「生活(仮)」【さらにおまけ】〜花束〜

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「生活(仮)」のおまけのおまけです。
これは本当のおまけの話で、雑誌でれんれんが「彼女には毎日かっこいいって言って欲しい」て言ってたエピソードを取り入れたいが為に作った会話劇です。
だから特別、感動とかキュンキュンとかの要素入ってないかもです…。
まぁ、暇があれば読んでください…くらいな感じで。

 

私の小説は、いつもキンプリの曲の歌詞をモデルにしてストーリーを作っていますが、「生活(仮)」の歌詞は全て盛り込んでしまったので、今回はれんれんが好きなバックナンバーの「花束」で作ってみました。

 

これの前の話はこちら。


 

どう思う?これから2人でやっていけると思う?
んんどうかなぁ でもとりあえずは
一緒にいたいと思ってるけど

 

そうだね だけどさ 最後は私がフラれると思うな
んんどうかなぁ でもとりあえずは
一緒にいてみようよ

back number「花束」作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

 

 

廉「なんやねん?さっきからニヤニヤして、気持ち悪!」

 

ゴロリと横向きになって片手で頭を支えた恰好の廉が、呆れ顔で私を見る。

 

同棲をすることになった時に、二人で決めた約束事が、「必ず毎日一緒に寝ること」。

毎晩寝る前に二人であれやこれやとたわいもない話をするのが、日々の楽しみだったりする。

 

 

成り行きで付き合うことになり、なんとなく一緒に暮らすことになった私たち。
こんな「(仮)」がつくようなおままごとみたいな生活は、きっとすぐ終わってしまうんだろうと思ってた。
そして終わる時は、絶対に私がフラれるんだろうと思ってた。

 

それがなんと、廉がプロポーズをしてくれた!
私たち結婚するんだ!
ニヤニヤせずにはいられない!

 

 

 

ありさ「ねぇねぇ、じゃあさっ!結婚するにあたって、新しく2人の生活の約束事決める?」

廉「はぁ〜?また!?ええわ〜めんどくさ」

ありさ「そぉ?私からはあるよ?あのね〜、浮気は絶対にバレないようにして!」

廉「は!?普通は”浮気は絶対しないでね”やろ?バレなきゃしてもいいん?」

ありさ「それはしないほうがいいけど、浮気しない男なんて世の中いないって言うし、だったら最後まで隠し通して欲しいじゃん?」

廉「へ〜じゃぁもしバレたら?即離婚?」

ありさ「うーん、でも平謝りされたら許しちゃうかも。”あいつとは遊びだ、本当に愛してるのはお前だけだよ“とか言われたらさ」

廉「お前、簡単な女やなぁ…。よくそれで今までヤバい男に騙されたりせんかったな」

ありさ「それは…ずっと廉のことが好きだったから、他の男に騙される暇なんてなかったもん…」

 

 

廉「……っ( ̄□ ̄ )///はぁ〜…。お前さぁ、そういうとこやぞ?無意識でそうやって男喜ばすようなこと言うの反則やで!?」

ありさ「はっ?」

廉「あんま俺の知らんとこで他の男に好かれんのやめて、ほんまに」

 

廉の言っている意味が理解できず、ただアホみたいに口を半開きにしてその意図を考える。

 

 

廉「お前は誰にでも気さくに接するし、リアクションはでかいし、そういうの、結構好きな男多いから!まず無防備すぎんねんお前は!気ぃつけや!?」

 

そ、そうなのか…?

そんなの全然自覚ないけど…。

 

廉「あと、あんま他の男を褒めんといて」

ブスっと顔を逸したまま、廉が言う。

 

ありさ「は?他の男を褒める?そんなことしたっけ?」

廉「紫耀がどうとか言うてたやん」

ありさ「え、そうだっけ?」

廉「うわっ、出た出た!人の心を傷つけといて全然自覚ないやつ!」

 

 

んー?記憶をたぐり寄せてみる。

 

あ!そういえば、前に平野んちに遊びに行った時、廉は家事をやらないとか甘い言葉を言ってくれないとか、いろいろ愚痴って、「それに比べて平野はいいなぁ」って言ったかも!

 

 

ありさ「え?ちょっと待って?もしかしてそれであの日、機嫌悪くなってたの?平野のこと褒めたから、拗ねてたの?」

廉「……しゃーないやろ、他の男褒められたら、傷つくねん!」

 

へー…、そうだったんだ。なんか、かわいい…。

 

ありさ「そりゃ平野は昔から女子にモテモテだったし、風の旦那だから褒めるけどさ、私は、実は全然興味ないんだよね。

廉の方が断然顔タイプだし!」

 

 

廉「…ッ⁄(⁄ ⁄ー⁄□⁄ー⁄ ⁄)⁄し、知ぃ~ってるぅ~!」

 

 

え?何その不自然な反応?…ん?もしかして、照れてる?

ますますかわいいんだけど…。

 

 

ありさ「うん、じゃぁもう他の人のことを褒めたりしません…!」

廉「ん、ならよし…そんで、俺のことは毎日褒めてな。」

ありさ「へっ?」

廉「毎日”かっこいい”言うて」

ありさ「はい~?」

廉「俺の顔、好きなんやろ?俺、褒められて伸びるタイプやし」

 

開き直ったのか、ダダをこねる子供みたいに口を尖らせる。

 

え〜〜恥ずっ!
そんなラブラブカップルみたいな…。

 

 

まぁ…言わずとも毎日思ってる事だしね。

ありさ「うん…いつも、かっこいいと思ってるよ…廉」

 

すごく満足げににニヤーっと口角を上げ、さっきまで逸していた顔は、まっすぐにこちらに向けられ、その表情には自信がみなぎっている。

 

廉「ん、よくできました」

 

そう言いながら、上に覆いかぶさってくる。

もういっつもそういう展開になるんだから…。
ま、嫌じゃないけど。

 

 

目を閉じて、廉の華奢な首に手を回す。

 

 

ありさ「あーーー!」

廉「なんやねん!?急に!?」

 

廉の顔が直前まで迫ったところで、急に我に返ってムードぶち壊しで大声をあげる。

 

ありさ「急に思い出したー!大事なこと!家事分担表作らなきゃ!これからは、廉もちゃんと家事手伝ってくれるんだもんねっ?」

廉「え?え〜…っと、その話やけどぉ〜、でもやっぱ俺が手出すと、邪魔んなるし〜…」

ありさ「え、なに?プロポーズの時に”これからは家事やります”って約束したよね?」

廉「いや‥っあの〜…そのかわり、毎日、感謝の心は忘れんし、毎日めっちゃ“おいしい“って言うし!なっ?お願いっ!代わりに片付けはやります!料理だけは勘弁してください!」

ありさ「う〜〜〜、もうしょうがないなぁ…」

 

 

もう〜〜、結局私は廉に弱い。

王様のような威圧感から子供みたいな甘え方を巧みに操るこの男に、結局振り回されっぱなしなのだ。

 

 

ありさ「あ!でもお花の水やりは当番制だからね!?この前、廉がお水あげ忘れてたせいで、危うく死にかけてたんだから!」
廉「えっ…( ̄□ ̄;)あれは~、そもそもお前にあげた花なんやから、お前のやん?」
ありさ「あ!あ!あー!そういうこと言うんだ!?プロポーズでくれたお花は、いわば2人の子供みたいなものなんだから、一緒にお世話するのは当たり前でしょ!

今の発言、完全に子供できた時に育児協力してくれない亭主関白夫って感じ!そういう男とは結婚できません!」

 

そう言って、グイっと廉の体を押し返す。

廉「はー!?だからお前なぁ、お前に俺のプロポーズを断る権利はないっちゅーねん!」

 

廉にほっぺを掴まれて、タコチューみたいな顔になって反論する。
ありさ「ふはり(2人)のころも(子供)を一緒に育ててくれる人とじゃなきゃ、絶対結婚れきまへんー!」

 

結局こうやってギャーギャー喧嘩になってしまうのが、私たちのスタイル。

ただのクラスメートだった頃も、付き合ってからも、同棲したって結婚したって、きっと変わらずに。

 

廉「はいはい、わかったわかった!ごめんなさいー!ちゃんとお世話します!観葉植物も、お花も! 2人の子供ですからね!」

 

軽い感じで「ごめんごめん」って言う廉も、結局それをいつも許しちゃう私も、きっとその関係性はそうそう変わる事はなく、すぐに喧嘩になるところも、真面目な話が苦手ですぐに茶化すところも変わらないし、家事がまるで駄目だった男が、突然家事をするようになることもきっとない。

だけど、必要なところは少しずつ変えていけばいいし、だけどそれ以上に”変わらずにいて欲しいところ”がたくさんある。

 

 

廉「てことで、じゃあ~…2人の子供作るか!」

ありさ「は?」
廉「心配すんなって!俺、実はめっちゃ子供好きやから。ええパパになんで?」

 

何かにつけてこういう展開に持ち込もうとするところも。

照れくさいこと、言葉にするのが苦手な人だから、たぶんその分スキンシップが多いんだろうなって勝手に良いほうに解釈してる。

何なら、そういう不器用なところも、めちゃくちゃ愛おしかったりする。

 

 

廉「まぁ、本当は結婚後の生活の望みなんて、究極言ったら一つしかないねんけどな」

 

ありさ「え?何?」

 

 

廉「お前と一緒にいたら、会話に困ることなさそうやし、ずっと2人で笑いあっていられる気がするから」

 

馬鹿みたいなおしゃべりが止まらなくて、笑い合えるところも。

 

 

廉「”ずっと変わらんでいてくれたらそれでいい”…かな」

 

結局、なんだかんだ言って、お互い同じこと考えているところも。

 

 

廉「今のありさが好きやから結婚したい思うたんやから、ずっと変わらんでいてくれたらそれでええわ」

 

いつも大事なこと照れてはぐらかすくせに、最後はちゃんとキュンとさせてくれるところも。

 

 

ありさ「私も、今のままの廉が…大大大好き…!」

 

 

 

「(仮)」が取れた私たちの生活は、そんなに以前と変わりなくて、でも、その”変わらないこと”が実は1番難しくて、とても愛しくて尊いことなのだと気づかせてもらった。

 

 

 

 

ありさ「ねぇ、廉は私のどこが一番好きなの?」

廉「胸」(即答)

 

 

バコーン!

廉「痛ぃ~ってっ!何すんねんっ!?」

ありさ「もう〜〜今日はしないっ!」

 

廉「もう冗談や〜ん。ごめんて〜」

 

くるりと丸まった私の背中に、ヘラヘラとした猫撫で声をかぶせながら、私の体をひっくり返そうとする。

 

ありさ「もう、罰として、やっぱり明日の夕飯は廉が作って!」

廉「お、鬼や…、鬼やこいつ〜!よし、二度と料理してなんて言わんくなるような代物を作ってやる…」

ありさ「こわいこわい!一体何作る気!?」

 

 

 

 

そうだね、きっと大丈夫。私たちはうまくやっていける。

こんなふうにバカ言って笑い合って過ごす相変わらずの日々が、この上なく幸せだから。

 

 

 

 

浮気しても言わないでよね
知らなければ悲しくはならないでしょ
信用ないなぁ僕は僕なりに
真っ直ぐに君と向かい合いたいと思ってるよ

そりゃケンカもするだろうけど
それなら何回だって何十回だって
謝るし感謝の言葉もきっと忘れないから

ごめんごめんありがとう ごめんくらいの
バランスになる危険性は少し高めだけど
許してよ

君とならどんな朝も夜も夕方だって
笑い合って生きていけるんじゃないかと思うんだよ

どう思う?これから2人でやっていけると思う?
んんどうかなぁ でもとりあえずは
僕は君が好きだよ

back number「花束」作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏


今回のお話に取り込んだ、れんれんの雑誌での発言などはこちら。

 

「koi-wazurai」の小説一覧はこちら!

徐々に挿絵追加中!

岸くん回↓

じぐいわ回↓

海ちゃん回↓

岸くん回↓

岸くん回↓

岸くん回↓

岸くん回完結!第1章完結!↓

第2章始まり!海ちゃん、平野くん回↓

平野くん回↓

平野くん回↓

れんれん回↓

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れんれん回↓

平野くん回↓

平野、廉、三角関係回↓

平野、廉、三角関係回↓

平野、廉、三角関係回↓

平野、廉、三角関係がついに完結!↓

アフターストーリー
①はわけあって、別の小説サイトに載せてます。


 

スピンオフ作品
れんれん

海ちゃん


 

 

コメント

  1. 平野永瀬 より:

    めっちゃキュンキュンしました!!
    ありがとうございます!

    • ちゃちゃ より:

      キュンキュンしてもらえました~? (笑)
      入れたい要素をつなげるのに精一杯で、なかなかストーリーが構成できず、筆が進みませんでした…(汗)
      次は海ちゃんの物語、そしてその次は新作の執筆を予定しています~!

      • 平野永瀬 より:

        はい!めっちゃキュンキュンしました!
        そうなんですね笑笑
        まじですか!?!?めちゃくちゃ嬉しいです!!!!
        待ってます((o(。>ω<。)o))♥️

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