9月9日に何も起こらなかったことを受けて…音楽小説「Style~父親であること=これが俺の生き方~」”SMAPの木村拓哉”を降り、ワッツからFLOWという新たな航海へ
人気記事1位!!中居正広の兄のご近所さんが語る真相!兄は静岡県沼津市の「スーパーカドイケ」の経営者で、中居を「ひろちゃん」と呼ぶ甥っ子も従業員で超イケメン! 君と僕の6ヶ月 1話「バス停の彼女」(SMAP「オレンジ」恋愛三部作)

君と僕の6ヶ月 1話「バス停の彼女」(SMAP「オレンジ」恋愛三部作)

SMAPの名曲「オレンジ」って、実は3部作だったって知ってますか?

「オレンジ」→「Song 2 〜the sequel to that〜」→「夏日憂歌(サマータイムブルース)」と繋がっていて、それがストーリーになっているっぽいということなんです!

この3つの作品にインスピレーションを受けて、音楽小説を書いてみました!

大筋は、大ヒットシングル「がんばりましょう」のカップリング曲である「君と僕の6ヶ月」がモデルになっています!





「君と僕の6ヶ月」1話

「あ、虹だ!」

先に降りた子供の声に気づき、笹本優介は続いてバスを降り空を見上げた。

いつの間にか、雨は止んでいた。

優介は、しばらく虹のかかった空を見つめていた。

そして、我に返って手に持っているケーキの箱を見る。

今日は、娘の愛美の誕生日だ。

早く帰らなければ。

優介は、足早に歩き出した。

そして、もう一度振り返り、バスが走り出し誰もいなくなったバス停を見た。

そこに、誰かの影を思い描いているかのように・・・。



バス停の彼女

-20年前-

憂鬱だった雨の日が好きになった。

あの日、君を見つけてから・・・。

笹本優介は、普段は自転車で大学に通っている。

しかし、雨の日だけは仕方なくバスを利用していた。

6月の朝のギュウギュウのバスは、蒸し暑くて最悪だ。

だから、優介は雨の日が嫌いだった。

しかし、ある時から雨の日が待ち遠しくなったのだ。

それは、道路の反対側のバス停に立っている彼女の姿に気づいたから。

赤い傘の下に覗く綺麗な長い髪と、スラリとした華奢な体にキレイな脚。

その傘の下の顔を確認したくなるのは、男の性だからしょうがない。

しかし、バスに乗り込み傘と閉じた彼女の顔を見たとき、ビビビっと来たのだ。

数年前に松田聖子が電撃婚したときに、相手の男性に「ビビビっと来た」という表現を使い、”運命の出会いをしたときに電流が走る”というこの感覚を「ビビビ」と表現することが流行り、そのまま定着した。

だけど、実際にこの「ビビビ」を体験したのは、初めてだった。

和也「そんな運命の相手なら、毎日バス通にすりゃいいじゃん?そしたら、向こうもお前のこと気づいてくれるかもしれないし。雨の日だけしか会えないんじゃ、何も始まらないだろう?」

和也は同じ大学の友人で、優介は最近和也の紹介で深夜のコンビニバイトを始めた。

優介「毎日バス通にしたら定期買わなくちゃいけないじゃんか。そんな金ないから、こうしてバイト始めたってゆうのに」

和也「もう、その無意味な”自分探し”止めれば?全くこの青春ボーイが!」

和也は奨学金で大学に通っているため、いくつかのバイトを掛け持ちしながら勉強に励む苦学生だ。

優介の家は地元では有名な病院で、小さい頃から医者である父親から当然のように優介も医者になるものと決めつけられ育てられてきた。

しかし、優介は医者になることが自分自身の夢だと思ったことは一度もなかった。

素晴らしい仕事だとは思うが、だからこそただ「父親が医者だから」なんて安易な志望動機のヤツがなっていいほど簡単な仕事じゃないと思っている。

そんな釈然とした思いを抱えながらも結局、父親の言う「最善の道」を蹴ってまで突き進む勇気が持てなかったのは、自分に”夢”と呼べるものを持っていなかったからだ。

さて話は戻って、なぜそんな医者の息子がお金がなくて深夜バイトに手を出しているかと言うと・・・。

父親の言うとおりに医学部に進んでは見たものの、ただ父親の操り人形として生きることに抗いたかったのだ。

もうこの時点で、和也には

「なんだその青春ど真ん中の理屈は・・・!!」

と大笑いされてしまったのだが。

それで、優介が考えたのは「自分の生活費は親の世話にはならない!」ということだった。

安直な考えだが、少しでも苦労すれば自分の人生の意味が見つかるのではないかと優介は漠然と思っていた。

それを、和也は「青春くんの自分探し」なんて茶化して言うのだった。

その日、一人も客のいない店内で、優介はレジでこっそりと教科書を開き勉強に没頭していた。

ピンポンピンポーン。

自動ドアが開く音で顔を上げ、思わず「あっ!!」と声が出てしまった。

大きな瞳が、びっくりしたように優介を見る。

「い、いらっしゃいませ~」

優介は愛想笑いでごまかした。

彼女だった。

バス停の彼女がそこにいた。

優介が声を上げたせいで誰か知り合いなのかと思ったようだったが、彼女のほうはやはり見覚えのない顔だったたらしく不思議そうな顔をしてから視線をそらした。

彼女はグルっと店内を一周して、買い物カゴをレジに置いた。

彼女「お願いします」

優介は興味津々なのを隠すように、さりげなくカゴの中身を確認しながらレジを打つ。

意外に飲むんだな・・・。

500mlのビールが2本とつまみ類。

おにぎりは明日の朝用かな?

これも体に似合わずけっこうな量食べるんだな・・・。

優介は、全く知らなかった彼女の生活を想像しながら商品を袋に詰める。

華奢な体に色白なキレイな肌から、勝手に清楚で可憐で少食で「お酒なんて一滴で酔っちゃいます・・・」みたいな子を想像していた。

でも、意外な彼女の素顔を見れたことにちょっと嬉しさも感じていた。

初めて間近で見た彼女は、いつもバス停で見ている時と印象が違った。

簡単に言えば、派手。

あれ?こんな感じだったっけ?と少し疑問を抱く。

優介「ありがとうございました」

ドキドキしながら彼女の接客を終え、彼女を見送ってから優介はへたりこんだ。

俺はなんてバカなんだ・・・!

いつも見ていた彼女が、自分のバイト先に来てくれるなんて偶然はもう二度とないかもしれないのに、何の会話もできずに見送ってしまうなんて・・・!

これこそ、まさに“運命”だったんじゃないのか!?

このチャンスをものにできないでどうする!!

優介「和也~~っ!!」

事務所で仮眠中だった和也を叩き起こす。

和也「何?もう交代の時間・・?」

眠そうに目をこする和也に、俺は大興奮で話した。

優介「来たんだよ!!例のバス停の彼女が!!なのに、俺何も声かけられなくて・・・!あぁ~~!!もうなんでだよ俺~~~!!」

和也「マジで!?見たい見たい!お前がそこまで言う美人な彼女!もう帰っちゃった!?」

和也は面白がって飛び起きて、店に出る。

まだガラス越しに歩いていく彼女の姿が見えた。

優介「ほら、あれあれ!」

和也「あぁ!あのお客さん!」

優介「え?知ってんの?」

和也「安心しろ!あのお客さん、この店の常連さんだ。また会えるぞ」

優介「そうなのか!?でも、俺ここ入ってもう2週間になるけど、今日初めて会ったけど?」

和也「来るの毎日じゃないからなぁ。気にしたことないけど、曜日とか決まってんじゃね?あと、お前が休憩入ってるときに来てたこともあったと思うけど・・・」

優介「マジか・・・!じゃあ曜日と時間調べて、俺必ずその曜日のその時間に店に出るようにする!!」

この作戦が功を奏し、優介は彼女が週に3回必ず深夜2時頃にこの店に寄ることを突き止め、必ずその曜日その時間に彼女の接客をすることに成功していた。

そして、彼女が意外にメイクや服装が派手なことも、思いもよらぬ大食いで大酒喰らいなことも、タバコを吸うことも知るようになっていた。

こんな時間に出歩いているというのも、夜遊び慣れした女なのだろうか?

思い描いていた理想の彼女とはどんどんかけ離れていくのに、不思議とどんどん彼女に夢中になっていった。

そして、ある夜優介はついに勝負に出た。

優介「あ!すいません、おつり切れちゃってるんでちょっと待ってください」

事務所に戻り、予備のお釣りを確認するフリをしてから、またレジに戻る。

優介「すみません~、ちょっと予備のお釣りも切れちゃってて・・・」

当然、事務所にもお釣りがないなんてことはありえない。

そんなことがないように、ちゃんと小銭はたくさん用意してあるのだから。

でも、嘘をついた。

ちょっとでも長く、彼女と話がしたかったから。

彼女「う~ん、じゃあ今度でいいですよ。私、よくここ来るから」

優介「あ!はい!じゃあ次の時に、必ずお返ししますね!!」

彼女「はーい。じゃあ、利子つけて返してね」

彼女はニコっとイタズラっぽく微笑んで、帰っていった。

優介は、再びその場にへたりこんだ。

な、なんだあの可愛さはぁ~~~っ!!

見たか!?今の彼女の笑顔!!

完全にやられた・・・。

もうこれは完全に間違いない。

俺は、彼女に恋をしている・・・!

2日後。

彼女はいつものように店に現れた。

入ってくるなり「あ!」という表情になり、会釈をする。

これって、もう俺たち”知り合い”ってことだよな。

もうただの客と店員の関係じゃないんだ。

そんな小さなことに、優介はニヤニヤが止まらなくなる。

彼女「この前はどうも」

彼女は、カゴをレジに置く。

優介「ご迷惑をおかけしました。これ、お釣りです」

優介は用意していた小銭を彼女に渡す。

彼女「ねぇ、足りないんだけど?」

優介「え?」

おかしいな。確かにちゃんと確認して用意しておいたはずなんだけど・・・。

困惑する優介に、彼女はもう一度言った。

彼女「これだけで済むと思ってるわけじゃないでしょ?利子つけて返してって言ったじゃん」

え……?

彼女は、「当然でしょ?」と言わんばかりにキョトンとして優介をじっと見つめる。

彼女「はーやーく!利子ちょうだい!利子!そうじゃなかったら、今日のお代まけてよ」

優介「え、いや…コンビニでまけるとかちょっと無理なんですけど…」

彼女「そんなの君が自腹切ればいい話でしょ?そもそもお釣り切らしてたのは君のミスなんだし」

今度は「なんか文句あんのか」と言わんばかりに腕組みをする。

な、なんか・・・彼女のイメージがガラガラと崩れていくんですけど・・・?

俺の理想の清楚で可憐なバス停の彼女はどこに行った・・・?

深夜のコンビニバイトを始めて

必ず立ち寄る 君に恋をした

ある晩 お釣りが切れてるフリして

君をレジ前に引き止めたよね

きっかけなら平凡だったけど

永遠に続けられる気がしたよ

出典:SMAP「君と僕の6ヶ月」作詞:三井拓、作曲:馬飼野康二

SMAP「君と僕の6ヶ月」の歌詞全文を知りたい方はコチラ!

続きはこちら↓

君と僕の6ヶ月 2話「性悪な女」同じならば惹かれない (SMAP「オレンジ」恋愛三部作)

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