東野圭吾さんの小説「マスカレード・ホテル」では、最後ちょっといい感じで終わった新田浩介と山岸尚美の関係。
ミステリー小説なので恋愛の要素はストーリーとは関係ないのですが、私的にはそこが結構気になっていた(笑)
映画版では木村拓哉さんと長澤まさみさんなので、ラブストーリー要素も意識した配役だと思うし!
続編の「マスカレード・ナイト」では、二人の関係がどうなったのかを知りたくて読みました!むしろそこだけでいいから早く知りたくて!!(笑)
こちらでは「マスカレード・ナイト」の新田浩介と山岸尚美の恋愛要素にだけ着目してネタバレを書いていきたいと思います。(でも、結果的にちょっとだけストーリーのネタバレにも触れることになるので、ご注意くださいね!!)
目次
小説「マスカレード・ナイト」は時系列的にいつの話?
「マスカレード・ナイト」は、「マスカレード・ホテル」の数年後のお話です。
はっきりと「○年後」という言葉は最後までなく、「数年前に一緒に事件を解決したことがある」と新田が回想しているので数年後です。
「マスカレード・ナイト」では、「マスカレード・ホテル」の時にはなかった役職が設立されており、山岸尚美はフロントクラークからコンシェルジュという役職に異動(昇任?)しています。
ちなみにそれぞれの作品の中での山岸尚美の役職はこちらです。
- 「マスカレード・イブ」フロントクラークになりたて→フロントにやってくるお客様の裏事情をあれこれと想像してしまう未熟さが残るキャラクター。心の声は毒舌。
- 「マスカレード・ホテル」ベテランのフロントクラーク→ホテルの同僚のみんなから信頼されるほど仕事ができる。超できた人間。
- 「マスカレード・ナイト」コンシェルジュ→お客様からの無理難題に応える何でも屋。経験と機転を必要とする難しい役職。
再会
「マスカレード・ナイト」では、またしてもホテルコルテシア東京が次の殺人現場になるかも!?という情報が入ったために、前回同様、警察官たちがホテルマンになりすまして捜査を行うと言うことになった。
経験のある新田浩介らが駆り出されることとなり、山岸尚美と再会することとなった。
実は前回の事件解決から今回の再会まで、ふたりは1度もプライベートで会ってはいなかった。
「マスカレード・ホテル」のラストでは事件解決の際に、警察側が捜査に協力してくれたお礼だったか、ホテル側が尚美を助けてくれたお礼だったか忘れたけど、食事会を開催した。
支配人がいては気が休まらないだろうという配慮で、ホテル側からは尚美だけが行くことになり、警察側は新田と新田と相棒を組んで捜査で活躍した所轄刑事の能勢が出席することになったが、出席メンバーが3人だけと知った能勢は気を利かせて「用事を思い出した」と言ってすぐに帰ってしまい、新田と尚美が二人で食事をすることになったという経緯がある。
「マスカレード・ナイト」ではこの時のことを思い出して、「事件解決後、山岸尚美と一度だけ酒を飲んだことがある。なかなかの飲みっぷりだった」ということを新田が回想しているシーンがあるが、「一度だけ」と書いてあるので、その後二人で会う機会はなかったということだ。
新田浩介のほうが山岸尚美を好きだった?
新田はまた潜入捜査があると聞いて、面倒な捜査に気が進まないという思いと同時に、尚美と再会できることに少しワクワクしている心境が描かれている。
一方尚美のほうは、新田の顔を見るまで新田の名前を忘れていた、というほどこの数年間ずっと新田のことは頭からすっぽ抜けていたらしい。
なので、離れていた間に、ふたりがお互いにずっと想いを寄せ合っていた、ということはない。
クライマックスのシーンはちょっとキュンキュンするかも?
こちらはかなりストーリーのネタバレになるのですが…
なんと今回のお話でも、前回に引き続き山岸尚美が殺されそうになります…!!
「マスカレード・ホテル」のときは、完全に最初から尚美がターゲットだったのに対し、今回は間違って人違いで殺されそうになるわけですが、かなり危険な状態だった。
尚美の危険を知り駆けつける新田だが、これは刑事としての行動であって、恋愛的なものとは違う。でも、また映画化するとしたら、ここはかなりの山場になりそう。
「謎解きはディナーのあとで」の映画版でも、船が沈没するかも…!みたいな危険なシーンで、翔くんが北川景子ちゃんを守ろうとしているシーンには嫉妬しちゃったよなぁ。あれも執事としてなのか、恋心なのか、曖昧にしているところがまた視聴者をやきもきさせたんだよね。
新田浩介と山岸尚美がくっつくのは続編に持ち越し?
ラストでは尚美が実力を買われて、新しくできるホテルコルテシアのロサンゼルス支社に引き抜かれるという話が浮上。
迷っている尚美だが、新田にも相談した結果、ロスに行くことを決める。
こうして遠距離になってしまった二人なので、またしても二人がくっつくということはなかった。
しかし、ロサンゼルスと言えば、新田の父親が住んでいるところで、新田自身も高校生くらいまで(?)ロサンゼルスで暮らしていた。(高校生で、帰国子女として日本の高校に通っていたはずだから、中学生くらいまでアメリカにいたんだっけかな?)
新田にゆかりのある場所を選んだところに、東野圭吾さんがまた続編を書こうとしている布石なのかな?と思わせる。
次は何らかの理由で新田がロサンゼルスに行くことになり、そこでふたりは再会を果たすのではないだろうか?
マスカレードシリーズは東野圭吾さんにとって、とても大切な作品らしい。すでに3作も出しているので、今後も続編が出てシリーズ化されることがあってもおかしくはない。
さらに「マスカレード・ナイト」のラストでは、「あなたがいるうちに、一度お客として泊まってみたかった」と言って、新田が尚美の働く「ホテル・コルテシア東京」に泊まりに来るところで終わる。
本当に何とも思っていない相手なら、プライベートでこんなふうに「もう会えなくなるから、最後に会いに来たよ」みたいなことはしないと思う。
新田の方がかなり尚美に惹かれているとは思うが、尚美はキリリとしたキャリアウーマンで、全然恋愛体質ではないので、なかなか恋愛関係にはなりにくいのかもしれませんね。
また新田の方も、若きエース(映画では木村拓哉さんが演じているけど、原作では若くして捜査一課のエースっていう設定なんです)で容姿端麗、女の子にモテる、という設定なので、自分からグイグイと女性にアプローチをかけていくようなことはなさそうですよね。
そんなふたりなのでなかなかくっつきませんが、お互いの仕事にかける姿勢をリスペクトしているし、一緒に危機を乗り越えているので親密度も高まっています。
とってもお似合いのふたりで、付き合っちゃえばいいのになと読書に思わせますよね。
そういった魅力で読者を惹きつけることはシリーズ作品の主人公としては必須条件ですよね!
登場人物に思い入れがあるほうが、「もっと次の作品が見たい!」って思えるし、そのためには登場人物の関係性が完結しないほうが面白い。
そういった意味でも、この二人には「くっつきそうでくっつかない」という微妙な関係を持続してもらう必要がありそうですね!
東野圭吾「マスカレード」シリーズの小説とオススメの読む順番
時系列としては
- マスカレード・イブ
- マスカレード・ホテル
- マスカレード・ナイト
なのですが、
オススメの読む順番としては、発売順がいいのかな~と思います。
- マスカレード・ホテル
- マスカレード・イブ
- マスカレード・ナイト
基本的に、マスカレード・イブはマスカレード・ホテルの伏線回収っていうか、補足エピソードみたいな感じなので、マスカレード・ホテルを先に読んでいたほうが、「あ~、これがあの時のあれね!」みたいに楽しめます。
マスカレード・ナイトは時系列としても一番最後だし、マスカレード・ホテルのときのことを思い出したりする描写が多いので、絶対に最後に読むべきです!