King & Princeの4thアルバム『Made in』発売中!
形態別特典もまとめていますので、ご購入の際の参考にしてくださいね!
キンプリ「Made in」に収録されている「僕の好きな人」の歌詞をモチーフに書いているキンプリ妄想小説です。
主演は岸くん。幼馴染との恋物語。なかなか思いを素直に伝えられない二人のこじらせストーリー。
クラスメイトのしょうれんが恋敵になるストーリーです。
前のお話はこちら。
(優太サイド)
「優太っ、優太…っ」
すげー名前呼ぶじゃん。
名前呼びプレイか、うん、なかなかいいな…。
「優太っ、優太~?」
ん?
「どーしたの?優太、さっきからニヤニヤして」
「えっ、えぇ~~っ!?」
ハッと我に返ると、菜々が目をぱちくりしながら俺の顔を覗き込んでいて、びっくりしてベッドから転がり落ちた。
服、着てる…。
は?
なに?今の全部、妄想…?
え?
どこから…??
「あれ?俺、今、菜々になんか言ったっけ…?」
「え…」
菜々が気まずい表情に変わる。
「なんで今日、俺の部屋来たの?とか…聞いた?」
「…うん」
あ、やっぱそこは妄想じゃないんだ。
「また昨日と同じことされると思わないの?とかも…聞いた?」
「…うん」
わ~~、そこも妄想じゃないじゃん…!!
あ…なんか自分で言ってて、だんだん記憶が蘇ってきた。
「優太のこと、信頼してるから」
そうだ、菜々はそう答えたんだ。
わぁ~~~、じゃあ
「だから、来たんだよ?」
のところから、俺の妄想じゃーーん!!Σ( ̄ロ ̄lll)
自分の都合のいいようにねじ曲げすぎだろ…。
「信頼してる」ってさ、言葉自体は誉め言葉だけど、こういうシチュエーションで女の子にそれ言われちゃったら、もう絶対手出せないもんな。
ある意味、一番の鉄壁の守りの言葉…。
あれ、そういえば、もう1個聞き忘れてたことあった。
廉になんで菜々のいかがわしい写真を送ったのかって、そればっかりが気になって。
でも、菜々も廉の写真、もらってたんだよな。
「なぁ、なんで廉から写真、もらったの?」
「えっ!?こだわるなぁ、写真のこと…」
菜々は俯いて、明らかに困ったような顔で何か考えている。
だって、そりゃ気になるだろ。
「かっこいー!」とか言って喜んでたし。まぁ、確かに廉はかっこいいけど。
でも、菜々の好きな人は紫耀のはずなのに。
「それは…」
菜々は、意を決したように顔を上げた。
「好きな人の写真、欲しいじゃん」
真っ赤な顔をして、菜々はそう言った。
好き…な人…。
菜々の好きな人って、廉だったのか……!!
(菜々サイド)
「どーしたの?優太、さっきからニヤニヤして」
さっきから目をつぶったまま隣でニヤニヤしている優太があまりに不気味で声をかけると、突然優太は驚いてベッドから転がり落ちた。
「あれ?俺、今、菜々になんか言ったっけ…?」
「え…」
なんだろ?寝ぼけてたのかな?
「なんで今日、俺の部屋来たの?とか…聞いた?」
ちょっとちょっと…さっきの気まずい会話、もう一回繰り返すの?
本当に寝ぼけてんのかな?
「…うん」
「また昨日と同じことされると思わないの?とかも…聞いた?」
ぎょぇ~~っ!!またまた気まずいことを…!!
「…うん」
あれ?でも、優太、本当に寝ぼけてて、さっきの会話、わけわかんなくなってるなら、もう一回やり直せる?
突然そんな核心ついたこと聞いてくるから、とっさに
「優太のこと、信頼してるから」
って答えちゃったんだ。
もちろん、優太のこと信頼してるのは本当だけど、このシチュエーションではそうじゃない。
それじゃまるで、「もうあんなことしないって信じてるよ」って言ってるようなもので、逆効果じゃん…!!
優太に昨日みたいにしてほしいから、
”だから来たんだよ”。
素直にそう伝えたら、優太、またしてくれる…?
「なぁ、なんで廉から写真、もらったの?」
”優太にしてほしくて来たんだよ”って、勇気を出して素直に伝えようか迷っているうちに、優太は次の質問に行ってしまった…。
そして、また写真の話??
「こだわるなぁ、写真のこと…」
待てよ…?
これ、チャンスかも。
私がなんで廉くんから、優太の写真もらってたかって、もうこれ、告白のチャンスじゃない!?
「それは…」
もう言っちゃう!?
でも、それでフラれたら、もう今まで通りの関係じゃいられなくなるし…。
それが怖くて、今までだって言えなくて、あからさまな態度で示してきたけど、優太は全然相手にしてくれなかった。
でも、昨日はキスしてくれたし、全然脈がないわけじゃないんじゃないの…?
勇気を出して気持ちを伝えたら、もしかして優太も私のこと…
うん、イチかバチか、言ってみよう…!!
意を決して顔を上げる。
「好きな人の写真、欲しいじゃん」
優太の写真、欲しかったんだよ。
優太のことが好きだから。
もう、これ、完全に告ってるよね?
気持ち、伝わったよね?
顔から火が出てるみたいに熱い。
そっと、優太の顔を見上げると、優太は愕然としたような表情で黙り込んでいた。
そして、小さくこう呟いた。
「それなら、もうこの部屋には来ないほうがいいよ…」
ふ、フラれた…?
今、完全にフラれたよね…?