人の関係性は、ほんと変わらないな。
年月が経って、変わったこともあるけど、変わらないものもある。
例えば、ありさの廉への思い…。
ありさ「卒業式のお花の打ち合わせしたいんだけど、風、担当だよね?今いい?」
風「あ、うん。じゃあ応接室で」
あと、ありさの私への態度。
ありさは高校1年の時からずっと廉のことが好きだった。
だけど、私はありさの思いを知っていたのに廉と付き合ってしまって、ありさを裏切った。
それでもありさは、私と廉を応援すると言ってくれた。それなのに、私はやっぱり平野を選んだ。
廉は、私がクラスの女子たちにいじめられないように、「自分がふったんだ」と悪者になってくれた。
だけど、ありさにだけは本当のことを話した。(ここまでのお話は18話あたりでやってます)
みんなにその話が広まって、いじめにあうことも覚悟の上だった。だけど、ありさはそれを誰にも話さなかった。
ありさに対してひどい裏切りをした私を、許してくれたのだ。
そして、今でも私と変わらず仲良くしてくれている。
ありさ「それにしてもさ、イブに鍋ってなんか切なくない?寂しい独り身たちの集いって感じで(笑)あ、でも風は独り身じゃなかった。ごめん、一緒にして(笑)」
風「ううん、もう独り身みたいなもんやから」
ありさ「え…平野とうまくいってないの?」
風「もう、遠い世界の人になっちゃったんかなぁ…」
平野はイタリアに単身で渡り、練習生として下積みを重ね、本当にイタリアのセリエAのプロ選手になってしまった。突如現れた新星に、日本でも多くニュースに取り上げられ、あのルックスだから「Jリーグは知らないけど、セリエAの平野だけは知ってる!」という女性ファンが急増し、社会現象レベルになってる。
風「もう手の届かない存在って感じやん?こんな田舎の高校教師となんて、全く釣り合わんよね…」
ありさ「確かに、最近の平野の勢いはすごいよね…。風さ、やっぱり、廉にしとけば?」
風「はっ!?」
ありさ「廉、たぶん、まだ風のこと好きだよ」
風「んなわけないやん!もぉ~、なんでみんなして私と廉をくっつけたがるかなぁ。大学時代も、廉、いっぱい彼女おったよ?」
ありさ「だけど、どの子もすぐ別れてたでしょ?結局、廉の心の中にはずっと風がいるんだよ。誰と付き合っても、やっぱりなんか違う…って。ずっと、忘れられないんだよ」
風「それ、ありさ、自分のこと言うてるんよね?」
ありさ「へっ!?」
風「ありさも、何人か付き合ったけど、すぐ別れちゃってたやん。最近はずっと彼氏作ってないし。
ありさも、自分の気持ちぶつけてみたらいいのに」
変わらないものがもう一つ。
廉と私の関係。
廉とは同じ大学に受かって、同じ教育学部に通った。教育実習も一緒にこの高校に来たし、一緒に就職して、結局ずっと一緒にいる。
廉は大学時代に何人か彼女ができたけど、なぜかクリスマスにはいつも別れちゃって、毎年イブは一緒に河合会で過ごしている。
さっき河合先生が「平野と自然消滅」って言いかけたのをとっさに止めてくれたように、いつも何かと気遣ってくれているのがわかる。
「ずっとそばにいる。ずっと味方でいるよ」って約束を、廉はまだ果たそうとしてくれているのかな…なんて、時々思う。(←14話)
そういえば、あの約束の有効期限、「100年後」って言ってくれたし。(←19話)
うぬぼれかもしれないけど、正直、廉はまだ私を想ってくれているんじゃないかって思うときがたまにある。
でも、もう寂しいからと言って、廉に逃げ込むようなことはしない。それだけは絶対。
廉は大切な人だから、大切だからこそ、もうそんな卑怯な向き合い方はしたくない。
そして、ありさも大切な人だから、今度こそ、ありさの気持ちを裏切るようなことは絶対にしない。
それに、平野と自然消滅しそうだからと言って、「じゃあ別の人…」とはならない。
昔は、私が平野のことを考えなくなる時は、他の誰かのことを考えるようになる時だって思ってた。
だけど今は、授業のこと、生徒のこと、部活のこと…新しい恋をした訳じゃなくても、平野の事を考えずに1日が終わることも多々ある。
それは、平野への恋が終わったこととイコールじゃない。
平野は…どうなんやろう?
最近連絡をくれなくなったのは、平野にとって、 恋愛以外にサッカーが大きな存在になったからなのか?
それとも私以外の誰か他の人の存在が大きくなったからなのか…?
公開プロポーズ
「あけましておめでとうございまーす」
新学期が始まるより一足先に学校に来ていた。今日はサッカー部の初蹴り(年明けにOBなどが集まって、在校生と一緒に試合をしたりすること)が行われている。
河合「えぇぇ!マジか!?」
職員室で、スマホのテレビでスポーツニュースを見ていた河合先生が突然大声を上げる。
河合「舞川!永瀬!これ見ろ!」
平野がインタビューを受けていた。
アナウンサー「今日はなんとイタリアに来ています!なぜなら、突然セリエAに新星のごとく現れた平野紫耀選手が、日本代表に選ばれたのです!」
えっ!平野…!ついに夢叶ったんや…!
アナウンサー「と同時に、平野選手はJリーグに移籍して日本でプレーをすることを発表されたんですよね!
平野選手は既に日本でも大ブームになっていますから、日本のファンは”生平野が見られる”ということで歓喜している訳ですが、既に海外で活躍されている選手が日本に移籍するというのは珍しいパターンですよね?普通はJリーグで活躍して、海外進出を目指すものだと思うのですが、海外での活躍の場を離れることに抵抗は?」
平野「僕は大好きなサッカーができれば、場所はどこでも!それに大切な人との約束があるので!」
アナウンサー「大切な人…ですか?それは気になる発言ですねぇ。どんな人なんですか?」
平野「どんな人…?えーと、帰国子女なのに関西弁なまりの変な喋り方でぇ、髪の長さはこんくらいでぇ、あれ、今はもっと伸びてるかな?」
アナウンサー「え、いえ…”どんな人”って、そういった見た目の特徴とかではなくて、平野選手にとってどういった存在なんですか?ということをお聞きしたかったんですが…(^^;;」
平野「あぁ!そういう意味ですね!それは、高校時代からずっと大好きで大切な人です!夢が叶ったら、迎えに行くって約束してるんです!」
アナウンサー「えっとぉ…(←あまりに包み隠さず話す大スターに困惑している)天真爛漫すぎる平野選手への突撃インタビューでしたぁ!それではイタリアからでした!」
………(๑º△º๑)
河合「これ、公開プロポーズだな」
廉「ですね」
河合「あれ?このインタビューって録画だよなぁ。1月に、もう日本代表の合宿あるから、平野はもう日本入りしてんのかな?」
海人「風ちゃん!風ちゃん!」
海ちゃんが職員室に飛び込んできた。
海人「早く!早くグランドに来て!」
プロミスリングが切れる時(平野サイド)
鏡を覗いて、髪を整える。
ガラにもなく緊張していた。
平野「よしっ行くか」
鏡に映ってる髪を整えながら
君のこと 思い浮かべてた
君は今 どんな気分かな?
背筋伸ばして深呼吸をひとつ 早く会いたい
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
日本に来るのは6年ぶり。
そして、君に会うのも。
もちろんオフの時期に戻ってくることは、やろうと思えばできた。
だけど、夢を叶えるまでは戻らないと決めていたから。
君を迎えに行くその日だけを夢見て、君の存在が俺を強くした。
君がまだ知らない僕を見せたくて
どれほど強くなれたんだろう
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
ピーッ!
ゴールを決めてふりかえると、観客の中に呆然と立ち尽くす舞川がいた。
ガッツポーズをして見せる。その手首には、あの時のブレスレット。
その瞬間、チェーンが切れてパラリとブレスレットが落ちた。
2人、夢を誓い合ったプロミスリング。
切れると願い事が叶うというおまじないのリング。
平野「ただいま」
すると舞川がブレスレットをつけた右手を途中まで上げて…、その手を引っ込めて後ろに隠し、ツーンとそっぽを向いて見せた。
平野「えっ!?」
慌てて舞川のもとに駆け寄る。
平野「もしかして、怒ってる!?最近連絡してなかったから!?それは、サプライズしようと思って…」
サプライズで用意したプレゼント 後ろ手に持つ
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
平野「これ」
ポケットから取り出した小さな箱を開けると、キラリと光る石。
平野「待たせてごめん。約束通り、迎えに来た」
会えない時間の切なさは そっと
僕にゆだねて 最高の笑顔見せてね
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
風「…待たせすぎや!」
目にいっぱい涙をためたぐしゃぐしゃの笑顔の舞川が、勢いよく俺に飛びついて、在校生たちから「フゥー!」と歓声が上がった。
平野「あ、あぁー!指輪どっか飛んでった!どこ行った!?お前ら、絶対踏むなよ!探せーー!」
エピローグ~岸くん久々に登場!~
さらに1年後。
カーン、カーン。
新婦控室。
「風ちゃーん!」
風「みんなー!」
岩橋「うわ~風ちゃん!超きれー!」
ウェディングドレスを着た私に、いわちが駆け寄る。
風「いわちもジンくんも、アメリカからわざわざ来てくれたんやね!ありがとう~!}
岩橋「あったりまえじゃん!風ちゃんと紫耀先輩の結婚式だよ?」
みんな、余興で嵐の「愛を叫べ」をやってくれるらしい。楽しみ~♡
「あれっ?ここかな?」
ドアからひょこっと顔を出して部屋の中を覗いた人物を見て、みんなが一斉に叫ぶ。
「岸くん!!」
岸「お!みんな~!ひっさしぶりだな~!おめでとう~舞川ちゃ~ん」
風「岸くん!え…えぇーー!?」
近づいて気づいた。岸くん抱っこ紐してる!
風「うそー!岸くん、子供出来たんだー!」
ひゃ~!岸くんがお父さんになってる~!久々の岸くんやば~!お父さんの岸くん、また各段に色気が倍増してる~~ッ(≧∇≦*)
平野「わっ!舞川!?誰だその男は!?結婚式当日に浮気か!?離れろー!」
風「え?」
部屋に平野が入ってきて、私が岸くんの赤ちゃんを覗き込もうと岸くんの腕に手をかけていたのを見て、憤慨している。
岸「おぉ!紫耀!ひっさしぶりだな~!」
平野「岸くん!?」
風「平野平野!岸くん、赤ちゃん生まれたんやって!岸くんがもう2児の父親なんて信じられる~!?」
岸「あ、2児じゃなくて、3児の父親ね」
「パパー!」
2歳くらいの子がトテトテとドアから入ってきて、岸くんの足元にまとわりつく。
みんな「えぇーー!?」
岸「俺、自分が3人兄弟だったから、絶対子供は3人欲しいって決めてたんだよね!」
岸くんが照れ臭そうに頭をかきながら、口を大きく横に引っ張って「ヒヒッ」と笑った。
廉「なぁ、そんなことよりさ、お前ら、いまだに”舞川”、”平野”って呼んでんの?」
平野「ぎくっ(꒪ω꒪υ)」
風「遠恋期間が長すぎて、今さら変えるのなんか恥ずかしくて…(·_·;)」
廉「言っとくけど、風ちゃん”平野平野”って呼んでっけど、自分がもう”平野”やからな?んで、紫耀は”舞川”って呼んでるけど、風ちゃんはもう”舞川”ではないぞ?」
平野「あぁーーっそっかぁ~!Σ(゚ロ゚;)」
ご、ごもっとも…。
誓いのキス
(平野サイド)
教会の扉が開き、お父さんと腕を組みながら入ってきた君を見て、あまりの美しさに息をのむ。
思えば俺たちはずっとそばにいたのに、お互いに一番大切な人だと気づき伝え合うのに時間がかかって。
やっと思いを伝え合えたと思えば、すぐに離れ離れになってしまった。
だけど、やっと、自信をもって君を迎えにこれる自分になれたんだ。
今までで一番 美しい君に
相応しい僕でいたいんだ
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
ゆっくりとバージンロードを進み、お父さんから僕へと託される。
当たり前なんかじゃない 君がそばにいること
同じ気持ちを分かち合えること
その手を引かせてほしい
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
もうこの手を離しはしないから。
ありさ「あんたが直前で変なこと言うから、二人ともガッチガチに緊張してない?」
廉「まぁ、おもろいからええやん」
平野「は、はい。妻、”風”を生涯、愛し通すことを誓います…!」
風「は、はい、夫、”紫耀”を生涯、愛し通すことを誓います…!」
ありさ「言ったー!」
廉「まったく、最後まで俺が後押ししてやらなあかん二人やったな…!」
一生外れない、プロミスリングに代わるリングを風の指へ。
僕が君を守るよ
I promise…
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
神父「では、誓いのキスを」
岸「あ、やば…待て待て!」
岸くんの2番目の子がトテトテとバージンロードに出て、前へと歩いて行ってしまう。
それを追いかけた岸くんがやっと子供を捕まえて立ち上がった…
なんてことを全然知らなかった俺は、目を開けて驚愕する。
平野「わ、わぁ~~~っ!!なんで俺、岸くんと誓いのキスしてんのぉ~~~っ!?━Σ(꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ ;)」
岸「あっあわわわわ!ほんっとさーせっ!ヽ ( ꒪д꒪ )ノ」
(風サイド)
私が過去に大好きだった人と、私が今大好きな人は、相変わらずド天然で、それを見て大爆笑する仲間たちがいて、それは私が大好きだった高校時代と何も変わらない光景だった。
私、ここにいるみんなに出会えて、本当に本当に幸せだよ。
だからみんなに伝えたい。
ちゃんと瞳を見つめて伝えたい
”ありがとう”
King & Prince(岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉):「Letter」作詞作曲:杉山勝彦
(完)
長い長いお話をお読みいただき、本当にありがとうございました!
このお話のモデルとなった【本当にあったエピソード】シリーズですが、今回はあんまりありません。
岸くんが年上と結婚してそうとか、「子供は3人」とか、そこらへんです。
北海道で漁師やってるっていうのは、私の中ではめっちゃイメージある!って一人でツボです(笑)
これで風と平野のお話は簡潔ですが、実はこの結婚式の帰り道のお話を描きました。
主人公はれんれんと、れんれんにずっと片思いしていた風の親友のありさです。
「koi-wazurai」の小説一覧はこちら!
徐々に挿絵追加中!
岸くん回↓
じぐいわ回↓
海ちゃん回↓
岸くん回↓
岸くん回↓
岸くん回↓
岸くん回完結!第1章完結!↓
第2章始まり!海ちゃん、平野くん回↓
平野くん回↓
平野くん回↓
れんれん回↓
れんれん回↓
れんれん回↓
平野くん回↓
平野、廉、三角関係回↓
平野、廉、三角関係回↓
平野、廉、三角関係回↓
平野、廉、三角関係がついに完結!↓
アフターストーリー
①はわけあって、別の小説サイトに載せてます。
スピンオフ作品
れんれん
海ちゃん
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