【完結】キンプリ妄想歌詞小説「生活(仮)」④~素直に言えないから愛をこめて花束を贈るよ~

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れんれんのお話、ついに完結~!

本当は年内に最終回アップしたかったのに、日付変わってしまった。(嵐のラストライブ見てたから…)

 

 

シリーズ「koi-wazurai」のスピンオフ永瀬廉くんのお話。

私の小説では、キンプリの曲の歌詞をモデルにストーリーを構成しています。

今回のテーマ曲はアルバム「L&」から「生活(仮)」です。

 

 

これの前のお話はこちら。

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相関図

キンプリ小説「生活(仮)」相関図

薔薇の花束(ありさサイド)

キンプリ小説挿絵イラスト

意味わかんない!意味わかんない!意味わかんない!

 

 

みんながいる職員室で何を突然発情しとんんじゃ、あいつは!!!

変態プレイか!

昨日珍しくしないで寝ちゃったから、溜まってんのか!?

 

 

びっっっっくりしたぁ…。

まだドキドキがおさまらない…。

私も私で、変態か。

何をあの状況でキュンキュンしちゃってんだか…。

 

 

外回りを終えて、お店に戻ると、店長が大忙しで、花束をたくさん作っていた。

「いいとこ帰ってきた!すっごい大量注文入っちゃったの、手伝って!悪いけど、今日残業になっちゃうかも」

 

ちょうどいいや。

仕事で忙しいほうが、頭冷やせる。

 

「こんな時期に大量注文なんて珍しいですよね。へ~バラの花束ですか?何本ずつですか?」

 

店長がバラの花束を作っているのを見て、同じような大きさの花束を作ろうと準備にかかる。

 

店長「それがね、リスト確認しながら作業してくれる?なんかすごく変な注文の仕方でね、花の本数が一つ一つ違うバラの花束を何種類もっていう注文なの」

ありさ「えっ!?何それ?ほんとだ、超めんどくさ!」

 

リストを確認して、思わず本音が漏れてしまった。

大量注文は結構よくあることで、送別会シーズンや離任式の時は、同じようなボリュームの花束をいくつか注文されることがある。

だけど、こんな風に、同じバラの花束で、本数だけ違って、という注文は珍しい。

 

ありさ「どういう利用目的なんですかね?これ、いつまでですか?」

店長「明日のお届けだから、今日中に作っちゃいたくて」

ありさ「明日ですか?私、明日は~…」

店長「わかってるわかってる。明日はシフト休みだもんね。配達は私が行けるから大丈夫!」

ありさ「すいません、じゃあ今日中に頑張って作っちゃいましょう!」

 

 

「ごめんね、急な残業で遅くなる」手早く廉にメールを打って、すぐに花束作りに取り掛かった。

 


 

ピンポーン。

ありさ「ええっ!?店長!?なんで!?」

 

翌日、廉の出勤を見送った後、まだパジャマ姿でゴロゴロしていたら、突然の来訪。

 

店長「え…中野さんこそなんで?ここ、永瀬さんのお宅だよね?」

玄関前で店長が伝票の名前と表札の名前を交互に見比べて目をぱちくりしている。

 

ありさ「あ、そうなんですけど、えっと、実は彼氏と同棲してて…」

店長「彼氏ぃ!?じゃあこの花束って…」

 

店長が足元に置いたダンボールに視線を落とす。

昨日残業して一生懸命作った花束だ!

 

 

とりあえず全て部屋の中に運んでもらって、店長はなんだかニヤニヤしながら帰っていった。

 

ここぞ!っていう時

ありさ「なんかめっちゃたくさん花束届いたんだけど!」

廉「おう、俺が頼んどいた」

廉が帰ってくるなり、玄関まで出迎えてバタバタと足踏みしながら聞くと、さも何でもないことのように廉が答える。

 

ありさ「え、え?こ、これは…?」

廉「はぁ~!?お前ほんまに自分で言ったこと忘れすぎやろ!?そんなんやったらもう、返品すんで!?」

ありさ「あ、いや!違う、覚えてます!」

 

 

 

~~~2人の約束事を決めていた時の会話の続き~~~~

ありさ「二つ目の約束はね~、ここぞ!っていう時に花束を贈ってほしい!」

廉「花束ぁ!?そんなキザなプレゼントするやつ、いまどきおらんやろ!?それ、女子は本当に喜ぶん!?」

ありさ「どうなんだろう?少なくとも私は嬉しい!今まで人のためには花束をいっぱい作ってきたけど、自分が花束を贈られたことってないんだもん。

だから1度好きな人に花束を贈られてみたいなぁってずっと憧れてるんだよね!」

廉「ふぅ~~ん?」(←「好きな人に」というワードと「1度もされたことがない」というところに、ちょっと気を良くしている)

廉「じゃあ、誕生日プレゼントに花束を贈ればええんやな?これで誕プレ何にしようか考えなくてよくなったから、楽やな!」

ありさ「いや!そういうことじゃなくて!なんかもっとこう…サプライズ的な?ここぞ!って時に送って欲しいわけ!」
廉「ここぞってなんや?」
ありさ「それは自分で考えるの!廉が思うここぞ!って時がここぞなの!」
〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

で、どういう”ここぞ”なわけ?

職員室で急にキスして胸触ってごめんの”ここぞ”?

それとも、おとといの喧嘩をまだ引きずってて、その仲直りの意味の”ここぞ”?

 

 

ありさ「でもなんでこんなに花束いくつも分けたの?しかも本数違いで?」
廉「お前花屋なのに知らんのか?同じバラでも、本数によって花言葉がちゃうんやで?」

ありさ「は、花言葉ぁ~~っ!?廉が、廉が花言葉だって…(((*≧艸≦)ププ」

廉「没収!絶っっ対、没収!!」

ありさ「え!うそうそ!うそです!ただ、廉って花言葉とか知ってるイメージなかったから」

廉「生徒が生活発表のテーマで調べてたから、教えてもらって面白いなー思ーたんや!悪いか!」

ありさ「悪くないです…!で!?どういう意味なの?花言葉」
廉「花屋なんやから、自分で調べろや!」

 

花言葉

翌朝。

廉「おいっ!お前、約束は!なんで昨日ベッドで寝んかったんや!」
廉がすっごく機嫌の悪い顔で寝室から出てきた。
何があっても必ず一緒に寝るって約束を、昨日私がすっぽかしたから。
いや、でもね、こっちはそれどころじゃ…。

 

 

廉「ん?お前、クマすごいで?」

ありさ「ベッドで寝なかったっていうか、昨日寝てないんですけど…」

廉「は!?なんで!?」
ありさ「一晩中、数え直してたんだけど、何度数えても108本ある気がするんですけど、数え間違い?私の願望入っちゃってる?」

 

廉「お前が言うたんやろ?生徒たちの前で宣言してほしいって。生徒たちみんな式に呼んで、宣言すんぞ」

 

 

 

薔薇108本の花言葉…

 

 

 

「結婚してください」

 

 

 

 

廉「これで、3つ目の約束も果たせるやろ」

3つ目の約束って…

 

 

~~~約束事の会話の続き~~

ありさ「あと、もう一つはねー」

廉「おいっ!おま…、いくつあんのや!?」

ありさ「あと一個だけだから!いいでしょ!」

廉「はいはい、なんですか(呆)」

ありさ「ずっとずーっと一緒にいて」

廉「…」

ありさ「えっ!何、その沈黙は…!?」

廉「いや、付き合ってるカップル、みんなその約束しとんのやろなー思ーて。そんで、大半はふつーに約束破って別れてんのやろなーって」

ありさ「そりゃそうだけど!最初からどうせ別れるんだろなーなんて思って付き合ってるカップルもいないでしょ!いいじゃん!約束してくれたって!」

廉「でもなー、未来のことはわからんからなー。どうすっかな~ニヤニヤ(←ドS)」

ありさ「廉、別れる気なんだ…真剣な気持ちで付き合ってくれてないんだ…!ぅわーん!!」

廉「えっ、おい、ガチ泣きか!?嘘嘘、ごめんて、わかったわかった、約束するから」

~~~~~

 

 

 

って、このことですよね…?

 

 

 

あの時は、私が泣いて無理やり「はいはい」って感じで話が終わったけど、しっかりと「ずっと一緒にいるよ」って言葉をくれたわけじゃなかった。

今も、はっきりとした言葉はくれない。

 

 

でも…

 

 

ありさ「そういう意味で受け取っていいんだよね?」

廉「他に、どういう意味があんねん。3本のとか、9本のもあったやろ?」

 

 

3本のバラの花束の花言葉…「愛しています」

9本のバラの花束の花言葉…「いつも一緒にいてください」

 

 

 

ありさ「うっ、うぇ~~~ん…!」

思わず、涙がボロボロにこぼれてくる。

 

 

廉「おい、泣かせるために贈ったんやないんやけど?」

廉が寄ってきて、私の顔に手を添える。

 

 

あ、このままキスしてくれるのかな…

 

 

 

ふぎゅぅっ。

 

ありさ「いったぁ~い!」

ほっぺを思いっきり引っ張られた。

 

 

廉「笑え。それでなくてもクマでひっどい顔になってんのやから」

ありさ「うっ…、いらいよ~!じゃあ、ちゃんと言葉で言って」

廉「は!?」

ありさ「結婚しようって言って。愛してるよって言って。ずっと一緒にいようって言って…ひっく…」

廉「おま…っ、……え、え~っと、じゃあ………(仮)は外す方向で、よろしく。じゃ、俺、今日早いからもう行くわ」

廉はぶっきらぼうにそう言って、コホンと咳払いをして、パパっと身支度をして逃げるように玄関に向かう。

 

 

私がなんとなくこの部屋になだれこんできた頃、「なんだか新婚生活みたいだねー♡」なんてふざけて言ったら、「ま、(仮)やな」って廉がぶっきらぼうに言った。

 

 

あえて、ぶっきらぼうな口調で言う時は照れてる時だって知ってる。

冗談ぽくならチャラいことバンバン言えちゃうのに、マジな雰囲気になると途端に照れちゃうところもかわいいけど…

 

 

でも!やっぱりちゃんと言ってほしいんだってば!

 

 

 

もう玄関で靴を履いている廉に体当たりする。

ありさ「ちょっと待ったー!私、まだプロポーズOKしてないから!ちゃんと言ってくれなきゃ、OKしてやんないんだから!ちゃんと言って!」

 

 

廉がゆっくりと振り返る。

来るか?来るか?ついに甘い甘いプロポーズ来るか!?

 

 

廉「お前に俺のプロポーズ断わる権利、あると思うとんのか?」

 

 

 

……へ?

 

 

 

フッと勝ち誇ったようにニヤリとして、廉はそのまま部屋を出ていってしまった。

ふにゃふにゃとその場にへたり込む。

 

 

な、なんちゅー俺様!?

でも、そこがたまらなく好きだーーっ(* ̄□ ̄*;!!

 

 

と思ったら、突然ドアが開いてふたたび廉の顔が覗く。

廉「あ、冷蔵庫に、俺の決意表明あるから」

ありさ「は?」

廉「じゃ!」

 

 

なんのこっちゃと冷蔵庫を開けてみると、ラップのかかったお皿に剥かれた梨。

皮を剥かれたというか、皮を実ごとザグザグと切り刻まれたすんごく小さくなった梨。

そして、ラップの上に添えられたビリっと破ったメモ帳の切れ端にへたくそな字で

 

「これからは、料理も家事も手伝います」

 

と書いてあった。

 

 

 

ありさ「いや、梨剥くの料理じゃないし…」

シンクに目をやると、包丁とまな板が乱雑に投げ込まれ、その上に実がごっそりついた梨の皮がぐちゃっとそのまま捨てられていた。

ありさ「もったいな!半分くらい実捨ててるし!しかも、洗い物して生ごみ捨てるまでが料理だから!」

 

 

言いたいことは山ほどあるけど、廉が一人キッチンに立って慣れない手つきで包丁を握って、「ちっ!なんで俺がこんなことせなあかんのや!」とかブツブツ文句を言いながら、梨の皮を剥いている姿を想像したら、笑ってしまった。

 

 

ダダダっと窓辺に走り、勢いよく窓を開けてベランダから下を見下ろす。

まだ廉が歩いているのが見えた。

 

 

ありさ「廉ーーーっ!!」

 

 

廉がビクっとなってから、こちらを見上げる。

 

ありさ「プロポーズ、OKだよー!これからもずっとずっと一緒にいようねーーー!!!愛してるよーーー!!」

見る見るうちに顔面蒼白になった廉が、あたふたしながら周りを見回す。

 

道行く会社員やごみ捨ての主婦や女子高生が、微笑ましくクスクスと笑って廉と私を見比べている。

廉は、とっさに「廉って人、どの人やろな~?」という演技に切り替える作戦に出たみたいだけど、もうみんなにバレバレ(笑)

 

 

「愛してる」とか「ずっと一緒にいようね」とか、そんな甘い言葉を言ってくれない廉だけど、だったら私が代わりに言うからいいもんね!

照れ屋なところも、俺様なところも、エロいところも、ドSなところも、家事ができないところも、だけどがんばって梨剥いてくれたところも、ガラにもなく花言葉なんて調べて私の願いを叶えてくれるところとか、全部ぜーんぶがたまらなく大好きだから!

 

心から愛してるよ
いつまでもその笑顔を見つめていたいんだ

これからずっとずっと一緒にいさせてよ

なんて
素直に言えないから
愛をこめて 花束を贈るよ

 

おわり

 


お読みいただきありがとうございました!
今回の小説はほとんどが女の子サイドからの視点でしたが、テーマ曲の「生活(仮)」の歌詞はれんれん側からの視点というような感じで使わせていただきました!
この曲は海ちゃんのプロデュース曲なので海ちゃんで書こうかなと思いましたが、「素直に言えない」というキャラクターがれんれんぽいのと、最初にこのありさというキャラクターをお花屋さんに設定していたため、「花束を贈るよ」の歌詞でこの二人しか思い浮かばなくなっちゃったので書きました!

 

一応この話は完結ですが、おまけの話・河合先生を主役にしたお話を書きました!

今回のお話のラストでれんれんが出勤した、その続きからのお話になっています。

もしよかったらまた是非お読みください!

 

おまけのおまけはこちら。

今回のバラの花束の本数によって花言葉が違う、というのは、庭ラジの雑学コーナーをモチーフにさせていただきました!

花言葉なんて全然知らなかったれんれんだけど、人から聞いて「へ~面白い!」ってなって、ちょっと自分で使ってみた…みたいなイメージです。↓

永瀬廉「ラジオガーデン(庭ラジ)」5月7日 ゲームが弱すぎて盾に使われる海ちゃん、従順すぎてかわいい…

 

この小説で参考にしたれんれんの結婚観はこちら!↓

コメント

  1. 平野永瀬 より:

    もう最っっっっ高です‼️ありがとうございました‼️‼️

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