木村がハワイへの家族旅行中に、残されたメンバー4人が解散を決めた本当の理由とは・・・!?
それは、仲間を愛するがゆえの決断だった。
これはSMAP解散の真相を妄想して書いたフィクション小説です。
「さよなら」と言えば君の傷も少しは癒えるだろう?
出典:SMAP「オレンジ」作詞作曲:市川喜康
木村サイドストーリー
家に帰ると、テーブルの上に離婚届が置かれていた・・・。
木村「俺、離婚するかもしんねー・・・」
中居に告げた。
中居は驚いた様子で、息を呑む。
中居「どうゆうことだよ?うまくいってなかったのか?まさか・・・今回の騒動が原因で・・・!?」
俺は、一度はSMAPの解散を覚悟した。
しかし、メンバーは俺のことを何としてでも見捨てないという姿勢を見せつけてきた。
俺は、メンバーのその捨て身の行動が心底嬉しかった。
そして、もう一度SMAPとしてやっていきたいと強く思うようになった。
だから、妻にちゃんとわかってもらうため何度も話をしてきた。
木村「俺は、妻にまた5人でやっていくと話をした。その意志を妻にもわかって欲しくて、何度も話をしてきたんだ。だけど副社長が、SMAPが解散すれば俺の俳優としての仕事だけは保証すると妻を説得している」
中居「えぇっ!?」
木村「そんなの妻の心を操るための嘘だってわかるけど、妻は完全に副社長のことを信じてしまっている。
今回のことで妻も相当あることないこと書かれて疲労しているし、子供たちも学校でイジメに遭っているらしい・・・。
そんな弱っている状態のときに、妻の話を聞いていたのは副社長だったんだ。弱っている妻に、あいつは漬け込んだ。もう妻は俺の言うことはほとんど聞いてくれない。副社長の言うことばかりを信じて、まるで洗脳状態で・・・」
中居「ちくしょー!相変わらずきたねー手使いやがって!」
木村「俺たちがもう一度やり直すにしても、事務所に残ったままじゃ道は険しい。だからといって今後また事務所を出て独立するとしたら、またいろいろと言われて家族にも風当たりが強くなると思う。
それで俺、もしそうなったら娘たちを海外留学させてみないかって妻に提案したんだ。心配だったら、しばらくの間妻も海外に移住してもいいって。そうしたら、“家族よりも仕事を選ぶっていうの!?”って泣き喚いて・・・。
だけど、俺にとって“SMAP”はただの“仕事”じゃないんだ。俺の生き様みたいんなもんだから。やっぱり俺、SMAPじゃなくなったら生きていけないって思ったんだ。お前たちがそう思わせてくれたんだ」
中居「だけど・・・っ!!離婚なんて・・・お前は本当にそれでいいのかよ!?」
木村「・・・いいわけねーだろッ!!15年前、SMAPに迷惑をかけてまで結婚したいって思った相手だ。そんな簡単に別れられるなら、あの時そんな決断してない。だけど・・・離婚って言い出してるのは妻のほうなんだ。
俺は、別居してみたらとは言ったけど、離婚する気なんて全くない。だけど、妻は一緒にいられないなら離婚するのと同じだって聞かなくて・・・。
でも俺は、大切だからこそ離れるってゆう愛の形もあると思うんだ。今は、一緒にいたら傷つけてしまう・・・」
そこまで言って、目の前にいる中居が俺よりもずっと辛そうに顔をしかめていることに気づいた。
木村「今、妻は離婚届を置いて、子供を連れてハワイに行っている。どうやら副社長が誘ったらしいんだけど」
中居「なんだよそれ!?人質にでも取ったつもりか!?何企んでやがる・・・!?」
木村「妻も子供も日本にいると毎日辛いことばかりが耳に入ってくるから、現実から逃げたい気持ちもあるんだと思う。でも、向こうで副社長に何を吹き込まれるかわからない。もしかしたらこのまま家には帰らないつもりなのかもしれない。でも、俺はこんなふうにすれ違ったまま家族がバラバラになるのは嫌なんだ。
俺にとって家族は、SMAPと同じようにどうしたって手放せない、失くしたら生きていけない存在なんだ。だから、これから少し休暇を取って、ちゃんと家族と話をしてくるつもりだ」
中居「あ、あぁ。それがいい。よく話してくれたな」
木村「俺さ、今まで家族に無駄に心配かけたくないって思って、あんまり家庭では今回の騒動のことも話さなかった。俺一人が背負い込んでればいいんだって思ってた。でもそのせいで、妻がこんなに不安になっていたなんて、気づけなかった。
俺とお前も、いつも肝心なこと隠して、お互いをかばい合ったりしてきたけど、これからはもうちょっと本音見せていこうって思ったんだ。
今回ばかりは、ちょっと甘えさせてくれ。
妻にはきっとちゃんとわかってもらって帰ってくるから、それまで中居、留守を頼んだぞ」
中居サイドストーリー
木村が正直に話してくれて、全ての合点がいった。
木村に話を聞く数日前、俺は副社長に一人で呼び出されていた。
副社長「不仲説のおかげで、世間では木村擁護派もできてまずまず作戦は成功ってとこね。あなたたちには感謝してるわ。
でも、これでもうあなたたちの役目はおしまい。ご苦労さま。
木村のことは、俳優として視聴率が取れるうちはもう少し使わせてもらうわ。
でも、あなたたちが一番大切にしているSMAPとしての栄光は私が潰させてもらうわ。私に散々歯向かってきた罰よ!あなたたちは、解散するのよ!いいわね!!」
中居「はっ!?どうゆうことですかっ!?俺たちは、また5人でやり直すためにあんな嘘の不仲説を演じてきたんですよ!?」
副社長「そんなの私の知ったこっちゃないわ~。私はとりあえず、あと少しは使えそうな木村のイメージを回復しておきたかっただけ。あなたにももう少し稼いでもらいたかったけど、あなたは全く私の思い通りにならなくて扱いにくすぎるわ!
他の3人と一緒にこのまま事務所で飼い殺しにしてやるわよ。私は最初からあなたたちを助けるつもりなんてさらさらなかったのよ!
SMAPはもう終わりよ!あなたたちに残された道は、解散しかないのよ!」
中居「そんなの許さない!それに木村だって・・・!」
副社長「中居、あなたリーダーなんて言ってもメンバーのこと何にもわかってないのね~。木村が、本当に解散を望んでないと思うの?」
中居「どうゆうことだよ!?」
副社長「さあね~。ただ、私は木村を思い通りに操る道具を持っているってことよ」
意味深な笑みを浮かべるこいつの思惑。
それは、木村の奥さんを洗脳して、木村を思い通りに操ることだったのだ。
俺たちがのんきに
「世間の風向きが変わった!」
なんて喜んでいる裏で、時間をかけてジワジワと、俺たちを潰す計画を進めていたのだ。
木村が日本を発って、俺は吾郎、剛、慎吾を集めた。
慎吾「解散!?どうゆうこと!?
せっかく木村くん救出作戦もまずまずな成果が出てるし、僕と木村くんの不仲説撤回運動も少しずつ気づいてくれてるファンも出てきてるのに!なんで今さら!?
ねぇっ!中居くんっ!!」
剛「慎吾、とにかく中居くんの話を聞こう」
興奮する慎吾を、剛が制する。
吾郎「それで?どうゆうこと?中居くん」
吾郎が、冷静に俺の正面に座る。
中居「木村の家族、SMAPの騒動のせいで大変なことになっていたらしい。副社長の策略で奥さん洗脳状態になっちゃって、木村とちゃんと話もできないくらいにまいってるらしいんだ。
木村の家族をここまで追い込んだのは、俺の責任だ。
木村が最初に解散を口にしたときに、俺がそれを受け入れていれば、ここまで木村の家族が壊れてしまうことはなかったかもしれない。
それなのに、俺があいつを離せなかったばかりに・・・。
俺たちが木村救出作戦をしたことによって、SMAPを捨てて家族をとるという選択肢を木村から奪ってしまったんだ。家族の心を壊されそうになっているってゆうのに・・・。
だけど、木村に言われて気づいたんだ。“大切だから離れるという愛の形もある”んだって。一緒にいたら、傷つけてしまう」
吾郎「大切だからこそ離れる・・・」
吾郎が俺の言葉をなぞる。
慎吾「だけど・・・っ!こんな大事なことを木村くんがいないときに決めちゃっていいのっ!?ずっと一緒にやってきた仲間なのに・・・!そんなのひどいよっ・・・!!」
慎吾が怒る。
中居「木村がいないときに決めなきゃ意味がないんだ。木村の家族を守るためにSMAPを失くすと言ったら、木村はそれを了承するか?自分一人のために、SMAPがなくなるって言われたら?
今までずっと一緒にやってきた仲間だからこそ、そんな辛い選択をさせるわけにはいかねーだろ。これは、俺たちだけで決めなきゃいけないことだ。
あいつを守ってやれるのは、俺たちしかいないんだから」
そうだ、いつか”木村をとるのか下の3人をとるのか”という選択を突きつけられたとき、俺は答えを出すことができなかった。
それを見兼ねて、木村が自分だけ悪者になろうとしてくれたんじゃないか。
順番なんてつけられないほど大切な二つのもの、どちらかを選ばなきゃいけないなんて酷なことを、仲間にはさせられない。
中居「みんなごめん・・・。これで、いいよな・・・?」
慎吾が震えながら目を真っ赤にしている。
剛と吾郎は黙ってうつむいた。
この日俺たちは、木村不在のまま”SMAP解散”を決めた。
そして、世間はお盆休み真っ只中。
「SMAP解散!!」
の報道が世間を騒然とさせる。
木村の帰国を待たずに。
俺たちの決意が揺るがないように。
少しでも、木村の傷が浅くなるように。
帰国した木村は、キレまくっていた。
木村「なんでっ!なんで・・・っ!!全部俺のせいだっ!俺が、中居にあんな弱音吐いたから!」
木村は悲しいとき、その感情を隠すために悲しみを怒りに変えるタイプの人間だ。
絶対に弱いところを見せない。
すぐに泣いてしまう俺なんかとは違い、絶対に涙は見せない。
そうゆう男だ。
だからこいつの怒りが大きければ大きいほど、こいつの悲しみの大きさを痛感する。
木村「お前ら、俺を責めろよ!!俺が裏切ったんだ・・・!!俺が、SMAPを・・・!俺は裏切り者だ・・・っ!!」
でも、誰も木村を責めるやつはいない。
これは、俺たちが自分で出した答えだ。
中居「木村、お前を裏切り者だなんて思ってるやつは、ここには一人もいねーよ。
俺たちは、SMAPを失ったんじゃない。自分から手放したんだ。
誰が悪いとかじゃない。誰も悪くないんだ、本当に。
なんなら、俺が悪者でもいいよ。俺の力が足りなかったんだ。俺が絶対にSMAPを守るって、ずっと言ってきたのに、守りきれなくて・・・ごめん」
木村「なんで中居が謝るんだよ!俺が、俺が・・・!
SMAPを選びきれないでいたから。そんな姿を中居に見せたから。俺が裏切った。俺が裏切ったんだ・・・」
中居「お前は裏切り者じゃないよ。
それに、たとえお前が本当に俺らを裏切るようなことがあっても、それでもお前を憎むやつはここには一人もいない。そうするしかなかったほど、お前も悩んで苦しんだんだってみんな考える。
28年も一緒にいたんだ。それくらいわかる。何があっても、俺たちはお前の仲間だ」
木村「う、うぅ・・・・っ!」
その日、俺たちは絶対に泣かない男の涙を見た・・・。
人波の中でいつの日か偶然に
出会えることがあるのならその日まで・・・
「さよなら」僕を今日まで支え続けてくれた人
「さよなら」今でも誰より たいせつだと想える人
そして 何より二人がここで共に過ごしたこの日々を
となりに居てくれたことを 僕は忘れはしないだろう
出典:SMAP「オレンジ」作詞作曲:市川喜康
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