「サバイバル・ウェディング」ももうすぐ最終回だけど、ここに来て原作の小説を全部読んでみた!
宇佐美編集長(伊勢谷友介)の家って貧乏なの?
多香子(高橋メアリージュン)の浮気話に出てきた時計について
最終回でさやか(波瑠)は編集長と柏木王子(吉沢亮)どっちとくっつくの?という結末など
気になる部分をドラマと原作の違いについてまとめていこうと思う。
もうすでにちょっとだけエピソードが変わっているところなんかもあったし、カットされている描写もあった。
小説では宇佐美編集長(伊勢谷友介)の魅力がドラマに増して丁寧に描かれていたので、そちらもご紹介します!(私、編集長派です!!)
ネタバレを知りたくない人は、最終回が終わってから読んでくださいね!
目次
- 1 宇佐美編集長(伊勢谷友介)の家は貧乏なのか?という謎
- 2 多香子(高橋メアリージュン)がしていた腕時計は、編集長(伊勢谷友介)があげたものだった!
- 3 原作小説にあった宇佐美編集長(伊勢谷友介)の可愛い描写がドラマではカットされすぎだぞ!!
- 4 さやかはいつから編集長のことを好きになりかけていた?
- 5 自分のために戦ってくれた父親でもなく、恋人でもなく、ただの上司
- 6 結婚式でバージンロードは宇佐美編集長と
- 7 ドラマと同じく原作の小説でもさやかはかなり優柔不断だった
- 8 ちえり(ブルゾンちえみ)とりょうにゃん(小越勇輝)がハッピーエンドに
- 9 「サバイバル・ウェディング」結末への感想。宇佐美編集長派としては、ちょっとだけモヤモヤ!
- 10 ドラマ「サバイバル・ウェディング」のキャストはイメージ通り?
- 11 柏木王子(吉沢亮)
宇佐美編集長(伊勢谷友介)の家は貧乏なのか?という謎
まずは、ここが一番気になっていたところ!
【ドラマ】
レセプションパーティーで酔いつぶれてしまった編集長を、さやかがタクシーで送っていったシーン。
編集長はタワーマンションの下まで送らせて、そこでさやかを先に返し、自分はそのタワマンには入らずに雑居ビル街の方に歩いて行きましたよね?
このことから、実は編集長の家は貧乏で、見栄を張ってさやかには自分がタワマンに住んでいるように思わせたと伺えます。
ファッションブランドで身を固めている編集長が、実は貧乏!?という訳ありな設定に、かなり気になった人も多いと思います。
【原作小説】
実は原作の小説では、編集長を送って行ったさやかは、編集長の部屋の中にまで上がっています!
編集長をソファーに寝かせるところまで面倒を見ているんですね~。
その時の描写はこんな感じ。
編集長の住んでいるマンションは想像していたよりもかなり質素だった。切れかかった蛍光灯が放置されていて、エレベーターの扉が開くとキーンという音がした。宇佐美のことだからこれ見よがしなタワーマンションの最上階にでも住んでいると思った
とさやかは感想を抱いています。
また
宇佐美の部屋は7階にあって、2m向こうには別のマンションが建っていて、排気ガスを含んだすきま風が通路を吹き抜ける
という描写からも、かなり建物と建物の間が狭い雑居ビル街を連想させ、ドラマで伊勢谷友介さんが歩いていた街並みとぴったりきますね。
しかし!なんと最後まで編集長が貧乏であると言う謎解きらしき描写はなかったのです!
「実は編集長は意外に苦労人で…」とか、編集長にスポット当たる回がこれからあるのかなあ~?なんて思っていたけど、特にそこには何も触れずに終了~。
ではなぜこの描写があったのか?と理由を考えてみた。
- 人気雑誌の編集長→世間的に肩書きと名誉がある人
- 高級ブランドのファッションアイテムをいつも身につけている→金持ち、見栄っ張り、セレブな生活が好き
宇佐美編集長を客観的に見ると、こういったイメージになると思います。
セレブな生活が好きな人のイメージって、一生懸命仕事してお金を稼いで、プライベートでは豪遊する。
豪華なタワマンに住んで、お風呂にバラ浮かべて、バスローブ着て、高級ワインを飲んで…みたいな?(←宇佐美はお酒が一滴も飲めないから、まずワインはないんだけど)
しかしさやかは、編集長の家の中を見て、仕事の原稿が散乱していたり、広告に使った化粧品を使った痕跡があったり、「家でも仕事ばかりしているんだろうな~」と感じている。
さらに休日も市場調査と言って仕事をしていた。
だから多分、編集長が高級ブランドを身につけているのは、周りに対する見栄とか、贅沢をしたいという気持ちではなく、
ただただ純粋にファッションやブランドが好き!!という気持ちから行なっている行動なんだと思う。
本当にファッションが好きで、雑誌を作ることが好きで、自分の好きなことに一筋に生きている働く男!!(だから家とかにはお金をかけない)ていうことを描きたかったんだと思う。
多香子(高橋メアリージュン)がしていた腕時計は、編集長(伊勢谷友介)があげたものだった!
ドラマと小説で一番違うじゃん!!と思ったのがここ!
6話は編集長(伊勢谷友介)のパリ出張で、編集長代理を任された多香子(高橋メアリージュン)の不倫&多香子とさやか(波瑠)が喧嘩→仲直りで女の友情深まる、という回でした。
編集長代理の仕事でいっぱいいっぱいになっている時に、元不倫相手の奥さんから裁判所に訴えるという通告が来てしまい、更なるピンチに立たされた多香子はさやかに八つ当たりをしてしまいましたね。
多香子はいつも男物の時計をしており、2話でさやかの断捨離を手伝ったときも、腕時計は外して大切そうにハンカチの上に置いていました。
多香子が不倫しているのでは?という描写はちょいちょいあったため、この腕時計はきっと不倫相手からもらったものなんだろうと予想していた人も多いと思います。
多香子の不倫について
【ドラマ】
多香子が編集長代理でいっぱいいっぱいになっている時に、元不倫相手の奥さん(遼河はるひ)が会社に乗り込んでくる。
「あなたが得意げにつけているその腕時計だって、あの人の常套手段なんだから!」と奥さんに言われる。(不倫常習犯?)
さやかが断捨離を手伝ってくれたお礼に、「今度は私が捨ててあげる」と時計を捨てようとするが、「それ高いから!」といって多香子は売って慰謝料返済にあてるらしい。
優子(須藤理沙)が産休で休んだ後、もう仕事に戻れないんじゃないかと不安になっていた時、編集長が
「rizにはお前が必要だ」
って言ってくれた。
【原作小説】
多香子は高校生の頃からrizが大好きで入社したけど、宇佐美が編集長に変わった途端、どんどん広告を入れていきファッションから離れていって、「そんなのrizじゃない!」と仕事もできないくせに偉そうなことばかり言って、孤立した。
当然仕事がうまくいかなくなって、女の子のグループに入るのも苦手だったから相談する友達もいなかった。
ちょうどその時、妻子持ちの男がすごく優しくしてくれて、不倫だからわがまま聞いてくれてたのに、まだその分かんなくてどんどんのめり込んじゃって…
とここまではドラマで言っていたのと同じ。
そして、ドラマでは今現在奥さんに訴えられていたけど、原作では不倫中に奥さんにバレて訴えられた。
しかし、彼が守ってくれなくて、それがショックで会社に行けなくなった。
そしたら突然家にボスが来た。
「rizにはお前が必要だ」
って、編集部の始業時間に針を合わせてあるこの腕時計をくれた。
多香子がつけていたのは編集長がくれた腕時計だったのだ!!
そして、編集長が優子さんに言った「お前が必要だ」っていう言葉、すごくいいな~とドラマを見て思ったんだけど、これも多香子に言ってくれた言葉だったんだ!?
なんでここ改変したんだろう??
ゲラチェック忘れたのも本当はさやかだったのに、ドラマではりょうにゃんになっていたし、エピソードがいろんな人に分散されている傾向がある?
でも弱っている時に妻帯者に優しくされて不倫に走っちゃった多香子だったら、失恋して訴えられて、職場で孤立しているってどん底の時にこんなに優しくしてくれた編集長のこと、なぜ好きにならなかった!?
こっちだったら独身だぞ~~っ?
私だったら絶対に好きになっちゃうな~~っ(><)
さやかと多香子の喧嘩について
【ドラマ】
いっぱいいっぱいになった多香子が、一方的にさやかに八つ当たりをしているような感じだった。
さやかはあまり言い返したりしていなくて、言葉も選んでいた。さやかは頑張ってフォローしようとしていて何も悪くないのに、多香子にボロクソ言われてかわいそうな感じだった。
多香子に月曜の時点で頼まれていたゲラチェックを忘れていて怒られたりょうにゃんをさやかが庇うために、「多香子が企画を通さなかったから、皆が大変になっているんだよ?」と優しく諭していた。
【原作小説】
ゲラチェックを忘れていたのはさやか。元々それで多香子が怒り出したのが火種となって口論が始まっている。
ゲラチェックを忘れた自分はもちろん悪いが、「多香子が企画を通してくれていれば他の仕事ができたのだから、そんなに強く怒られることじゃない」と不満を持ち、さやかが反論したのが喧嘩の始まり。
ドラマでは多香子が一方的に気が強かったけど、原作ではどっちも負けずに言い合っている。(さやかも悪い感あり)
この会話の前に、さやかは母親と電話している。その時に他に女を作り家を出て行った父親のことを思い出して感傷的になっていた。
そのために言わないでおこうと決めていた多香子の不倫のことを口にしてしまった。(さやかの両親が離婚している事実は、この話にとって結構重要な要素だと思うので、この描写はカットしなくてもよかったと思う)
喧嘩の流れから多香子が「インドに行くのを迷っているのは、結婚相手を条件で選んでいたから。結局さやかは自分のことしか考えていない!」と言われ、不倫をしていた人に”自分のことしか考えていない”と言われたことがさやかは許せなかったため、「不倫してたくせに」と口にしてしまった。
ドラマでは6話だったけど、原作ではこれはけっこうクライマックスに近い終盤の時系列である。(祐一にプロポーズされて、でもインド行きが嫌で結婚を迷っているとき)
ちなみに9話で、インド行きを迷っているさやかに多香子が
「インドに行けないようなら、きっと日本で付き合っていてもうまくいかないよ」
と優しくアドバイスしていたが、原作ではこの言葉は多香子が喧嘩の勢いでさやかに言った言葉である。
原作小説にあった宇佐美編集長(伊勢谷友介)の可愛い描写がドラマではカットされすぎだぞ!!
ドラマではカットされた編集長の可愛い小ネタ!
【1話】魅力的な男にさやかが狙われていることを和也に見せつけるため、モデルのケイタに頼むと言っていたのに、結局は宇佐美がオープンカーで現れたシーン
1話のラストのシーン、これはこれで爆笑だったんだけど、小説だともっともっと編集長が可愛い!!
- オープンカーで颯爽と現れたときの挨拶が、額のあたりから指二本を前に振る古いタイプの「よっ!」。さらに「早く乗れよ!」と親指で助手席をさす。仕草のすべてが80年代。
- 運転が下手。「おい、右見てくれ!右来てるか!?」としつこく聞いてくる。
猫舌な編集長が可愛い!
- その後行ったもつ鍋屋で、「俺はホテルのラウンジとかでしか飲まない」とか「三ツ星でしか食べない」と言って不満げだったのに、さやかが美味しそうにもつ鍋を食べてるのを見て食べたくなっちゃう。「ちょっと食べますか?」と言われて、「庶民の食事を経験しておくのも編集長としての社会勉強だ」と花男の道明寺みたいな言い訳をしながらも結局食べる。
- そしてもっと食べたかったらしく「もう肉ないのか?お前そんなに食ったの?だから太るんだよ!」と文句ばっかり言う。
- 猫舌で、熱いものフーフーして食べる。
ドラマではここのシーンは編集長のうんちく披露だけで終わったので、かなり残念!この猫舌フーフーシーンはかなり伊勢谷友介さん可愛く演じてくれそうだったのに!
【7話】編集長の考えていることは手に取るようにわかる(=編集長は子供みたい!?)
市場調査と言って休日にさやかを自分の買い物に3時間もつきあわせた編集長。
その後のカフェのシーン。
- 「編集長はご機嫌。きっと自分の買い物ができたからだ。さっき買ったばかりのジャケットにもう袖を通している。冬にもかかわらずテラス席の一番道路側に陣取ったのは、通行人に自分を見せたいからだ。ショートケーキが運ばれると乗っていたイチゴを脇に避けた。最後に食べるのだろう。全くこの男だけは何を考えているか手に取るようにわかる」とさやかは感じている。
編集長の行動が子供っぽすぎて頭の中丸わかりっていうのも可愛いけど、これってさやかと編集長がすごく息があっていて、さやかが編集長のことをとても理解しているっていう意味でもあるんだよな。
でもでも!ドラマではイチゴは真ん中に置いたままにしておいて、端からケーキを食べて言ってイチゴのところに来たら食べるのがマナーだって教えてくれたけど、そのうんちくなかった。
その後「人を幸せにする力」っていういい話に移り、最後は
「クーポンあります!」
のオチっていうのは原作通りでグッドでした!
さやかはいつから編集長のことを好きになりかけていた?
小説とドラマの一番の違いは、
【小説】
さやかは宇佐美を男として意識していた。宇佐美のさやかへの気持ちは最後まで不明。
【ドラマ】
宇佐美がさやかのきれいさにハッとしていた描写があった。(ルブタンの靴のシーン)さやかが宇佐美ともっと一緒にいたいと思ったのは、「一緒に仕事がしたい」という意味かも知れなくて、男として気になっていたのかが微妙な描き方だった。
ということだと思います。
ということで、小説ではいつからさやかが宇佐美編集長を意識し始めたのかをまとめてみようと思います!
さやかと編集長は客観的に見ればとっても仲良しでいい感じなんだけど、本人たちはお互いを意識したりしているのでしょうか?
ドラマでは編集長の方はまったくそういうそぶりがないように思いますよね。
さやかは
【ドラマ】
3話→ パーティーの帰りに今日のお前はあの中で一番輝いていたと編集長に言われてちょっとドキッとした?
7話→バスと付き合っちゃえばと貴子にからかわれた
とこれくらいなもので、特別編集長を意識しているという感じはしませんね。
しかし原作の小説では、さやかが徐々に編集長のことを気になり始めている描写が、ちょこちょことありました。
【原作小説】
いつも仕事を頑張っている編集長の姿に尊敬を抱いた
たぶん最初にさやかが編集長にちょっとだけ好意を抱いたのはドラマの3話で描かれた編集長が酔いつぶれてしまったパーティーの帰り。
編集長の部屋にはたくさんの原稿や、rizがタイアップした化粧水の使いかけのボトルが転がっていて、広告のために編集長が実際に化粧水を使ってみたことが伺えた。
見えないところで色々な物と戦っているのだ。深夜に一人残りデスクで原稿に向かう姿を思った
宇佐美の無防備な寝顔と、目をつぶっても残る目尻のシワを見て、さやかは宇佐美に対して仕事を一生懸命するかっこいい大人の男としての尊敬を抱き、ほのかに好意を抱いたのではないかと思われる。
寝顔見て、ふいに気になり始めるって、ドラマでは結構あるあるな展開だと言う。
多香子たちにからかわれた
さらにお次は、ドラマ7話であった多香子と優子に
「ボスと付き合っちゃえば~!?なんか仲良さそうだし、さやかにはボスが一番合ってる気がする」
「私もそう思う!編集長もさやかをいじる時が一番生き生きしてる」
とからかわれた時。
何を言い出すんだと思いながらも、二人に言われた事が頭に残ってしまいつい編集長が彼氏だったらと考えてしまうさやか。
周りからからかわれるとついつい意識してしまう…ってやつですな。
ドラマでは「まったく何言ってんのよ~!」って感じだったけど、原作ではけっこうこの言葉によって気になってしまっている。
編集長のさりげない優しさに気付く
3話のパーティーに同伴する女性として編集長がさやかを指名したときのこと。
どうして編集長はレセプションパーティーに自分を連れてきたんだろう?普通に考えたらファッション班のメンバーを連れてくるべきだった。もしかして和也と別れて落ち込んでいたから、元気付けようとしてくれたのか?
とさやかは考えた。
ドラマの中ではさやかが一番着飾った時に見栄えするから、自分の隣に並んで歩く女として自慢したいからさやかを連れてきたんだろうと解釈していたが、原作の方が編集長の優しさが丁寧に描写されているし、さやかも編集長のそんなさりげない優しさに気付いている。
編集長がさやかの才能を買ってくれていた
さやかが婚約を破棄されて復職を頼みに行った時に、rizを紹介してくれた元々の上司から聞いたところによると、編集長はもともとさやかがやっていたグルメ記事を読んでいたらしく、
「この子は才能があるから、うちで引き取りたい」
と言ってきてくれていたのだそうだ。
婚約破棄されて出戻りする30女を面白がって引き取ったのかと思っていたから、この言葉はさやかにとってはとても嬉しかった。
元の上司は、
「いい上司っていうのは部下をよく見ている。俺はお前の才能を見抜けなかった。バイタリティーだけが取り柄だと思って、取材ばかりやらせてしまった。もっと書く仕事をやらせてあげればよかった」
と後悔していた。
宇佐美編集長はさやかの才能を、誰よりも分かってくれていたのだ。
突然男を感じさせることを言う編集長にドキっとする
祐一にプロポーズをされて、インドに連れて行かれることが不安でしょうがないさやかに、不意に
「俺はお前がそんな弱い奴だとは思わないけどな」
と宇佐美が言ってくれる。
口が悪くて、いつも子供っぽいことばかり言うのに、突然男を感じさせるようなことを言う。だからドキッとしてしまう。ごく稀にだけど。
と言いながらも、さやかはこの言葉にドキッとしてしまった自分を認めざるを得ない。( ドラマでは 9話冒頭でこのセリフが案外さらっと言われていて、さやかもこの言葉に対してドキッとしているような描写はなかった)
よく考えたらさやかはいつも、自分の相談をするばかりで宇佐美のプライベートなことを一切知らない。ずっと会社にいるし、家でも仕事をしているし、仕事ばかりをしているから恋愛する暇もないのだろうか。結婚しないにしても、彼女が欲しいとかは思わないのか。そんなことが気になり始めていた。
もう、これは完全に気になっちゃっていますね!!
パーティーの後の
「今日のお前は誰より輝いていた」
っていう一言もそうだけど、いつも憎まれ口ばかり叩いているからこそ、たまに褒めてくれるとすごくドキッとしちゃうのは分かる。
ルブタンのシンデレラの靴を買ってとねだる
宇佐美と二人でセレクトショップに立ち寄ったさやか。
”シンデレラの靴”と言われるクリスチャン・ルブタンの世界に数足しかないという限定品の白いハイヒールに一目惚れしてしまったさやかは
「試着してみたい!」
と言う。
その貴重さを語っていた宇佐美は
「お前、今の俺の話聞いてた?気軽に履く流れじゃないだろう?」
と呆れながらも「しょうがねえな…」と言って、脚立を使わないと届かなそうな所にあった靴を背伸びして取ってくれる。(背の高さも伊勢谷友介が演じるとぴったりでかっこいい!)
そして
「座れ」
と言ってさやかをソファーに座らせて、宇佐美はたてひざになって靴を履かせてくれたのです!!
めっちゃ王子様!!
宇佐美の手のひらにかかとが乗ると、足が自分のものでなくなったような感覚になった
とさやかが緊張している様子が伺える。確かに王子様みたいにひざまづいて靴履かせてくれたらドキドキするわ~~。でも、足間近で見られるとか恥ずかしい…。
さやかは
「これ買ってください!」
と子供のように自然に甘えて宇佐美に言う。
「馬鹿か!売りもんじゃねえよ!」
と呆れる編集長だけど、さやかが粘るので
「お前が結婚したら買ってやるよ」
と約束してくれる。
「えー」
と諦められないさやかだが、
「いいから早く脱げ!」
と言ってさっさと出口に向かって歩き出してしまう。
宇佐美に小走りで追いかけて並ぶさやか。(これもお父さんを追いかける子供みたいでかわいい)
店を出て歩きながら
「お前さ…」
「何ですか?」
「足、匂うぞ」
さやかは宇佐美をグーで殴る。
こんなやり取りもいちいち、いい感じに思える♡
編集長が貴子に腕時計をあげた話を聞いて、自分の本当の気持ちに気づいたさやか
上のほうで書いたエピソード「編集長が会社に来れなくなった多香子に腕時計をあげた」という話を聞いたその日の夜、深夜まで会社に残っていたさやか。
そして深夜に仕事をしに会社に戻ってきた編集長。
会社に行けなくなった貴子に腕時計をプレゼントするなんて、宇佐美はいいやつなのかもしれない。普段は口が悪くて、絡みづらくて、面倒な人だけど、本当に困った時は助けてくれるし、間違った時は強く叱ってくれる。自分の人生にいてくれたことがなんだか嬉しかった。宇佐美と話したくなり、さやかから寄っていった。
編集長とさりげないたわいもない話をして笑った宇佐美に、
優しい大人の笑顔だと思った。恋人の前ではこんな笑顔をするのだろうか。どんな風に頬に触れ、どんなふうに体を引き寄せるのか。そんなことを考えてしまう。
もう完全に編集長を男として意識していますね!!
大人の男の魅力にやられちゃってるよ~~!!無理もないっ!!
「じゃあな、明日遅刻するなよ」(翌日は、パーティーで祐一のお父さんに会う日。宇佐美も来る)
と宇佐美は帰ろうとする。
その背中を眺めていると、なぜか小さい頃見た父親の背中が重なった。さやか「行ってくるぞ」と玄関で仕事に向かうときの大きな背中。祐一との結婚に引っかかっていたものがなんだかわかった気がした。
この時に、完全にさやかの中で祐一との結婚を迷っている理由が、編集長のことが気になっているからだって自覚するんですね~。
そして、再三さやかの両親の離婚の話が出てきていたのは、さやかの中に失った父親への思いがずっとあって、それを満たしてくれる編集長の存在に惹かれていったという自然な流れに繋がっていくということで、読者も「は~っ!そりゃ納得!!」となるわけです。
だから、さやかの両親の離婚要素はかなり物語の上で重要だったと思うんですよね。
いろんなことを教えてくれて、いつでも相談に乗ってくれて、応援してくれて、間違ったときは厳しく叱ってくれて…まさにお父さん!!ですよね。
気持ちが高ぶって、宇佐美に何か言いかけるさやかですが、その時祐一の父親から宇佐美に電話があって、
「これからは家族ぐるみの付き合いですね~!」
と話している宇佐美を見て、気持ちの高ぶりが収まる。
宇佐美にはずっとこのままでいてほしい。やっと気持ちの整理がついた気がした。
と、さやかは編集長への気持ちを封印することを決意します。
え~~!!でも、この時電話がかかってこなかったらどうなっていたんだろう!?
この偶然は神様は導いたとでも言うのかなぁ。
でも、自分の婚約者の父親と話している姿を見ちゃったら、我にかえっちゃうよなぁ。
編集長は、さやかが祐一と結婚することで、大物(祐一父)とコネができて喜んでいるんだしな。
自分のために戦ってくれた父親でもなく、恋人でもなく、ただの上司
さやかが祐一の父親と初体面するのは、祐一父の会社の創立記念パーティー。
宇佐美もrizの広告を取るためにパーティーに出席する。
しかしこの時点で祐一父は祐一がインドに行って事業を起こすことに反対している。
自分が事業を起こし、すごく大変な思いをしたため祐一には無理だと決めつけている。
パーティーの場で祐一父はインド行きを反対し祐一と言い合いになり、ちょっとした修羅場になってしまう。
それを見ていた編集長は
「言いたいことを言いに行く!挑戦者はいかなる理由にも邪魔されるべきじゃない!」
と言って、祐一父のところに行こうとする。
さやか「私のためにそんなことをするのはやめてください!」
編集長「黒木、それは違うぞ。俺は自分のやるべきことをやるだけだ」
さやか「どうしてこれが編集長のやるべきことなんですか?rizのために広告を取ることがやるべきことじゃないんですか?どうして私の結婚に首を突っ込むことが編集長のやるべきことなんですか?」
編集長「それはな…お前が、俺の部下だからだ」
そう言って編集長は、本当に祐一父のところに物申しに行ってしまった。
結局、警備員に取り押さえられ会場から引きずり出されるのだが、それでも必死に顔をさやかに向け叫んでいる。
「おい黒木!よく聞け!お前もな、今この瞬間からどんな選択をしてもいいんだ。どんな家で育ったとか、どんな人生を送ってきたとか、そんなことは関係ない。
最後は自分がこれからどうあるべきか。自分によく聞いて、自分で決めろ。
そうすればどんな困難にぶつかっても乗り越えられる。
大切なものはどんな選択をするかじゃない。自分が選択した人生を、強く生きるかどうか、ただそれだけだ!」
弱い自分の代わりに戦っているように見えた。恋人でもない、父親でもない、出会って半年しか経っていない、ただの上司が…
結果、編集長は2週間の謹慎処分を受け、取締役に承認する話もあったのに白紙になってしまった。
それでも、さやかのために戦ってくれたのだ。
上司として、部下を守るために。
もうこのシーンは本当に感動して、夢中になって一気に読んだ。
自分が小説の中のさやかになったみたいで、胸が熱くなって泣けてきた。
このセリフの意味をよく考えてみた。
「大切なのはどんな選択をするかじゃない。自分が選択した道をどう生きるかだ」
どんな選択というのは、極論で言うと 柏木王子を選ぶか編集長を選ぶかっていう話。
だけどそこで迷っているさやかに対して、重要なのは二人のうちのどちらかを選ぶかじゃない、もう柏木王子を選んだ 道を歩き始めているのだから、その道をどう一生懸命生きるかが大事、ということを言いたかったのではないかと思う。
とすれば、編集長はさやかが自分に対して少し気持ちが向いていることを感ずいていて、その上で自分を選ぶかどうかなんて考えるな、王子との道を突き進め!というアドバイスをくれたんじゃないかなと思う。
結婚式でバージンロードは宇佐美編集長と
最後は、さやかと祐一の結婚式のシーン。
バージンロードを父親代わりに編集長と一緒に歩いてもらうことにしたのだった。
「黒木、辛くなったら戻ってきてもいいからな」
なんて優しいことを言ってくれる編集長。
背中を向けて、上を向いて泣いちゃう編集長。
「何泣いてるんですか?」と多香子がからかうと
「泣いてねーよ!」
と強がる編集長。
「本当はさやかのこと好きなんじゃないんですか?」
って普通結婚式でしないジョークを飛ばす多香子。
「好きじゃねーよ!なんで俺がこいつのことなんか!」
とプンスカする編集長。
「素直じゃないんだから、ボスは…」
と多香子。
からかっているんじゃなくて、多香子は本当の編集長とさやかの気持ちに気付いていたのかな?
編集長も、本当はさやかのことが可愛くて可愛くて、それはもしかしたら恋心なのかも?って気づいていたのかも?
しかもルブタンの靴サプライズで買ってくれている編集長〜っ!!
バージンロードを歩いている途中、
編集長「黒木、一つ言い忘れた」
さやか「何ですか?」
編集長「お前、また太ったんじゃないか?」
神父さんに見えないように、さやかは編集長の背中を殴った。
(おしまい)
小説では、さやかがアラサーらしくちょい肉がついている設定だったけど、ドラマでは波瑠さんに合わせて「また太ったな」じゃなくて、「胸がないほうがドレスが似合う」という憎まれ口に変更されていましたね!
ドラマと同じく原作の小説でもさやかはかなり優柔不断だった
編集長の元に残って仕事を続けたいという自分の気持ちに気づいて、祐一との結婚を一度は止めようとしたさやかだけど、結局は気が変わって祐一に着いて行くことになって結婚しましたね。最終回で編集長がかっこよすぎただけに、「本当にそれでいいの!?」と思った人も多いんじゃないかな?
さやかが結構ふらふらと優柔不断で、本当に最後までどっちとくっつくかわからなかった。
実はこれは、原作でも同じ。
ドラマよりも原作のほうが、さやかは編集長に対して男として意識しているような直接的な描写がたくさんあった。
ドラマの最終回では、「インドについていけない」と祐一の部屋に言いに行くシーンがあったが、実は小説でも「やっぱりインドにはついていけない。ちゃんと言いに行こう」と決意して、祐一の部屋に行くのだが、祐一の顔を見て部屋に上がると「やっぱりこの人が好きなんだ」と思って、そのままヤってしまうというズルズルした関係で結婚をなかなか断ることができない。
和也と別れた時もしばらくずるずるしていたし、さやかって結構優柔不断な性格なんだと思う。
だけどそれがまた現実の「結婚したいんだけど、決めきれないアラサー女」っていう感じで共感できる。
和也にズルズルしたのも、元彼にもう未来はないと分かりながらも、一人身の寂しさに負けて何度も戻ってしまうっていうのはありがちだし、結婚しようと思っていた人が条件的に悪くなって結婚迷い出したりだけど、会ってしまうとやっぱり好きな気持ちが舞い上がってきて、結局男と女だから体の関係でなんだかうやむやになっちゃったり…。
気になる人がいるけど、結婚目前にして自分の気持ちを言い出せない。それで、結局自分の本当の気持ちを封印して、安定な結婚を選ぶとかね。
「絶対この人しかいない!」っていう運命の人と出会って結婚するっていうのはドラマの中の話で、現実には結婚した後でも忘れられない恋がひとつうらいあるっていうのも案外リアルだと思う。
そうゆう意味でも、最終回でさやかが祐一と結婚したから、やっぱりさやかは祐一を本当に好きだったって、単純な結果じゃないと私は思ってる。
やっぱり本当はさやかは編集長のことが好きだったけど、祐一のことも好きなのは事実で、普通の女がそうするように、”自分のことを好きかどうかも分からないちょっと気になる人”に賭けてみる勇気は出ず、今の恋人との結婚を選んだんだと思う。
だけど結婚後も、きっとほんの少し心の中に、小さいしこりとして編集長の存在は残っていくんじゃないかなと思う。
ちえり(ブルゾンちえみ)とりょうにゃん(小越勇輝)がハッピーエンドに
ちなみに、ブルゾンちえみとりょうにゃんのキャラはドラマオリジナル(高橋メアリージュンとか須藤理彩とか鉄男さんやユリちゃんは原作にもあるキャラ。マスターの与作はオリジナル)
りょうにゃんにグイグイいっているちえりがギャグ要素かと思っていたけど、いつのまにかこの二人の恋模様が気になるようになってしまっていた…。そして最終回ではかなり強引だったが、りょうにゃんをゲットしたちえり。やっぱりブルゾンいいキャラしてる!今後女優として残っていく予感。
ボスの戦略で服装と髪型変えてから、ちえりはすごく綺麗になった気がする。急にそっけない態度をとるようになったのも、きっと編集長の指示。
それでりょうにゃんを落としたんだから、やっぱり編集長はすごい!
「サバイバル・ウェディング」結末への感想。宇佐美編集長派としては、ちょっとだけモヤモヤ!
本当に最後の最後まで、さやかが編集長と祐一のどちらを選ぶのかわからなかった。
もしかしたら作者も迷っていたじゃないかなあ?なんて思う。
それくらいにどちらもとても魅力のある男の人でした。
お父さんみたいに自分をのことを思って、強い者にも何も恐れずに立ち向かっていってくれるような、そんな頼もしい人に恋人になってほしい。
だけど、そうゆう存在が”上司”っていう立場でも、すごくそれって幸せなのかもしれない。
お父さんとか恋人とか、そこまで近い存在だったら、自分のために一生懸命になってくれて当たり前。
でも、”上司”っていうただの会社の人なのに、ここまで一生懸命になってくれる人がそばにいてくれるなんて、こんな幸せはないと思う。
さやかは、編集長とのそんな関係を壊さないために、気づいてしまった本当の気持ちを封印したのかな?(でも、会社辞めちゃうんだから、関係壊さないも何もないけど)
さやかと編集長には、こうやっていつものように憎まれ口を叩いて、じゃれあって、変わらない関係でいてほしいと思いました。
さやかの編集長への尊敬と憧れの思いは、さやかがお父さんを離婚で失っているという背景があるから、すごくそこが共感でき、恋人という普通の関係になってしまうよりも、結果として編集長との関係は特別な安定したものとしてずっと残っていくんじゃないかな~なんて思います。
恋人や結婚相手は、もしかしたらうまくいかなくなる可能性もあるからね…(不吉なこと言うけど)
女子の中にあるファザコンとかブラコンって、そうゆう意識の中にあるもんだと思うんだよね。
絶対に一生離れていかない人だもんね。
この小説は、マーケティング理論+恋愛テクニックの話と思わせておいて、”いい上司たるもの”というものを描いたヒューマンストーリーだったんじゃないかなあと解釈しています。
そして、実際はこんないい上司いないよなぁ~、でもいたらいいなぁ~という女子の夢を描いたファンタジー作品ともいえると思います。
つまり、”ドラマみたいな恋がしたい”と思わせる憧れのラブストーリーのように、”こんないい上司がいる職場で、いい仲間に囲まれて働いてみたい!と思わせる憧れの職場ストーリーっていう新しいジャンルのドラマだったのかもしれませんね。
”お仕事ドラマ”っていうジャンルはすでにあるけど、それは仕事の内容に焦点を当てて描いていくんだけど、このドラマの場合は編集の仕事自体はそこまで詳しく描いてないけど、めちゃくちゃ頼れる上司(伊勢谷友介)や一番の親友である同期の女友達(高橋メアリージュン)、そのほかにも底抜けに明るいバブル世代の先輩(須藤理沙ら)や個性豊かな同僚たち(ブルゾンちえみ)など、たくさんのいい仲間たちがいますよね~。
恋に悩んだ時に夜に突然呼び出してお酒飲みながら話聞いてくれる職場の女友達とかも憧れるし。
王子との恋愛パートだけじゃなくて、さやかの職場での和みシーンがとってもうらやましかったです!
ドラマ「サバイバル・ウェディング」のキャストはイメージ通り?
さやか(波瑠)
結果的には波瑠さんが演じてくれて、すごくおもしろかったけど、最初は
え~?波瑠~~?痩せてんじゃん!!
って思いました。
編集長から
「お前、もうちょっと痩せろよ」
とか
「また太ったな」
とか、からかわれてたから。
それで、ドラマでも会ったように食生活改善とかヨガで体の中から健康になってきれいになってく…って流れがあったのよ。
でも、波瑠さんだともとから痩せてるからね~。
私の中では、勝手に貫地谷しほりさんのイメージだったんだよな。
かわいいんだけど、ちょいぽっちゃりで、ちょっとどんくさい感じで、編集長にツッコまれて、プーって怒ってるとことかすごいイメージできる!
編集長(伊勢谷友介)
いや~!もう!申し分ないでしょう!
この方以外、今や思いつかない!
- 髪型変で、「顔の無駄遣い」って同僚から言われてる(顔はいい)
- 背が高い
- 目元にちょっとシワのある40代大人の色気を持つ
全部クリアしてる!
柏木王子(吉沢亮)
原作読んだときは、若い時の谷原章介しか浮かばなかった。
- 背が高い。
- 顔がいい。
- 笑顔が爽やかで優しい。
- 穏やか。
吉沢亮さんは”女の敵”っぽいイメージあったけど、(ダメ恋で深キョンを騙してたから)この役ですんごいイメージ変わった!
今は、吉沢亮さん以外に王子の役は考えられない!
さやかのお母さん(財前直見)
ここが一番イメージ違うんだよなぁ~。
原作では
「結婚しろ結婚しろ!」
ってうざい母親じゃなくて、逆に自分が離婚している姿を見せてしまったから
「結婚しろ」
なんて絶対に言わない。そんなお母さんだった。
でも、当然娘に早く幸せになってほしくて、和也を連れてった時にはいつも化粧っけのないお母さんがピンクのチークなんて入れて、心の中では実はすごくはしゃいでいるのがわかったから、さやかは結婚を破棄されたことをなかなか言い出せなかったの。
それに、自分は贅沢している素振りなんて全然なくて、質素な暮らししてるけど、さやかの結婚資金のために貯金してくれてたりして、すごく昔ながらの子供にすべてを捧げるあったかい母親像っていうか。
年代おかしいけど、樹木希林さんとかそうゆうイメージ。
この物語はさやかの両親の離婚、いなくなった父親、捨てられた母親っていう要素がとても大事だから、お母さんは原作通りキュッて胸が切なくなるような耐え忍ぶお母さん像がよかった。